アニメ音楽丸かじり(33)
『銀魂』お通ちゃんのアルバムが発売中!
和田 穣
この原稿を書いた日の昼間、田んぼに稲を植えてきた。場所は茨城県のつくばみらい市。サイバーな市名とは裏腹に、あたり一面にのどかな田園風景の広がる土地柄だ。
このあたりでも、最近は高齢化による農家の人手不足が深刻なようで、僕がお手伝いにいったのも、そういった田んぼのひとつ。田んぼというのは一度管理を止めてしまうと、耕作可能な状態に復旧するのが大変らしい。そこで、都市部などから農業に興味のある人を募り、農作業の中でも特に人手が必要な「田植え」「除草」「稲刈り」に労働力を投入してもらう。その代償として、農家は収穫した米を売るときに一定額を値引きするわけだ。
田植えは基本的に腰を屈めて行うため、腰に不安のある筆者は終始ビクビクしていたが、なんとか無事に作業を終える事ができた。
TVシリーズの放映は終わってしまったが、4月24日から劇場にて『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』が公開され、相変わらず人気の高い『銀魂』。劇中のアイドル、お通ちゃんこと寺門通のアルバムが、劇場公開と同じ4月24日に発売された。
本盤は以前からリリースの噂はあったものの、なかなか正式なアナウンスが出ずにファンをやきもきさせてきた。お通ちゃんといえば、可愛らしい声とビジュアルに反して、過激な歌詞が持ち味だ。劇中でも「CD発売中止」をネタにしてきただけに、「もしかして本当に発売中止か?」と思っていたが、どうやら杞憂だったらしい。全8曲の収録で、勿論すべてがフルバージョンだ。曲目は以下のとおり。
- お前の母ちゃん××だ!
- お前の父ちゃんチョメチョメ
- チョメ公なんざクソくらえ!
- お前の兄ちゃん○○○○○
- 放送コードがなんぼのもんじゃい
- お前と×ちゃん呑んだくれ
- ダイナマイト再開〜昼下がりの専業主婦〜
- お前のバアちゃんお前のバッシュ履いてた
ファンが気になるのは、やはり「放送コードがなんぼのもんじゃい」に代表される、歌詞の「ピー音」「伏せ字」の部分だろう。残念ながら、本盤では基本的に歌はピー音あり、歌詞カードは伏せ字ありだ。ただ、ピー音はTV放映版よりも丁寧な付け方にグレードアップ(笑)しており、リズムや雰囲気は掴みやすくなっている。まあ、よりモールス信号っぽくなった、という感じだろうか。
ブックレットには作詞の大和屋暁やお通役の高橋美佳子など、関係者数名のコメントが載っている。内容を読む限り、やはり発売に漕ぎ着けるのは大変だったようだ。ピー音は発売中止を避けるためにやむを得ない選択なのだろう。
なお、このCDはアニメイト専売商品であり、全国のアニメイト店舗、およびアニメイトのオンラインショップのみでの取り扱いとなっている。これから購入を予定している人は注意していただきたい。
ここ数年は精力的にライブ活動を行い、ライブDVDも次々とリリースしてきた梶浦由記率いるFictionJunction。その集大成とも言えるライブベスト盤CDが5月12日に発売される。2枚組に計30曲というボリュームで、そのわりに3000円と価格は控えめ。ポイントは、ベストと言いながらその実20曲がDVDにも収録されていない初音源化のテイクということで、すでにDVDを所有しているファンにも楽しめるだろう。
初音源化の部分は、主に2008年12月27日と、2010年1月9日の横浜BLITZ公演を収録したもの。特に後者はDISC2の全編16曲に及ぶ長さであり、日本語封印スペシャルライブの内容を含んでいる。また『舞-HiME』『舞-乙HiME』の関連曲メドレーが収録されているのもポイント。
その他のアニメ関連曲では、『PandoraHearts』OP「Parallel Hearts」、『MADLAX』挿入歌「nowhere」、『機動戦士ガンダムSEED』挿入歌「暁の車」など、最近の梶浦由記のライブではお馴染みのナンバーを収録している。
FictionJunction 2008-2010 The BEST of Yuki Kajiura LIVE
VTCL-60201〜2/3,000円/フライングドッグ
5月12日発売予定
[Amazon]
(価格はすべて税込)
(10.05.11)