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マニアのためのＤＶＤチェック（2007-7）
大塚康生が手がけたＰＲ映画『草原の子テングリ』

　大塚康生が演出と作画を手がけた『草原の子テングリ』がＤＶＤソフト化される事になった。これは雪印乳業のＰＲ映画として1977年に製作された短編作品だ。アニメ制作はシンエイ動画（同社が改組し、Ａプロダクションから社名変更した後の最初の作品であるようだ）。作品としては傑作というわけではないが、Ａプロ系作品のファンにとっては嬉しいソフト化だ。
　原案は手塚治虫で、中央アジア遊牧民の子供であるテングリが主人公。厳しい冬に、村の人々は飼っている牛を殺して食べようとする。それを知ったテングリは、子牛のタルタルを雪の中に逃がすのだった。そして、月日は流れ……といった内容。

　大塚康生が演出を手がけた２本の作品のうちの１本（もう１本は『東海道四谷怪談』）。彼の名著「作画汗まみれ　増補改訂版」によれば制作スケジュールの短い仕事であったようだ。内容に関してもラストシーンについて、思った通りにできなかったと語っている。同著によれば、宮崎駿がレイアウトの１／３を担当。原画は椛島義夫、近藤善文、中村英一、本木久年、青木雄三、矢沢則子、小田部羊一といったメンバーだが、宮崎駿と小田部羊一はクレジットされていない。

　今回のＤＶＤ「草原の子テングリ　デラックス版」では、特典として撮り下ろしインタビューがあり、大塚康生（演出・作画監督）、椛島義夫（原画）、松谷孝征（手塚プロ社長）が出演しているそうだ。他には手塚治虫によるキャラクター初期設定を静止画を収録。ＨＤニューテレシネによるニューマスターを使用。４:３のスタンダード作品（黒）。

●2007年12月21日
「草原の子テングリ　デラックス版」
価格／3990円（税込）
発売・販売元／ジェネオンエンタテインメント
［Amazon］

(07.11.02)

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