アニメ音楽丸かじり(61)
『パンスト』新サントラ、『銀魂』ベスト2がリリース!
和田 穣
昨年末に発売されたサントラ「Panty & Stocking with Garterbelt The Original Soundtrack」がオリコンのウィークリーランキング10位というヒットとなった『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』。カートゥーン調の絵柄とクラブテイストあふれる楽曲がマッチし、従来のアニメ劇伴の枠を打ち破って話題となった。アニメスタイルでも注目の作品であり、「月刊アニメスタイル」には今石洋之監督によるコミック版を連載。5月28日には新文芸座でアニメ全話をオールナイト上映した事も記憶に新しい。
そして7月20日に、サントラ第2弾となる「Panty & Stocking with Garterbelt THE WORST ALBUM」がリリースされる予定だ。ベストではなくワーストと題するあたりがいかにも『パンスト』らしい。このCDについて紹介したいところだが、まだ制作途中という事もあって実物は入手できていない。今回は第1報ということで大まかな内容をお伝えし、来月に詳報をお届けできればと考えている。
CDの構成としては、サントラ第1作に未収録のBGM、前作収録曲のリミックス、新録のオーディオドラマ、伊瀬茉莉也(ストッキング役)が歌う新曲「Milky way」などを予定。ストッキングの歌は前作収録の「CHOCOLAT」も評判がよかっただけに、新曲は嬉しいところだ。
オーディオドラマの内容については、小笠原亜里沙(パンティ役)、伊瀬茉莉也ともに「ひどい!」とコメントしたそうだ。公共の電波という枠を離れた『パンスト』が、一体どこまで品性の限界に挑戦するのか、今から期待と不安が膨らむ(笑)。ちなみにゲストキャラクターとして、井上和彦が演じるフルチンコフが登場する。もう一度書いておこうか。ゲストキャラの名前はフルチンコフだ。しかも井上いわく「フランクフルトのCMソングを歌わせていただきました」とのこと。これは確かにひどい事になりそうで、実に楽しみだ。
『銀魂』の主題歌コンピレーションアルバム第2弾「銀魂BEST2」が6月22日にリリースされる。2009年に発売された前作「銀魂BEST」はゴールドディスク認定のヒット作となっただけに、話題性の高い1枚だ。内容を紹介していこう。
まずTVシリーズ第1期より、シーズン其ノ参後半(2008年10月)から、第1期終了(2011年3月)までの主題歌を収録。オープニング主題歌は「アナタMAGIC」「Stairway Generation」「Light Infection」の3曲、エンディング主題歌は「I、愛、会い」「輝いた」「朝ANSWER」「ウォーアイニー」「ワンダフルデイズ」「サヨナラの空」の6曲だ(ご存知のとおり、『銀魂』はED曲がOP曲の2倍の頻度で入れ替わる)。
そして特選再放送の『よりぬき銀魂さん』から、オープニング主題歌が「バクチ・ダンサー」「風のごとく」「可能性ガール」「カートニアゴ」の4曲、エンディング主題歌が「僕たちの季節」「WAVE」「IN MY LIFE」「桜音」の4曲だ(「バクチ・ダンサー」「僕たちの季節」の2曲は、『劇場版 銀魂 新訳紅桜篇』でも主題歌として使用された)。以上の全17曲を収録しているが、「桃源郷エイリアン」「サムライハート(Some Like It Hot!!)」など、TVシリーズ第2期(2011年4月~)の主題歌は含まれていないので注意が必要だ。
前作と同様に初回限定盤にはDVDが付属する。内容は、上記の各主題歌に対応する全てのノンクレジットOP映像、ノンクレジットED映像となっている。限定盤が売り切れ次第、通常盤に切り替わるので、DVDに期待する方はお早めに。ちなみに前作「銀魂BEST」の初回盤は、現在は中古品がプレミア価格になっているようだ。
僕が好んでよく聴いているのは、井上ジョーが歌う「風のごとく」。「むかしむかし男ありけり」で始まる古風な歌詞と、ソリッドなロックサウンドとの組み合わせは、まさに『銀魂』の方向性にぴったりだ。意外にも彼はロサンゼルス出身の日系アメリカ人。しかも趣味はサーフィンだという。陽光あふれるカリフォルニアから来た男が、サムライの歌を作ったというのがなんとも面白い。
(価格はすべて税込)
(11.06.21)