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【情報局】7月の劇場アニメをチェック!(6)
アニメ史に残る名作が劇場初公開『王と鳥』


 タキカルディ王国の巨大にして近代的な高層宮殿。その最上階にある王様の部屋には、3枚の絵が飾られていた。美しい羊飼いの娘、煙突掃除の青年、そして王様の肖像画。娘と青年は互いに好き合っていたが、王はそれを許さなかった。親切な鳥の案内で、2人は絵から抜けだして部屋から逃亡。すると絵の中の王は本物の王を殺し、その強大な権力を使って彼らを捕らえようとする……。
 1952年に発表されたポール・グリモー監督の長編アニメ『やぶにらみの暴君』は、その芸術性と優れた社会風刺によって、世界中の映画ファンに衝撃を与えた。当時観客だった宮崎駿や高畑勲も例外ではない。しかし、それはグリモーにとって不本意なかたちでの公開であった。彼はそれから30年近くの歳月をかけ、1979年に最終版『王と鳥』を完成させる。日本ではこれまでビデオとDVDで観る事はできたが、今回ついに劇場公開が実現。デジタルリマスター版、ドルビーSRリミックス録音での上映となる。字幕翻訳を担当したのは、同作の大ファンである高畑勲。また、併映作品として、グリモーの監督した短編3本『小さな兵士』『避雷針泥棒』『かかし』が、順次1本ずつ上映される(スケジュールについては公式サイトを参照)。
 7月29日(土)より、東京・渋谷のシネマ・アンジェリカにて公開。

『王と鳥』
Le Roi et L'Ouiseau


●キャスト
王/パスカル・マゾッティ
鳥/ジャン・マルタン
警官長/レイモン・ビュシエール
羊飼い娘/アニネス・ヴィアラ
煙突掃除の青年/ルノー・マルクス

●スタッフ
原作/ハンス・クリスチャン・アンデルセン
監督/ポール・グリモー
脚本/ジャック・プレヴェール、ポール・グリモー
台詞/ジャック・プレヴェール
音楽/ヴォイチェフ・キラール
配給/クロックワークス

●公式サイト
http://www.ghibli.jp/outotori/


(06.07.07)

 
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