アニメ音楽丸かじり(58)
春期新番組の主題歌が続々とリリース!
和田 穣
前回紹介した『日常』のオープニング曲「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ−C」が4月27日にリリースされ、オリコンのウィークリーランキングで12位という好位置につけた。作曲家としての前山田健一は、すでに倖田來未×misono「It's all Love!」や、東方神起「Share The World」(『ONE PIECE』オープニング主題歌)などのナンバーワンヒットを持つが、自らがアーティストデビューしてのランクインには、格別の思いもあるだろう。麻生夏子を起用したPVもポップかつキュートな仕上がりだ。
こちらもウィークリー17位にチャートインした『Steins;Gate』のオープニング主題歌「Hacking to the Gate」。Xbox360版、PC版に引き続き歌はいとうかなこが担当する。CDは限定盤、通常盤の2種が発売され、限定盤にはアーティスト出演のPVが付属する。
Xbox360版の主題歌「スカイクラッドの観測者」が好評だっただけに、アニメ版で新主題歌を作るのにはプレッシャーもあったと思うが、さすが志倉千代丸。メロウな旋律とデジタルビートの融合した、キャッチーな楽曲を作り上げてきた。いとうかなこのクールで無機質な声と、作品世界との相性はばっちりだ。
『Steins;Gate』オープニング主題歌「Hacking to the Gate」
限定盤:MFCZ-1005/1,890円/メディアファクトリー
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通常盤:MFCZ-1006/1,260円/メディアファクトリー
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5月11日は、一気に10曲以上の主題歌がリリースされる激戦区になった。その中から『緋弾のアリア』のエンディング主題歌「カメリアの瞳」を紹介。中野愛子のセカンドシングルだ。ラジオ等での露出が多かったため意外に思えるが、昨年1月のデビューシングル「フレンズ」から久々のリリースとなる。
レベッカのカバーで、Elements Gardenの藤田淳平による編曲だった前作から、中野本人による作詞作曲と、河野陽吾の編曲という布陣に変わった。河野は『聖闘士 星矢』の主題歌「ペガサス幻想」で知られるMAKE-UPのメンバー出身で、JAM Projectの楽曲制作にも関わっている人物だ。
曲調は1980年代のハードロックを思わせ、浜田麻里、SHOW-YA(寺田恵子)、PEARL(田村直美)あたりの重厚さと歌謡性を併せ持つ、日本の女性ロックシンガーの系譜に沿ったものだと感じた。近年この路線の継承者は少なくなっているので、嬉しいところだ。中野愛子の太い声には、ハードロックがよく似合う。
(価格はすべて税込)
(11.05.10)