アニメ音楽丸かじり(1)
『今日の5の2』ベスト、『とらドラ!』サントラが発売
お初にお目にかかります。和田穣と申します。ライターやってます。今回からこのコーナーでアニメ音楽に関する記事を担当させてもらう事になりました。毎回数枚のアニメ音楽CDを取り上げ、時に面白おかしく時に真面目に紹介していこうと思っています。
取り上げるのはアニメ音楽、つまりサントラと主題歌がメインとなります。キャラクターソングや声優さん名義の作品はケースバイケースで、ドラマCDやゲーム音楽は基本的に扱いません。
それでは今後とも宜しくお願いします!
先ごろ放映を終了した『今日の5の2』の出演声優からなるユニット、Friends(小林ゆう、下田麻美、MAKO、明坂聡美、阿澄佳奈、本多陽子)のベストアルバム「BEST FRIENDS」が7日に発売された。内容はOP「ニセモノ」のほかED5曲のフルサイズ等が収録されている。頻繁にED曲が変わる番組作りからして、いずれこういうアルバムが出ると予想していた人も多かったんじゃないかな。
ED曲はご存じのとおりZONEの「secret base〜君がくれたもの〜」「大爆発NO.1」、WhiteberryもカバーしたJITTERIN' JINNの「夏祭り」など、ガールズバンドの楽曲を取り上げているのが特徴だ。女性声優が歌うには良い選曲だと思うし、若さとノスタルジーを感じさせる曲調は番組にもマッチしている。
他の収録曲も紹介しておこう。ユニット名の由来になっているのかは分からないがレベッカの「フレンズ」、小泉今日子のカバーでも知られるフィンガー5の「学園天国」などカバー曲が中心だ。『シスター・プリンセス』の声優ユニット、Pritsの「Sakura Revolution」まで取り上げているのはファンにとって嬉しいプレゼントだろう。
個人的に面白かったのが新曲の「rollover」。これは小林ゆうと下田麻美の2人だけによるデュエットだ。下田の歌唱は「アイドルマスター」で話題になった「とかち節」に近いものなので、聴いていると脳内では木村カエレと双海亜美が一緒に歌っているようなオモシロ映像が繰り広げられるかも!?
このFriendsのメンバーが出演するライブが2月1日に開催される予定だ。『みなみけ』出演者とのカップリング公演となっている。詳しくはスターチャイルド公式HPで確認してほしい。
僕も毎週楽しみに観ている『とらドラ!』のサントラが7日にリリースされた。OP・EDのTVサイズを含む全32曲で、収録時間は62分だ。
副題には「いいから聴きなさいよ!このバカ犬!」とある。「バカ」に加えて「犬」とくれば、きわめて侮蔑度の高い罵倒表現だろう。しかしながら、それをむしろ「ごほうび」だと感じるような人が増えたのは一体いつの頃からだろうか……と、そんな哲学的な思索に思いを巡らせる。
閑話休題。CDを聴いてみてまず気に入ったのが、多くの楽曲が劇中で使われている部分よりも長めに収録されていたり、新たにイントロが付け加えられれていたりすること。全体的に長めにストレッチされているため、短い曲でも1:40くらい、長いもので3:30ほどある。曲全体を通しで聴いて初めてわかるリズムチェンジやアレンジの変化もあるため、TVを何度も観た人でも新鮮な気持ちで楽しめるのではないか。
音楽を担当するのは橋本由香利。『おとぎ銃士 赤ずきん』ED「笑顔の宝物」、『さよなら絶望先生』ED「絶世美人」、『ストライクウィッチーズ』ED「ブックマーク ア・ヘッド」など、ここのところ主題歌の分野で目立だっている音楽家だ。Aice5の「Brand new day」「Love Power」や、田村ゆかりへの楽曲提供でもいい仕事を残しているので、その名前をご記憶の方もいることと思う。
TVアニメの音楽担当はこれが初めてだと思うが、ピアノソロ、室内楽、バンド、ストリングスのいずれも爽やかでフレッシュな楽曲が目立つ。劇中の瑞々しい学園生活を飾るにふさわしい音楽たちだ。加えてこのディスクは音質もクリアで聴きやすく、気持ちよさを更に高めてくれる。
1曲目「Startup」は「これから新生活が始まる!」とでもいう感じの新鮮な高揚感を与えてくれる楽曲。21曲目「Lost my pieces」は2話の大河の告白シーンなど「ここぞ!」というシーンで流され、番組の顔とでもいうべき楽曲。この2曲は特に印象に残ったのでおすすめしておく。
(価格はすべて税込)
(09.01.13)