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『天保異聞 妖奇士』製作発表会レポート
土6最新作は、會川昇×BONESの時代劇アクション


 9月13日、『天保異聞 妖奇士』の製作発表会が、東京・芝大門の増上寺光摂殿で行われた。本作は、現在放送中の『BLOOD+』に引き続く“土6”枠の新作。同枠で、大ヒットを記録した『鋼の錬金術師』の會川昇(脚本)とBONES(アニメーション制作)が再びタッグを組む、完全オリジナル作品だ。監督は錦織博(『あずまんが大王』『獣王星』)、キャラクターデザインは川元利浩(『カウボーイビバップ』)が務める。

 本作の舞台は、天保の改革真っ只中の、江戸時代後期・天保14年。「妖夷(ようい)」と呼ばれる異世界の怪物を退治する、幕府の秘密組織メンバー「奇士(あやし)」達の活躍を描いた、時代劇アクションだ。

 発表会では、原作者の會川昇、監督の錦織博によるトークが行われ、本作独自の用語の解説などを交えながら、作品の魅力や意気込みなどが語られた。

▲作品の魅力を語る、會川昇(左)と錦織博監督(右)

會川「『鋼の錬金術師』の脚本を担当した私と制作のボンズ、それに監督の錦織(博)さん、キャラクターデザインの川元(利浩)さんを加えたメンバーで、もう一度土6枠で何か勝負をしてみないかという話が、かなり早い時期にありました。そこで、オリジナルをやろうという気運が高まりまして、だったら時代劇をやってみたいという案を最初に出したのは私です。時代劇は大好きなジャンルですし、自分が今まで何本も手掛けているジャンルでもありましたので。その企画が、ようやくここまでこぎつけたというかたちになります。
 「奇士」という言葉は、この作品のために作った造語です。海外のTVドラマでよくある、はみ出しものが集まって能力を発揮するパターン、そういうチームものをやってみたいというのがありまして、「奇士」というのは彼ら5人のコードネームなんです。
 この物語は、天保の改革が「改革のための改革」に陥って、水野忠邦が失脚してしまう天保14年から始まります。改革という言葉だけが声高に叫ばれて、民衆が苦しんでいた時代で、今の時代と非常に似ている部分もあります。そのあたりに裏のテーマを潜ませつつ、妖夷(ようい)や漢神(あやがみ)のビジュアル表現の工夫などを楽しんでもらえればと思います」

錦織「今回、土6という枠に挑戦するにあたって、真っ直ぐで力強い作品を作りたいと考えています。今までは、どちらかというと、自分達と変わらない等身大のキャラクターが、努力したり、一歩踏み出していくことで、何かが変わって行くというような作品を作ってきたんですが、今回は、どんどん周りを引っ張っていく、視聴者が憧れるような主人公を描いていきたいと思っています。様々な要素が盛り込まれている會川さんの脚本を活かして、楽しい作品にするためにスタッフ一同頑張っています」

 プロジェクト代表者らの挨拶、声優陣のコメントでは、土6枠に完全オリジナルの時代劇アニメをぶつけるチャレンジへの、期待と意気込みが語られた。今回は、残念ながらほとんど映像を観ることはできなかったが、新しい試みに満ちた時代劇アニメになることだろう。オンエアを期待して待ちたい。
 MBS・TBS系全国ネットで10月7日(土)午後6時より放映スタート。なお、9月30日(土)午後5時30分より、特別番組「天保異聞 妖奇士♯0」がオンエアされるので、こちらのチェックもお忘れなく。

▲キャスト、スタッフ陣の集合写真。上段中央の3人はOPテーマを担当する、いきものがかりのメンバーだ

『天保異聞 妖奇士』

●スタッフ
原作/會川昇・BONES
監督/錦織博
キャラクターデザイン/川元利浩
コンセプトデザイン/草■琢仁 ※■は弓 + 前 + 刀
異界デザイン/山形厚史
美術デザイン/成田偉保、金平和茂
美術監督/佐藤豪志
助監督/宮尾佳和
色彩設計/岩沢れい子
撮影監督/大神洋一
音響監督/三間雅文
音楽/大谷幸
時代考証/山村竜也
題字/森大衛
アニメーション制作/ボンズ
製作/毎日放送、アニプレックス、ボンズ

●キャスト
竜導往壓/藤原啓治
小笠原放三郎/川島得愛
江戸元閥 /三木眞一郎
宰蔵/新野美知
アビ/小山力也
アトル/折笠富美子
雲七/うえだ ゆうじ

●公式サイト
http://www.ayakashiayashi.com/


(06.09.21)

 
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