アニメ音楽丸かじり(81)
『銀翼のファム』サントラ第2弾が登場!

和田 穣

 現在放映中の『アクエリオンEVOL』で個人的に注目しているのが、ジン・ムソウとユノハ・スルールのカップル。いわゆるジンユノですな。奥手で内気なキャラクター同士ということもあり、なんとも初々しく微笑ましい2人だ。主人公並みにフィーチャーされる場面も多々あり、スタッフから愛されるキャラクターなのだろう。そんな2人の恋路は、第13話をご覧になった方はご存知のように、なんとも悲劇的な結末を迎えるわけですが。
 さてそんな2人に最もスポットが当たったのが第10話で、2階バルコニーのユノハと、下から呼びかけるジンの構図はまるで「ロミオとジュリエット」のよう。ジンがカイエンの放った銃弾からユノハをかばい、エレメント能力を発動して銃弾をはじき飛ばすシーンは、シリーズ最高の見せ場のひとつだろう。ここで流れたのが前シリーズ『創聖のアクエリオン』の挿入歌「プライド~嘆きの旅 」。「愛の名のもとに」という歌詞が完璧なタイミングで映像に重ねられており、大きな演出効果を生み出していた。この楽曲を入手するには、前シリーズの主題歌や挿入歌をまとめて聴けるAKINOのアルバム「Lost in Time」がおすすめ。この楽曲に限らず、『アクエリオンEVOL』では前シリーズの主題歌や挿入歌が随所で効果的に使われていて、作品の雰囲気作りに大きく貢献している。

Lost in Time/AKINO from bless4

VTCL-60002/2,415円/フライングドッグ
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 先ごろ放映が終了した『LASTEXILE 銀翼のファム』のサントラ第2弾が、3月28日にリリースされた。全25曲で68分の収録内容だ。昨年12月に発売された第1弾に引き続き、美しいコーラスたっぷりで音楽担当・黒石ひとみの魅力が詰まった1枚となっている(サントラ第1弾に関しては、以前の記事を参照してほしい)。
 『ファム』の音楽の特徴は、歌手と作曲家を兼ねるミュージシャンが作っただけあって、主題歌・挿入歌をたっぷりと何曲も使った贅沢な作風だ。内容を紹介すると、まず第8話、第20話で使用されたエンディング主題歌のバージョン違い「Starboard [Silky Wind ver.]」が1曲目に配されている。重厚なストリングスと神秘的なコーラスが絡み、打ち込みのビートも加えた豪華なバージョンだ。
 第19話エンディング曲「Grand Exile」は主題歌ではなくインスト扱いだが、随所にスリリングなコーラスが入り、物語の佳境を盛り上げていた。そして最終話のエンディング曲「風の境界線」もフルサイズで収録。6分近い大曲で、朗々とした旋律がフィナーレにふさわしいカタルシスを生み出していたように思う。
 新境地もいくつかあって、ギターとパーカッション主体の7曲目「Brush Hockey」や、ややハウスっぽい8曲目「Everything I wish」などは、物語の進展にあわせて追加録音されたものではないかと推測する。後者は14話で挿入歌として使用されていた。
 とにかくエンディングのバージョン違いや挿入歌の多い作品だったが、2枚のサントラを購入すればそのほとんどが揃う。前作エンディング主題歌のバージョン違い「Over The Sky [Angel Feather ver.]」は含まれていないが、こちらはコンピレーション盤「Angel Feather Voice 2」に収録。こちらも『ファム』と同様の作風でおすすめのアルバムだ。

『ラストエグザイル―銀翼のファム―』オリジナルサウンドトラック2(音楽:黒石ひとみ)

VTCL-60287/2,940円/フライングドッグ
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(価格はすべて税込)

(12.04.03)