アニメ音楽丸かじり(84)
今年の春は菅野よう子楽曲の大豊作!(2)

和田 穣

 日本中を吹き抜ける(」・ω・ )」うー!(/・ω・)/にゃー!の嵐!……と言ったらいささか大袈裟だが、春期TVアニメの主題歌の中でも、話題性の面で一歩リードしたのが『這いよれ!ニャル子さん』のオープニング主題歌「太陽曰く燃えよカオス」だろう。特にニャル子役の阿澄佳奈による「うー」「にゃー」の囃しが絶妙で、幼児的とも動物的とも言える独特の声音はやたらと耳に残る。曲名に「カオス」と入っているだけあって、一筋縄ではいかないコード進行とメロディも印象的。番組内容の無軌道ぶりと相まって、摩訶不思議な魅力を生みだしている。
 CDのリリースは5月23日で、DVD同梱盤には、ノンテロップオープニング、プロモーション映像、CM映像などを収録したDVDが付属する。

『這いよれ!ニャル子さん』オープニング主題歌「太陽曰く燃えよカオス」

DVD同梱盤:AVCA-49666/B/1,680円/DIVEIIentertainment
5月23日発売予定
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通常盤:AVCA-49667/1,260円/DIVEIIentertainment
5月23日発売予定
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 さて前回に引き続き菅野よう子月間の第2弾。いよいよ『アクエリオンEVOL』のサントラ盤が5月23日に登場だ。21曲収録で全69分で、うち7曲をボーカル曲が占めており、大ヒットした『マクロスF』のサントラを思わせる構成となっている。劇伴14曲についても1分台の小曲が6曲のみとなっており、TVアニメのサントラとしては尺が長め。
 オープニング主題歌「君の神話〜アクエリオン第二章」「パラドキシカルZOO」、エンディング主題歌「月光シンフォニア」「ユノハノモリ」の4曲はいずれもフルサイズで収録。特に「パラドキシカルZOO」「ユノハノモリ」の2曲はシングル盤の発売予定がないので、いまのところ本盤のみの収録となる。ファンは必携と言えるだろう。
 第4話、第6話、第11話、第17話に使用された挿入歌「イヴの断片」は、これまで積み重ねてきた菅野&AKINOタッグの到達点とでもいうべき楽曲。アップテンポに乗せためくるめく曲展開、ハイトーンで技巧的な節回しを詰め込んだボーカルラインで、実にテンションの上がる楽曲に仕上がっている。そのまま主題歌に使えそうなクオリティで、この曲を聴いて本盤の予約に走ったという人も多いはず。
 ディスクの最後を飾るのが「アクエリア舞う空」。劇中映画「アクエリアの舞う空」の主題歌で、アマタの母であり主演女優のアリシアが歌ったという設定だ。前シリーズ『創聖のアクエリオン』との関連性の点でも、ネオ・ディーバとアルテア界の両勢力を繋ぐ上でも重要な1曲であり、純粋に楽曲としてみてもドラマチックな編曲が光る名バラードではないかと思う。
 その他、劇伴でも1曲目「パンドーラ、パンドーラ」、19曲目「創聖記#2」などは混声合唱を導入し、本作らしく神話的な壮大さを演出している。聴きどころたっぷりの1枚と言えるだろう。

『アクエリオンEVOL』「イヴの詩篇」

VTCL-60298/3,045円/フライングドッグ
5月23日発売予定
[Amazon]

(価格はすべて税込)

(12.05.22)