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アニメ本・聞いた・見た・買った(6)
うしおそうじと遙かなる時空


 2月は刊行点数が少ないと嘆いていたら、下旬に興味深い本が2点、刊行されることが新たに分かったので紹介しよう。
 ひとつは、うしおそうじ著「手塚治虫とボク」(草思社)。うしおそうじは、マンガ家として活躍した後、ピー・プロダクションを創設。ピープロは日本初のカラー特撮TVシリーズである「マグマ大使」や「ライオン丸」などで知られる映像制作会社で、初期にはアニメの制作も行っていた。うしおは戦前には円谷英二とともに東宝の特撮に参加するなど、マンガ、アニメ、特撮の結節点にいた、「マルチクリエイター」とでも称すべき人物だ。ちなみに、作曲家の鷺巣詩郎はご子息、『サザエさん』で知られるエイケンで長くプロデューサーを務めた鷺巣政安は弟にあたる。
 うしお本人は、すでに3年前に亡くなっているが、生前に熱心な編集者が聞き書きした原稿がある、という話は聞いていた。今回、ようやくそれがかたちになったようだ。戦後マンガ・アニメ文化に関する貴重な証言がたくさん収載されていると思われる。出版を楽しみに待ちたい。
 もう一冊は、「劇場版 遙かなる時空の中で 舞一夜 シナリオブック」(コーエー)。昨年公開された、劇場アニメ『劇場版 遙かなる時空の中で 舞一夜』は、昨夏の数々の話題作・注目作にまぎれてしまい、ファン以外にはあまり注目されなかったが、実は隠れた佳作である。
 この本は「シナリオブック」と銘打たれているが、公式サイトの説明には「絵コンテや各シーンの映像を交えて完全収録するほか……篠原俊哉監督による演出解説」も含むとあり、オフィシャルブックとなっているようだ。特に演出的な狙いが興味深い作品だっただけに、これも今から楽しみだ。

 以上、あくまで予定なので、価格や内容などは、実際に店頭で現物を確かめてほしい。そのほかの出版物について、詳しい予定などはこちらを参照。(B)


(07.02.16)

 
 
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