注目の短編アニメ特集
「『グレートラビット』と世界のアニメーション傑作選」

 6月23日より、若手アニメーション作家・和田淳の作品を中心とした短編特集プログラムが上映される(東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムを皮切りに、全国順次公開予定)。2プログラム制で、どちらも和田の最新作『グレートラビット』が含まれている。
 まず、Aプログラムは、近年作られた世界各国の短編アニメから注目作をセレクト。ベルリン国際映画祭の短編部門で銀熊賞を獲得した『グレートラビット』をはじめ、先日アヌシーで音楽賞を獲得したばかりの『MODERN No.2』(水江未来監督)、ザグレブでグランプリと観客賞を受賞した『オー、ウィリー』(マーク・ジェイムス・ロエルズ、エマ・ドゥ・スワーフ監督)と、各国で高評価を受けた作品が集う。ほかにも、過激なブラックジョーク満載の3DCGアニメ『エクスターナル・ワールド』(デイヴィッド・オライリー監督)や、1カットずつ異なる手法で旅の喜びをスケッチした『マダガスカル旅日記』(バスティアン・デュボア監督)、漫画家のしりあがり寿が東日本大震災の「その瞬間」を切り取った『3月11日のかけら』など、魅力的な作品が揃った充実のプログラムだ。
 そして、Bプログラムでは、2002〜2012年に作られた和田淳作品・全14本を一挙上映。初期作品『夢現』から『グレートラビット』に至るまでの変遷、成熟を見ることができる。デビッド・リンチ作品も思わせる奇想と飛躍に富んだ語り口、諷刺精神に溢れたシュールで残酷なユーモアに加え、動きや質感を巧みに表現した作画アニメとしての面白さもある。そんな和田作品の魅力にぜひとも触れてみてほしい。特に彼の代表作と言える『わからないブタ』『そういう眼鏡』『鼻の日』は必見だ。
 各プログラム、上映日時などの詳細は、下記公式サイトまで。(岡)

●公式サイト
http://calf.jp/grabbit

(12.06.12)