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大ヒットから訃報まで総決算
2006年アニメニュース
色々あった2006年。訃報やネット関連、ビジネス関連の話題が目立った1年だった。多忙を極め体調を崩した声優、数多くのアニメが作られる中で制作状況がままならなくなる作品……不況に長い間苦しんだ他業界に比べて好調を謳われていたアニメ界も、ここにきて、綻びを見せ始めている。一時代を築いた功労者の物故も相次いだ。そんな中、大作劇場作品に混じって公開された『時をかける少女』のささやかなヒットは、アニメスタイルが積極的に応援させてもらった事もあって、嬉しいニュースだった。
来年もまた、面白いアニメ、素晴らしいクリエイターに出会える事を願って、ここでまとめて、今年のアニメ界を振り返ってみよう。
●1月
▼【TV】『ワンワンセレプー それゆけ! 徹之進』放映開始(7日)
『徹之進』は今年最も驚くべき展開をしたTVアニメ。開始当初は六本木ヒルズ、IT長者などの時流を背景に、犬たちと人間との交流を描くファミリー向けコメディと思われたが、最終的には犬魔法をめぐる争いの中、次々と仲間の犬達が命を落とす、壮絶なバトルものとなった。
▼【ビジネス】『銀色の髪のアギト』中国初上映を発表(7日)
同日の国内公開の舞台挨拶で、3月より中国でも公開される事が発表された。
▼【ビジネス】WOWOWがマッドハウスに出資(13日)
WOWOWはマッドハウスの第三者割当増資に応じ、1億円を出資し、資本参加した。両社は、アニメ番組の企画段階から連携を強め、ヒット作の増産を狙うという。
▼【TV】『名探偵コナン』放映10周年(9日)
これを記念し、2時間半のスペシャルを放映。10月23日からはワイド化も。
▼【ひと】大谷育江、レギュラーを次々降板(9日)
体調不良のためだという。『名探偵コナン』の光彦は9日のスペシャルより折笠愛が担当。『ONE PIECE』のチョッパーは22日放映分より伊倉一恵が、『金色のガッシュベル!!』のガッシュは22日放映分より、吉田古南美が担当。『ガッシュベル!!』は吉田が務めたまま最終回を迎えた。その後、長期療養を経て、5月18日放映の『ポケットモンスター』を皮切りに、レギュラーに順次復帰した。
▼【イベント】第60回毎日映画コンクール発表(19日)
アニメーション映画賞に『劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』、大藤信郎賞に『tough guy!2005』が選ばれた。
▼【ビジネス】アニメ制作支援事業「アニメイノベーション東京」設立(24日)
映像作品への企画・投資を手がけるシンクが、東京都の「アニメ・映像産業への支援策」の運用者に選定され、そのための子会社「アニメイノベーション東京」を設立。東京都などから出資を得てアニメーション作品企画への資金提供を含めた制作支援事業を実施するという。個人や中小のアニメーション制作会社のクリエーターを対象に、30分程度のパイロット版映像を制作するための資金提供などを行う。事業期間4年間での支援対象として15作品程度を予定している。
▼【ビジネス】ディズニー、ピクサーを買収を発表(24日)
ウォルト・ディズニー社は、ピクサー・アニメーション・スタジオを買収し、自社のアニメ部門と統合する事を発表した(5月5日に買収が完了)。これにより、ディズニーのアニメ部門の最高責任者をジョン・ラセターが務める事になった。
●2月
▼【訃報】別所孝治(4日)
70歳。フジテレビの元プロデューサーで、同社初期のアニメを数多く担当し、「母と子のフジテレビ」の礎を築いた。同社が製作した7月公開の『ブレイブ ストーリー』には、エンドロールに「in memory of 別所孝治」と掲示されている。
▼【訃報】戸谷公次(6日)
急性心不全のため。57歳。声優として数々の作品で活躍。『キン肉マン』の五分刈とアナウンサー、近年では『勝負師伝説 哲也』の印南などが印象的。
▼【その他】藤子・F・不二雄の記念館が川崎に誕生へ(7日)
マンガ家の故藤子・F・不二雄の原画などを紹介する記念館「藤子・F・不二雄アートワークス(仮称)」を川崎市多摩区に建設する事で、同市と遺族ら関係者が合意。2011年頃の公開を予定。
▼【訃報】伊福部昭(8日)
多臓器不全のため。91歳。「ゴジラ」「ビルマの竪琴」などの劇中音楽を手掛けた作曲家で、文化功労者にも選ばれている。アニメでは『わんぱく王子の大蛇退治』が有名。黛敏郎や芥川也寸志など、多くの作曲者を育てた事でも知られる。『犬夜叉』の和田薫もその1人。
▼【イベント】第9回文化庁メディア芸術祭始まる(24日)
▼【訃報】佐々木守(24日)
すい臓がんのため。69歳。TVドラマの脚本やマンガ原作などで、広く活躍した。アニメ・特撮ファンには「ウルトラマン」「アイアンキング」『アルプスの少女ハイジ』などの脚本家として知られる。
●3月
▼【劇場】『映画 ドラえもん のび太の恐竜 2006』公開(4日)
劇場版『ドラえもん』が1年の猶予をおき、満を持しての再スタート。劇場第1作のリメイク。短編が好評であった渡辺歩が、初めて長編の監督を務めるのも話題に(総監督は楠葉宏三)。丁寧な演出と充実した作画が評判となった。
▼【その他】東京アニメセンターが秋葉原にオープン(15日)
▼【ビジネス】マーベラスエンターテイメントがアートランドを子会社に(17日)
アートランドは、演出家の石黒昇が社長を務め、『超時空要塞マクロス』や、最近では『蟲師』の制作で知られるアニメ制作会社。
▼【出来事】テレビ東京で明滅映像(19日)
テレビ東京は同局系列で19日に放映した「セサミストリート」と「ハロー!モーニング。」の2番組で、民放連とNHKが定めた「アニメーション等の映像手法に関するガイドライン」の規定に違反する部分があったと、22日に発表した。「セサミ〜」では、数字を英語で数えるアニメのコーナーの九つの場面で「映像や光の点滅は原則として一秒間に三回を超える使用を避ける」とするガイドラインを逸脱し、1秒に12回点滅していた。担当のプロデューサーが放送前のチェックで違反に気づいたが、再編集するのを忘れていたという。
▼【訃報】宮川泰(21日)
虚血性心不全のため。75歳。ザ・ピーナッツの育ての親として知られる作曲家。「シャボン玉ホリデー」など、様々な番組の楽曲を手がける。アニメでは、なんと言っても『宇宙戦艦ヤマト』シリーズの音楽が有名。
▼【イベント】東京アニメフェア2006開催(23日)
26日まで催された。10万弱と過去最高の総入場者数を記録し、イベントの定着をうかがわせた。
▼【その他】HD DVD再生専用機HD-XA1が東芝より発売(31日)
次世代DVDの規格統一ならず。Blu-ray Discと競合が本格化。
●4月
▼【TV】テレビ東京の夕方アニメ枠が時間変更(3日)
長く夕方のアニメタイムとして親しまれた、テレビ東京の月曜から金曜までのアニメ枠が30分前倒しとなり、17時半からの1時間に。18時半からはお笑いタレントのバラエティ番組となった。
▼【TV】『涼宮ハルヒの憂鬱』放映開始(3日)
原作は角川スニーカー文庫で刊行中の「涼宮ハルヒ」シリーズ。最初のDVD0巻が7万枚以上の売り上げを記録するなど、UHF局中心の編成&1クールの放映としては、異例のヒット作品となる。シャッフルされた構成、公式サイトのお遊びなど、凝った仕掛けも話題に。制作した京都アニメーションの丁寧な作品作りも、多くのファンの知るところとなった。
▼【TV】『THE FROGMAN SHOW』放映開始(6日)
ネットで話題であった、蛙商会制作のFLASHアニメがTV放映される。ほぼ個人制作に近い形態であり、このような作品が地上波30分のTVシリーズとして放映されたのは、これが初めて。
同様に『くわがたツマミ』が話題となっていたラレコも、前年末より『やわらか戦車』のネット配信を開始、今年になって絵本やぬいぐるみなど、様々な展開をした。
また、7月にはばるぼら著「ウェブアニメーション大百科」(翔泳社)が出版されており、ネット発のアニメに注目が集まった。
▼【TV】『GUN道 MUSASHI』放映開始(9日)
モンキー・パンチ原作の時代劇アニメ。直後にネットで無料配信された事もあり、その粗雑なつくりが、逆にネットを中心に注目を集めた。
▼【TV】『ブラック・ジャック21』放映開始(10日)
『ブラック・ジャック』の続編として放映。基本的に1話完結であった前作に対し、ブラック・ジャックが謎の組織の陰謀と対決する連続ものとなり、原作の要素をオリジナルストーリーへと大胆に組み替えて展開。全17話のショートシリーズだった。
●5月
▼【ビジネス】バンダイビジュアル、ランティスを子会社に(1日)
ランティスはアニメ音楽を中心にリリースする音楽会社。もともとアポロン音楽工業をバンダイが買収しバンダイ・ミュージックとしたが、のちに清算。その際のメンバーが中心となって設立した会社であった。
▼【訃報】曽我町子(7日)
すい臓がんのため。68歳。特撮番組での魔女役、女王役の怪演で知られる俳優・声優。アニメでは『オバケのQ太郎[第1作]』のQ太郎役が著名。
▼【劇場】劇場版「機動戦士ガンダムSEED」製作を発表(7日)
仮題は『劇場版・機動戦士ガンダムSEED』。監督はTVシリーズと同じく、福田己津央。公開時期は未定。
▼【出来事】テレビ東京に「骨」届く(8日)
東京都港区のテレビ東京に、骨のようなものが同封された抗議文が届いた。「4月26日に放送された世界卓球選手権が延長されて、深夜1時からのアニメが録画できなかった」との内容だったという。該当する番組は『いぬかみっ!』とみられる。
▼【ビジネス】トムスエンタテインメント、本社を東京に移転(10日)
キョクイチ時代より本社は名古屋に、アニメーション制作の拠点である東京ムービー事業部は東京にあったが、それを統合するかたちとなった。
▼【その他】「アニメディア」300号(10日)
▼【ビジネス】ウィーヴ、ソニー・マガジンズから出版事業を譲渡(23日)
アニメ企画制作を手がけるウィーヴは、ソニー・マガジンズから書籍の出版事業を譲り受ける事を発表。ソニー・マガジンズ書籍部はヴィレッジブックスとなった。
▼【出来事】代々木アニメーション学院に公取委より排除命令(24日)
入学をとりやめたとき、実際には払った学費の一部が返されないのに、すべて返還されるように広告等で謳っていた事に対し、公正取引委員会は、学院を経営する「代々木ライブ・アニメイション」に景品表示法違反にあたるとして、排除命令を出した。実際には入学金やキャンセル料などの名目で3割以上の金額が返還されなかったという。
▼【イベント】『NITABOH』SICAFでグランプリ受賞(28日)
ワオ・コーポレーション企画の『NITABOH』が、24日から28日まで開催されたソウル・インターナショナル・カートゥーン&アニメーションフェスティバル(SICAF)で長編アニメーショングランプリ賞を受賞した。
●6月
▼【訃報】今田智憲(23日)
肺炎により。82歳。今田智憲は東映動画(現・東映アニメーション)の元社長。
●7月
▼【訃報】野本礼三(6日)
享年75歳。『オバケのQ太郎[第1作]』の神成、『ドカベン』の徳川監督などで知られる声優。
▼【その他】『NANA』DVD1巻発売(7日)
タイトルにちなみ、TVアニメ第1話を収録した第1巻を7月7日より77日間の限定価格707円(税込)でリリース。当初の予定を大きく上回り、初回出荷は13万枚を記録する大ヒットとなった。
▼【劇場】『ブレイブ ストーリー』公開(8日)
宮部みゆきの同名原作小説を劇場アニメ化。フジテレビ×GONZO×ワーナー・ブラザーズ映画が手を組んだ大作として注目された。『ブレイブ〜』『時をかける少女』『ゲド戦記』と今夏注目の劇場長編は、いずれも小説原作であった。
▼【イベント】ディズニー・アート展開催(15日)
東京都現代美術館で9月まで開かれた。千葉大学で昨年見つかったセル画をはじめ、展示の充実ぶりに賛嘆の声が集まる。
▼【劇場】『時をかける少女』公開(15日)
筒井康隆による著名作が、細田守監督により初の劇場アニメーション化された。旗館となったテアトル新宿のアニメ映画の歴代興行収入記録を塗り替えるなど、公開館数が限られたにもかかわらず、スマッシュヒットとなる。興行収入は2億円を超え、年をまたぎ各地で公開中。
▼【劇場】『ゲド戦記』公開(29日)
スタジオジブリの新作というにとどまらず、著名原作、宮崎駿の長男・吾朗が監督を務めるなど、公開前から注目を集めた。さらに、試写の段階で賛否両論が激しく飛び交う、原作者が自分のサイトで厳しい評価を明らかにする、吾朗作詞の作中歌「テルーの唄」について、元となった萩原朔太郎の名前が明記されていない(法律的には特に問題がない)点が問題視されるなど、何かにつけ話題に。11月までに77億円の興行収入を上げ、今年の邦画興収のトップとなるヒット作に。
▼【その他】東映アニメーション設立50周年(31日)
1956年の東映動画(当時)の創立から数えて、50周年を迎えた。それを記念して翌8月1日は記念パーティも催された。
●8月
▼【ひと】金山明博の初の個展(2日)
ベテランアニメーターである金山明博の初の個展『絵師金山明博 個展 第0回 金山明博ワンダーランド』が13日まで開催。様々なタッチの画が展示され、訪れたファンの目を楽しませた。
▼【訃報】鈴置洋孝(6日)
肺がんにより。56歳。声優として、『機動戦士ガンダム』シリーズのブライト・ノア、『キャプテン翼[第1作]』の日向小次郎、『聖闘士星矢』の紫龍などを演じ、女性ファンを中心に人気を集めた。
▼【ひと】神谷浩史、交通事故で入院(7日)
声優の神谷浩史が交通事故に遭い、長期入院した。そのため、9月15日放映の『ハチミツとクローバーII』最終回(12話)のみ野島健児が竹本祐太を担当。同じく10月2日放映の『爆球HIT! クラッシュ ・ビーダマン・』38話以降、神岡テルマ役の代役を野島が務めた。また9月より放映の『BLACK BLOOD BROTHERS』のキャストも変更になり、主役・ジローを櫻井孝宏が演じる事になった。その後『爆球HIT! クラッシュ ・ビーダマン・』最終回(50話)でテルマ役に復帰を果たしている。
▼【訃報】関敬六(23日)
肺炎により。78歳。コメディアンとして活躍。アニメファンには、「ムッシュムラムラ」というかけ声が印象的な、海外TVアニメ『宇宙怪人ゴームズ』のガンロック、『スーパースリー』のコイルなどが有名。
▼【ビジネス】葦プロダクション、ウィズの子会社に(24日)
ウィズは、「たまごっち」や「デジモン」などを手がける玩具企画会社。葦プロダクションは一時、バンダイグループ傘下に入ったが、昨年末に離れ、今年に入って、ウィズと業務提携を結んでいた。
▼【イベント】広島国際アニメーションフェスティバル開催(24日)
2年に1度、芸術性の高い作品を中心に、世界のアニメーションが集まる国際的な映画祭で、今回で第11回を迎え、28日まで5日間に渡って開かれた。コンペティションでは、グランプリにイゴール・コヴァリョフ『ミルク』、ヒロシマ賞にヒュンユン・チャンの『ウルフ・ダディ』が選ばれている。
▼【その他】テアトル池袋閉館(31日)
テアトル池袋は1989年にアニメ専門館を名乗るなど、アニメファンにとって馴染み深い映画館であった。最終上映作品は奇しくもレイトショーの『時をかける少女』。
●9月
▼【劇場】「エヴァンゲリオン 新劇場版」制作を発表(10日)
仮題は『エヴァンゲリオン 新劇場版 REBUILD OF EVANGELION』。4部構成で、新作・新撮など、かなりのリファインが施されるという。アニメーション制作は、庵野秀明が新たに立ち上げた、カラースタジオが行う。
▼【訃報】犬丸りん(10日)
48歳。自殺とみられる。『おじゃる丸』の原案を手がけたマンガ家、エッセイスト。
▼【訃報】山吉康夫(14日)
大動脈りゅう破裂により。享年64歳。東映アニメーションを中心に活躍する演出家で、直前まで『ふたりはプリキュア Splash★Star』で演出を務めていた。
▼【訃報】曽我部和恭(17日)
食道がんにより。享年58歳。第1次アニメブームでの人気声優の1人であり、人気声優バンドスラップスティックにも参加。J9シリーズや『破裏拳ポリマー』の鎧武士など、代表作多数。
▼【訃報】折田至(28日)
腎不全により。享年72歳。東映の特撮番組を中心に監督・プロデューサーとして活躍。アニメでは『宇宙大帝ゴッドシグマ』『百獣王ゴライオン』『ビデオ戦士レザリオン』をプロデュースした。
▼【TV】『ポケモン』新シリーズ、スタート(28日)
第3弾『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』がスタート。新ヒロイン・ヒカリが登場。
▼【その他】メディア芸術100選発表(29日)
文化庁メディア芸術祭実行委員会が文化庁メディア芸術祭10周年を記念して、によるWEBアンケートと、専門家による投票で、日本を代表するメディア芸術100作品を選出した。アニメーション部門の1位は『新世紀エヴァンゲリオン』。エンターテインメント部門1位に『やわらか戦車』選ばれるなど、現時点での人気投票的な側面が強い選定。
▼【ひと】櫻井孝宏が活動自粛(30日)
若手人気声優の櫻井孝宏らが立ち上げた劇団joyが、8月末からの公演で三谷幸喜の戯曲を無断上演した。櫻井孝宏は、その件について、この日ラジオ番組でお詫びするとともに、活動自粛を表明。
●10月
▼【TV】『ONE PIECE』が放映枠移動(1日)
原作は「週刊少年ジャンプ」連載中の人気作。1999年より日曜19時台の「母と子のフジテレビ」ゴールデンタイムのアニメ枠での放映であったが、ついに放映枠が日曜朝9時台へと移行。これによりフジテレビはゴールデンタイムのアニメ放映枠がなくなった。
▼【訃報】米澤嘉博(1日)
肺がんにより。享年53歳。マンガ評論家であり、コミックマーケット準備会代表を長く務めた。「アニメージュ」創刊にも関わる。
▼【TV】「週刊少年ジャンプ」連載終了後のアニメ化作品相次ぐ(4日)
『DEATH NOTE』『武装錬金』のTV放映がスタート。いずれも「週刊少年ジャンプ」の連載はすでに終了した状態でのアニメ化。昨年の『BLACK CAT』に続くケース。「週刊少年ジャンプ」掲載作品は、劇場作品を除きアニメ雑誌の表紙にならないのが通例だが、『BLACK CAT』『武装錬金』はアニメ誌の表紙を飾っている。
▼【TV】『NARUTO』『BLEACH』『銀魂』が放映枠移動(4日)
秋の改編期で、テレビ東京系の“ジャンプアニメ”の放映枠が、『アイシールド21』を除き、大きく入れ替わった。移動自体をネタにするなど、枠変更後の『銀魂』のハッチャケぶりも話題に。
▼【TV】『結界師』放映開始(16日)
よみうりテレビ×サンライズによってTVアニメ化。『犬夜叉』終了以来、2年ぶりに『名探偵コナン』とのよみうりテレビ「少年サンデー」枠が復活。
▼【TV】『ネギま!?』『Kanon』再アニメ化(4日)
『ネギま!? MAGISTER NEGI MAGI』がこの日から、『Kanon[2006年版]』が6日から放映を開始。前回のアニメ化から時をおかず、しかも別の制作会社で作るケースが同時期に重なった。ケースはやや異なるが『GALAXY ANGEL II ギャラクシー エンジェる〜ん』『Winter Garden fromデ・ジ・キャラット』も、それまでと制作会社が変わっている。今後、このような動きが広がるか注目される。
▼【イベント】声優アワード開催を発表(21日)
「外画放送開始50周年」という節目の年を迎えて、「声優」という文化活動を顕彰するために、日本音声製作者連盟が中心となって声優アワード実行委員会を組織、実施する。授賞式は来年3月3日を予定。
▼【その他】A-1 Picturesが新スタジオをオープン(23日)
アニプレックスの子会社でアニメ制作会社のA-1 Picturesが東京・阿佐ヶ谷に大規模な新スタジオをオープン。アニプレックスによれば400坪を超えるスペースを確保し、国内最大級のアニメスタジオという。ビデオソフトメーカーが、これだけの規模の制作スタジオを構えるのは珍しい。
▼【ビジネス】GDH赤字を発表(27日)
ゴンゾの持ち株会社であるGDHは来年3月までの通期の経常損益について、当初の6億超の黒字から16億の赤字へと、見通しの変更を発表した。この責任をとり、11月付で人事異動が行われ、村濱章司会長は取締役に降格。ゴンゾ社長には、GDHグループのフューチャービジョンミュージック社長・藤田純二が就任する事となった。藤田はかつてキングレコードで、スターチャイルドレーベルを育てた人物。
▼【訃報】武藤礼子(29日)
心不全により。享年71歳。エリザベス・テーラーの吹き替えやアニメ『ふしぎなメルモ』のメルモなどで知られるベテラン声優。
●11月
▼【訃報】村田耕一(7日)
クモ膜下出血により。享年67歳。村田耕一(本名清照)はアニメーターであり、オープロの代表取締役。故・小松原一男らと共に、オープロを設立。作画スタジオとして存在感を示した他、高畑勲監督作品『セロ弾きのゴーシュ』を自社製作した。
▼【ビジネス】マッグガーデン赤字見通しを発表。プロダクションI.Gが出資へ(10日)
「コミックブレイド」を手がけ、「ARIA」等をアニメ化してきた出版社のマッグガーデンは、来年3月期の業績予想を赤字へと下方修正した。これを受け、17日には、プロダクションI.Gが第2位の株主となる増資と資本提携を発表。
▼【その他】PLAYSTATION 3発売(11日)
略称はPS3。Blu-ray Discを搭載したソニー・コンピュータエンタテインメント製の家庭用ゲーム機。
▼【訃報】石川賢(15日)
58歳。ダイナミックプロ所属のマンガ家で、『ゲッターロボ』で永井豪と共に共同原作を手がけた。1991年にアニメとのタイアップで始まった『ゲッターロボ號』は、アニメ終了後も連載は継続、真ゲッターロボを生み出した。これはさらに「ゲッターロボサーガ」へと発展し、ゲーム「スーパーロボット大戦」シリーズにも大きな影響を与え、アニメでも、OVAを中心に盛んな展開がなされている。
▼【イベント】アニメーション神戸賞、授賞式(19日)
個人賞に長濱博史、特別賞に『ドラえもん(1979年版)』で2005年までレギュラーを務めた大山のぶ代、小原乃梨子、野村道子、肝付兼太、たてかべ和也の各人と、『まんが日本昔ばなし』等のグループ・タックが選ばれた。また作品賞は、分野別にそれぞれ『時をかける少女』『涼宮ハルヒの憂鬱』『リーンの翼』『やわらか戦車』が受賞した。
▼【ひと】角川書店次期社長に井上伸一郎就任を発表(22日)
角川ホールディングスは2007年1月に角川書店の分社化を行う事を発表。分社化後の新会社・角川書店の社長には、現・専務の井上伸一郎が就任する。井上伸一郎はかつての「アニメック」副編集長であり、「月刊Newtype」の創設メンバー。
▼【訃報】宮内国郎(27日)
大腸がんにより。74歳。「ウルトラQ」「ウルトラマン」の作曲家として知られる。アニメでは『ザ・ウルトラマン』など。
▼【訃報】実相寺昭雄(29日)
胃がんにより。69歳。TBSのディレクターとして「ウルトラマン」「ウルトラセブン」「怪奇大作戦」等のTV特撮番組を手がけた。陰影やパースを強調した個性的な映像は、アニメのクリエイターにも強い影響を与えた。TBS退社後、「帝都物語」「D坂の殺人事件」などで映画監督を務めた。
●12月
▼【出来事】代々木アニメーション学院、民事再生法申請(6日)
経営母体である代々木ライブ・アニメイションが、東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、事実上倒産した。負債額は22億円という。同社取締役会は、今回の申請を創業者である前社長の「経営私物化防止のため」としている。今後も営業は続けるという。
▼【イベント】第10回文化庁メディア芸術祭大賞発表(15日)
アニメーション部門の大賞に『時をかける少女』が選ばれた。
▼【訃報】岸田今日子(17日)
脳腫瘍により。76歳。演劇集団円の創設メンバーで、劇作家・岸田國士の次女としても知られる女優。詩人の岸田衿子は姉、俳優の故・岸田森はいとこ。『ムーミン』のムーミン役など、アニメでも活躍した。
▼【訃報】ジョゼフ・バーベラ(18日)
老衰と見られる。95歳。『トムとジェリー』などで知られるハンナ&バーベラの創業者。故ウィリアム・ハンナと組み、人気キャラクターを多く生みだした。
▼【その他】『魔法使いサリー』DVD発売(20日)
モノクロ版であるために、ほぼ幻となっていた1〜17話も収録された。
▼【ひと】くまいもとこが休養(21日)
声優のくまいもとこが病気療養のため、番組を降板。『おとぎ銃士 赤ずきん』の鈴風草太役は23日放映分より三瓶由布子に、『メルヘヴン MARCHEN AWAKENS ROMANCE』のギンタ役は24日放映分より比嘉久美子にそれぞれ交代。
▼【OVA】『マルドゥック・スクランブル』制作中止(21日)
GONZOは、この日、15周年記念作品銘打っていた『マルドゥック・スクランブル』の制作中止を発表した。原作は冲方丁による同名の近未来アクション小説で、世評の高い原作という事もあり、期待が寄せられていた。
▼【その他】『機動戦士ガンダム』DVD-BOX 1発売(22日)
DVD-BOX最後のビッグタイトルとも言える『機動戦士ガンダム』のTVシリーズが、ついにリリース。発売元のバンダイビジュアルによれば、12万セット超を出荷したという。
(06.12.28)
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編集・著作:
スタジオ雄
協力:
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