アニメ音楽丸かじり(67)
遂に『アイマス』CDが本連載に初登場!
和田 穣
冲方丁の人気小説を原作にした『マルドゥック・スクランブル』の劇場第2弾となる『燃焼』が9月3日より公開された。公開初日にあわせて、キングレコードからサントラ盤がリリースされている。全28曲で45分の収録。なお、前作となる『圧縮』のサントラについては、以前の記事で詳しく紹介しているので、興味のある方はそちらも参照してほしい。
今回の映画は原作2巻を映像化したもので、カジノでのギャンブル対決を中心とした構成(CDのジャケットもルーレットをあしらったデザイン)だ。激しい銃撃戦やアクションが見せ場だった『圧縮』とはガラッと内容を変えている。音楽もそれに伴って作風が劇的に変化しており、ピアノやハープをフィーチャーした優美な音楽、耽美的な楽曲が多いのが特徴。CD1曲目の「The Prelude of Mardock Scramble The Second Combustion」は、フルートとピアノを用いたドビュッシー風の音楽で、『燃焼』を象徴する楽曲だ。
ハープとストリングスによる美しい6曲目「Rakuen」は、『燃焼』の見せ場のひとつである「楽園」シーンにおけるテーマ曲。原作発表時からそのイマジネーション豊かな情景描写が話題となり、ファンの間で映像化が期待されていた部分だ。その出来映えのほどは、ぜひスクリーンで確認してほしい。ちなみに、注目の主題歌は前作に引き続き本田美奈子による『アヴェ・マリア for Balot』を採用している。
人気コンテンツながら、ゲーム関連ということでこれまでこの連載で取り上げる機会のなかった『THE IDOLM@STER』。僕はXbox360版を何周もプレイしてきたファン(伊織・亜美派)なので、残念に思っていた。しかし7月から晴れてアニメ化を果たし、作画もハイクオリティでなかなか好評のようだ。大手を振って9月7日にリリースされた新作CD「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 02」を紹介できる。
本盤はTVアニメ第1話〜第5話までの主題歌、挿入歌、BGMをまとめたアルバム。アニメ版『アイマス』では各話の見せ場で歌が流れるので、このようなCDを期待していたファンも多かっただろう。タイトルこそ「ANIM@TION MASTER 02」となっているが、「01」はオープニング主題歌「READY!!」のシングル盤となっているため、この構成のCDは本盤が初めてとなる。
内容をざっと紹介しよう。まずは歌ものだが、主題歌「READY!!」のTVサイズと、第1話から「The world is all one !!(M@STER VERSION)」(リミックス)。第2話からは「私はアイドル(M@STER VERSION)」(既発)と「ポジティブ!(M@STER VERSION)」(歌を新録、リミックス)。第3話からは「ALRIGHT*」「First Stage(M@STER VERSION)」(いずれも歌を新録)。第4話からは「乙女よ大志を抱け!!」(既発)、「蒼い鳥(M@STER VERSION)〜TV ARRANGE〜」(歌を新録)。そして第5話からは「神SUMMER!!」(新曲)、「MOONY」(新曲)となっている。
完全な新曲こそ2曲のみだが、大半のトラックがリミックスや歌の新録でリニューアルされており、ファンの購買意欲をくすぐる内容だ。アニメから『アイマス』を知った方には、入門編としてもぴったり。萩原雪歩は声優が交代したこともあり、歌がすべて録り直されているため要チェックだろう。
BGMは元バンダイナムコゲームスの高田龍一が担当。12曲が収録されているのだが、うち4曲がゲーム版BGMから引用してきたところが面白い。ゲーム版に親しんだファンにとっては耳に馴染んだ曲ばかりで、より作品世界に没入できるだろう。「i」のピアノインスト版もBGMとして用いられている。
また、10月5日にはアニメ第6話〜第10話までの楽曲を集めた「ANIM@TION MASTER 03」の発売も予定されているので、こちらも楽しみだ。
(価格はすべて税込)
(11.09.13)