開催間近! 新文芸坐×アニメスタイル セレクション
「初心者のための? 湯浅政明」上映作品紹介
池袋・新文芸坐とアニメスタイルの共同企画「新文芸坐×アニメスタイル セレクション」の第9弾となるオールナイトイベント「初心者のための? 湯浅政明」が、いよいよ今週末7月24日に開催される。来場者には上映作品の解説チラシを配布する予定だが、ここでひと足お先に、その内容を紹介。『四畳半神話大系』で初めて湯浅監督の名前を知った方や、オールナイトに興味はあるけど全然知識がないから行きづらいという方も、これさえ読んでおけば大丈夫! また、当日は湯浅監督本人も来場し、上映前に50分ほどのトークショーを行う予定(司会は本誌編集長・小黒祐一郎)。どんなお話が飛び出すか、乞うご期待!
『ケモノヅメ』1〜2話 (2006) |
湯浅政明監督が初めて手がけたTVシリーズにして、初のオリジナル作品。古来より人を喰う鬼を狩り続けてきた集団「鬼封剣」──その師範代である主人公・桃田俊彦が、人間として暮らす食人鬼の女性・上月由香と恋に落ちてしまったことから、壮絶な逃避行のドラマが幕を開ける。R-15指定の過激なエロス&バイオレンスを全編に散りばめつつ、大人のロマンスとユーモアもたっぷり詰め込んだ伝奇アクション・ラブストーリー。キャラクターデザイン・総作画監督は、最新作『四畳半神話大系』まで湯浅監督とタッグを組み続ける伊東伸高。今回のオールナイトでは、シリーズ全13話のうち、物語の発端部となる1〜2話を上映。『四畳半』で小津役を演じた吉野裕行の熱演にも注目! |
原作・監督・シリーズ構成/湯浅政明 |
『なんちゃってバンパイヤン』(1999/Production I.G) |
吉田すずか原案のキャラクターを使ったTVシリーズ企画用に作られた、約20分のパイロットフィルム。Production I.Gが制作し、湯浅監督は絵コンテとレイアウトも兼任。監督としては最も初期に手がけた作品で、『クレヨンしんちゃん』の本郷みつるが監修として参加している。怪奇映画風ムードと可愛らしいキャラクターのミスマッチ感、ギャグとアクション満載のストーリー展開が楽しい。中盤に登場する剥製のシカが強烈なインパクトを残す。なお、この企画はのちにTVアニメシリーズ『バンパイヤン・キッズ』(2001〜2002)として放映された(こちらには湯浅監督は参加していない)。 |
監督・絵コンテ・レイアウト/湯浅政明 |
『音響生命体ノイズマン』(1997/バンダイビジュアル) |
STUDIO4℃を代表するクリエイター、森本晃司監督による傑作短編アニメ。人々から音楽を奪い、街を支配する怪物ノイズマンと、音楽の実によってノイズの呪縛から解放された少年少女たちの戦いを描く。当時最先端のデジタル技術を駆使して描かれた疾走感あふれる映像、緻密に設計されたサウンドデザインが素晴らしい。ノイズマンを始めとするクリーチャーデザインや世界観設定を湯浅政明が手がけ、奔放なイマジネーションを炸裂させている。カルトな人気を誇る作品でありながら、DVDは現在入手困難となっており、大画面で観られるのは貴重な機会。 |
監督・キャラクターデザイン・作画監督/森本晃司 |
『クレヨンしんちゃん 雲黒斎の野望』(1995/東宝) |
大人気アニメ『クレヨンしんちゃん』の劇場版第3作。歴史を書き換えようと企む何者かの陰謀を阻むため、戦国時代へタイムスリップした野原しんのすけ一家の冒険を描く。湯浅政明はシリーズ第1作『アクション仮面VSハイグレ魔王』から、原画だけでなく設定デザインも手がけ、その才能を遺憾なく発揮。アニメファンの間でその名が広く知られるきっかけとなった。本作では謎の黒幕・雲黒斎が率いる悪の軍団を始め、終盤に登場する常軌を逸したパラレルワールドなどのコンセプトデザインを担当。クライマックスの巨大ロボット対決にも、その異能ぶりがバクハツしている。作品自体、時代劇をこよなく愛する作り手の情熱がひしひしと伝わってくる、シリーズ屈指の傑作である(本作のコンテ・演出を手がけた原恵一は、のちにシリーズ10作目『嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦』で再び時代劇に挑戦した)。 |
監督/本郷みつる |
『マインド・ゲーム』(2004/アスミック・エース) |
ロビン西による同名コミックを映画化した、湯浅政明の記念すべき長編監督デビュー作。実写・2D・3Dを大胆に融合させ、パワフルな躍動感と生命力に満ち溢れた、かつてない映像世界を作り上げた。キャラクターデザイン・作画監督は『クレヨンしんちゃん』の主力スタッフとして湯浅監督と共に活躍した末吉裕一郎。制作は『音響生命体ノイズマン』『Genius Party』のSTUDIO4℃。吉本興業の今田耕司や藤井隆などを起用した異色のキャスティング、ボアダムスや羅針盤などでの活動で知られる山本精一の音楽も話題となった。圧倒的なクライマックスシーンの作画を手がけたのは、その後の湯浅作品のキーパーソンとなる伊東伸高。『四畳半神話大系』最終話のイメージとも重なる感動のラストは落涙必至! |
監督・脚本・絵コンテ/湯浅政明 |
新文芸坐×アニメスタイルセレクション Vol.9 |
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会場 |
新文芸坐 |
日時 |
7月24日(土)22時45分開演 |
料金 |
当日一般2500円、友の会・前売2300円 |
上映作品 |
『なんちゃってバンパイヤン』 ※上映前に湯浅政明監督によるトークショーあり。(司会:小黒祐一郎)また『ケモノヅメ』上映前に『四畳半神話体系』PVの上映もあり。 |
●関連サイト
新文芸坐オフィシャルサイト
http://www.shin-bungeiza.com/
『四畳半神話大系』公式サイト
http://yojouhan.noitamina.tv/
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