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北条司原作、待望のＴＶアニメ化
『エンジェル・ハート』製作発表会

　今秋放映の新作ＴＶアニメ『エンジェル・ハート』の製作発表会が行われた。原作は北条司による同名コミックで、人気作『CITY HUNTER』の世界観を受け継いだパラレルワールドを描く作品。心臓移植によって蘇った美しき殺人兵器“グラス・ハート”と、愛するパートナーを失った“シティーハンター”……ふたつの孤独な魂の巡り会いを描く、ロマンティック・ハードボイルド・アクションだ。アニメーション制作を担当するのは、トムス・エンタテインメント。そして監督を『吸血姫　美夕』『破邪巨星Ｇダンガイオー』の平野俊貴が手がける。当日は会見に先立ち、第１話「ガラスの心臓　～グラス・ハート～」が上映された。

　台湾マフィアに殺人マシンとして養成された少女“グラス・ハート”が自殺を図った。心臓移植によって一命は取り留めたが、その意識は戻らないまま……。そして１年後、新宿。“シティーハンター”こと冴羽リョウ（※）は、最愛のパートナー・槇村香を１年前に事故で失くして以来、抜け殻のような日々を送っていた。死の直後、臓器移植のために摘出された香の心臓は、輸送中に何者かによって強奪されてしまった。それは誰かに移植され、きっと今もどこかで生き続けているはずだと、彼は固く信じていた。一方、人を殺す事の痛みに耐えかね、死を望む“グラス・ハート”は、暗い眠りの中で“彼女”の声を聞く。胸の奥から響いてくるその声は、「生きて」と叫んでいた──。


▲ 左から植田益朗Ｐ、西村政行Ｐ、北条司、諏訪道彦Ｐ	▲ 原作者の北条司

　上映後の会見には原作者の北条司をはじめ、プロデューサーの諏訪道彦（よみうりテレビ）、西村政行（トムス・エンタテインメント）、植田益朗（アニプレックス）が出席。ＴＶシリーズ『CITY HUNTER』のプロデュース・チームが再び集い、満を持してのアニメ化となる本作への意気込みを語った。原作者の北条司は、完成した１話を観て「いい出来だと思います。アニメ化には向かない題材だと思っていたけど、巧みに映像化してくれてスタッフに感謝している」とコメント。そして『CITY HUNTER』ファンにとっては衝撃的な、香の死という導入部の展開についても語られた。
北条「香を演じてくれている声優さんの伊倉（一恵）ちゃんにも、『いいか？』って確認したりもしました（笑）。でも結局は、香を殺すというよりも、香を生かすための設定だと、僕は思ってるんです。香の心が他の女の子に宿ったら、一体どうなるんだろうと。香とリョウのキャラクターがほろ苦く浮き彫りにされるような、そんな気がしたんですよね」


▲ 主人公グラス・ハート役の川崎真央	▲ 左から平野俊貴監督、川崎真央、北条司

　続いて、主人公グラス・ハート役の川崎真央と、平野俊貴監督が登場。
平野「（原作の魅力について、と訊かれて）先生を横にして、原作の魅力ですか（笑）。やはり緻密で繊細で、簡単にストーリーを変える事が許されないような部分と、画力の凄さ。何をとってもアニメにはしづらい（笑）、クオリティの高い原作だと思います。今のレベルのアニメーションで作るのは、凄く大変ですね。もちろん、できるだけ先生の描く画の世界の範疇で映像化できるように、頑張りたいと思っています。それから新宿を舞台にしていますから、それが美術の面でも大変ですね。架空の都市が舞台ではなく、現実の新宿と限定されているので、その辺もリアルに映像化していきたいです」
　グラス・ハートこと香瑩（シャンイン）を演じる川崎真央は、約3000人を超す応募者の中からオーディションを勝ち抜き、本作のヒロインに抜擢された。その演技とナチュラルな存在感は、プロデューサー・監督・原作者のお墨付き。
川崎「今までは（実写で）顔で表現する仕事をしていたので、声を映像に合わせて、自分で間を取って演技をするというのはとても難しいな、と思いながらやっています。でも、やっぱり凄い声優さんたちが周りにいらっしゃるので、本当に勉強になってます。（役作りについて）15歳の女の子らしい香瑩と、そして心がない、悲しい殺人マシンとしての香瑩というのを使い分けて、これから凄く可愛らしい香瑩になっていけたらな、と思っています」
北条「今日は完パケのものが流れましたけど、まず最初に声だけの入った段階で送られてきたものを聞いたら、川崎さんが一番巧いんです。巧いというか、迫ってくるような声だった。正直、驚きました。漫画家って、キャラクターの声とか、あんまり頭に浮かべないんですよ。読者の人達に想像してもらうわけですから、僕自身そんなにイメージはなかったんです。でも、『ああ、本物はこういう声なのかもしれないな』という感じで（笑）」

　ＴＶアニメ版『エンジェル・ハート』は今秋、よみうりテレビにて毎週月曜の深夜０時58分から、そして日本テレビにて毎週火曜日の深夜１時25分からオンエアされる（初回放映日は未定）。この時間帯での放映は、原作者自身の要望でもあるという。深夜枠ならではのハードなドラマ展開と、コミカルさを併せ持つ、大人向きのエンターテインメントに期待したい。

●キャスト
グラス・ハート／川崎真央
冴羽リョウ（※「僚」の左が、けものへん）／神谷明
槇村香／伊倉一恵
野上冴子／麻上洋子
海坊主／玄田哲章

●スタッフ
原作／北条司（新潮社刊「週刊コミックバンチ」連載）
監督／平野俊貴
シリーズ構成／植竹須美男
キャラクターデザイン・総作画監督／西城隆詞
美術監督／佐藤ヒロム
音楽／岩崎琢
アニメーション制作／トムス・エンタテインメント
製作／エンジェル・ハート製作委員会

●公式サイト
http://www.angelheart.tv/

(05.08.24)

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