アニメ界この1年
ニュースで振り返る2011
今年もまた訃報の話題が相次いだ。TVアニメ開始からすでに半世紀近くが経っており、時代の必然とはいえ、出崎統、芦田豊雄、荒木伸吾とかつてのアニメブームを牽引したスタークリエイターが鬼籍に入るのはやはりショックな出来事だった。
一方でヒット作・話題作に事欠かなかった点は明るいニュースだろう。『魔法少女まどか★マギカ』はシャフトと新房昭之監督のクールなビジュアルと、可愛らしくも残酷な美少女ものというコンセプトが合致。短期放映を活かした巧みな構成が話題を集め、震災による中断も視聴者の飢餓感を高める結果につながった。女性を中心に人気沸騰の『TIGER & BUNNY』は、TwitterやUSTREAMといったネットメディアも巧みにからめながら、多くの人が当時に同じ番組を享受するというTVというメディアの魅力を改めて示してみせた。フジテレビのノイタミナ枠が『フラクタル』『C』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『ギルティクラウン』とオリジナル作品を意欲的に放映、原案を大胆に改変した『UN-GO』も含め、積極的なプロデュース展開をしたことも見逃せない。総じてこの1年は、「オリジナルの復権」と呼べる年になったのではないか。
もうひとつ、TVやネット以外のアニメの発信地として、映画館という場所が改めてクローズアップされた事も触れておきたい。『マクロスF』『けいおん!』のヒットのほか、『ガンダムUC』『トワノクオン』などのイベント上映が相次いだ。先ほどの『TIGER & BUNNY』にも見られるように、個別視聴が当たり前になった今、逆に「同時体験としてのアニメ」の魅力が見直されつつある。(B)
●1月
▼【ビジネス】角川映画が角川書店に吸収(1日)
▼【TV】『魔法少女まどか★マギカ』放映開始(7日)
やさしげなキャラクターとシリアスで残酷なストーリー、鮮烈なビジュアルが話題を呼ぶ。最終回をあと2話(関東圏では3話)残したところで、震災の影響からしばらく放映休止となったことも、ファンの飢餓感に拍車をかけた。
▼【TV】『名探偵コナン』放映15周年(8日)
▼【TV】ノイタミナ枠で『フラクタル』放映開始(13日)
『フラクタル』『C』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『ギルティクラウン』とノイタミナ枠はオリジナル作品を4作放映。原作を大胆に改変した『UN-GO』も含め、意欲的なプロデュースが目立った。
▼【イベント】毎日映画コンクール発表(18日)
アニメーション映画賞は『Colorful』、大藤信郎賞は該当なし。
▼【出来事】TOKYOMXがアニメの扱いに困惑!?(31日)
週刊現代が「『青少年健全育成条例』に困惑する東京MXテレビ」と題する記事を掲載。「深夜アニメを自粛し、新卒採用もアニメファンを外す方向で動いている」とした。これに対しTOKYOMX側は「『アニメが好きか否か』が採用の基準であるかのような記事が掲載されましたが、そのような事実はまったくございません」「アニメ重視の編成方針に変わりありませんし、今後もアニメファンのためのよき放送局でありたいと考えています」と反論。
●2月
▼【WEB】『放課後のプレアデス』配信開始(1日)
自動車メーカーの富士重工業(スバル)がGAINAXと組んでプロモーションアニメを制作し、話題に。特に作中に製品は登場せず、イメージアップを狙った完全なプロモーション用のアニメである。
▼【イベント】森卓也に名古屋市芸術賞特別賞(7日)
アニメーション評論の草分けとして活動してきたことが評価されての受賞。
▼【ビジネス】マッドハウス、日本テレビの子会社に(8日)
▼【訃報】片山雅博(12日)
肺炎により。56歳。1998年より多摩美術大学グラフィックデザイン学科で教鞭をとり、加藤久仁生ら多くの人材を育てた(2005年より同大学教授)。また、国内外のアニメーション関連の様々な事業に尽力した。自主アニメーション団体・グループえびせんの代表としても活躍。
▼【イベント】日本アカデミー賞授賞式(18日)
最優秀アニメーション賞は『借りぐらしのアリエッティ』。
▼【出来事】小林プロダクション解散(28日)
小林プロダクションは小林七郎率いる背景美術の会社であり、ここから数々の人材が輩出した。
●3月
▼【訃報】佐久間純子(4日)
声優。様々な作品にバイプレイヤーとして参加していた。
▼【イベント】第5回声優アワード授賞式(5日)
主演女優賞に豊崎愛生。主演男優賞は初の該当者なし。
▼【劇場】若手アニメーター育成プロジェクト作品公開(5日)
文化庁と日本アニメーター・演出協会による若手育成を目的とする短編制作の初の試みで、完成した4作品が主要都市の劇場でこの日より限定公開。
▼【訃報】徳丸完(6日)
声優。69歳。代表作に『忍たま乱太郎』の安藤先生など。
▼【訃報】村野守美(7日)
69歳。マンガ家・アニメーター・演出家。マンガ家デビュー後、虫プロダクションへ。『佐武と市捕物控』等の主要スタッフとして腕を振るう。その後、マンガ家として活躍しつつ、マッドハウス作品の数々に参加。アニメの代表作に『カムイの剣』のキャラクターデザイン、『ユニコ 魔法の島へ』の監督等。
▼【出来事】『DRAGONBALLKAI』劇伴差し替え(9日)
『DRAGONBALLKAI』の劇伴に「第三者の権利への抵触の可能性が疑われる楽曲が複数存在することが判明」したとして、東映アニメーションは該当する楽曲の差し替えを発表。3月20、27日放映の96、97話のみ、音楽が山本健司から菊池俊輔に変更となった。
▼【ビジネス】AICがアプリックス子会社に(10日)
アプリックスは携帯端末向けソフトウェア開発会社。AICは昨年9月にパチスロメーカーのオーイズミ傘下となったばかりだった。
▼【出来事】東日本大震災により自粛相次ぐ(15日)
11日に起きた東日本大震災はアニメ業界にもさまざな影響をもたらした。『お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!』10話の放映が各局で休止(tvkのみ放映)。主人公達が大波を被るイメージ場面があったためと見られる。19日より公開の『映画プリキュアオールスターズDX3』は、津波のシーンが災害を連想させるとして、一部がカットされての上映となった(ソフト版では別のシーンに差し替え)。またBS11で再放送中の『創聖のアクエリオン』11話が「諸事情により」放映休止。さらに『べるぜバブ』は20日の放映が『夢色パティシエール』に差し代わり、27日は第12話として予定されていたエピソードを放映した。当初予定の第10話、第11話は第13話、第15話として後日放映された。
▼【出来事】アニメフェア、アニメコンテンツエキスポ開催中止(16日)
震災により電力供給や交通事情が不安定となった事情を鑑みて、東京国際アニメフェアは開催中止を決定。翌17日には、アニメコンテンツエキスポも開催中止を決定。「青少年健全育成条例改正」をめぐって分裂したものの、痛み分けとなった。
▼【出来事】桜塚やっくん書類送検(24日)
タレント・声優の桜塚やっくんが準強姦容疑で警視庁により書類送検されていたことが、この日報道された。
▼【訃報】氏家斉一郎(28日)
84歳。多臓器不全により。読売新聞社を経て、日本テレビ副社長、社長、会長を歴任。スタジオジブリ作品を長く支援した。
▼【訃報】野間佐和子(30日)
67歳。心不全にて。講談社の6代目社長として活躍。2月に長男・省伸へ社長職を譲ることを発表したばかりだった。
●4月
▼【ビジネス】スタジオディーン、イマ・グループの一員に(1日)
スタジオディーンは、カプセルトイや玩具、トレーディングカード販売を展開するイマ・グループと業務提携。
▼【TV】『TIGER & BUNNY』放映開始(2日)
女性ファンを中心に人気を集める。主人公達のスーツに実在の企業のロゴを入れるプロダクトプレイスメントや、毎日放送での放映と同時にUSTREAM配信したことも話題となった。
▼【TV】『銀魂』放映再開(4日)
第2期『銀魂’』としてスタート。画郭も16:9に。
▼【ビジネス】博報堂がアニメ広告事業に進出(5日)
博報堂と博報堂DYメディアパートナーズは、株式会社スティーブンスティーブンを設立。アニメを使った広告事業に乗り出した。2社に加え、アニメ監督の神山健治も出資、共同CEOに就任し、Production I.Gのプロデューサーである石井朋彦も取締役として参加する。
▼【訃報】高桑慎一郎(6日)
82歳。『チキチキマシン猛レース』等、外国TVアニメの吹替音響演出で活躍。音響監督の高桑一は息子。
▼【訃報】岸田衿子(7日)
髄膜腫により。82歳。劇作家・岸田國士の長女で詩人、童話作家として活躍。妹に岸田今日子、いとこに岸田森がおり、元夫は谷川俊太郎。『アルプスの少女ハイジ』『フランダースの犬』『あらいぐまラスカル』『赤毛のアン』では主題歌等の作詞を手がけた。
▼【出来事】東京アニメセンターリニューアルオープン(12日)
1月10日にいったん休館、2月に仮オープンしていたが、この日、リニューアルオープンを果たした。
▼【TV】『30歳の保健体育』番組構成を変更(13日)
『30歳の保健体育』のBS11での番組構成の変更を公式サイトで告知。BS11では15分のアニメパートに「いのこり!30歳の保健体育」という実写パートがつく形で、30分枠での放映だったが、この実写パートが「諸般の事情により」1話をもって打ち切りとなった。第2話からは、第1話(一部モザイク解除版)と第2話とを連続放送、以降も同様の構成に。実写パートはビデオソフトに映像特典として収録される予定だったが、これも見送られた。
▼【出来事】劇場版『3Dあたしンち』ビデオグラム発売延期(13日)
6月22日の発売を延期し、現在まで未発売。公式サイトでは「諸般の事情を鑑み」としている。同作は地震によって崩れかけたマンションを母が救う、という筋立て。
▼【訃報】出崎統(17日)
肺がんにより。67歳。貸本マンガ家から虫プロダクションへ。その後、マッドハウスを経て、あんなぷるを設立。演出家として『あしたのジョー』『ガンバの冒険』『宝島』等数々の傑作を手がける。情熱的な演出と特徴的な画面作りは、後世に多大な影響を残した。
▼【訃報】宇野誠一郎(26日)
心不全にて。84歳。作曲家として数々の作品に関わる。アニメの代表作に『悟空の大冒険』『アンデルセン物語』『小さなバイキング ビッケ』等。特に井上ひさしとのコンビが有名で、アニメでは『長靴をはいた猫』、人形劇では「ひょっこりひょうたん島」などのほか、井上作品の舞台も多く手がける。
▼【TV】『まどか★マギカ』1巻に不具合(28日)
27日より発売の『まどか★マギカ』ビデオソフト1巻に不具合があり、回収へ。第2話でマミが同じセリフを2度くり返すという編集ミスがあったという。
▼【訃報】相原信洋(30日)
67歳。旅行先のバリにて。アニメーターとして商業作品にかかわりつつ、アニメーション作家として活躍、のち京都造形芸術大教授となった。
●5月
▼【TV】『ちびまる子ちゃん』リメイク企画スタート(1日)
「ちびまる子ちゃん誕生25周年記念 あのお話をもう一度!よりぬき原作祭」と題して、放映済みのエピソードをリメイクする企画がスタート。
▼【劇場】『星を追う子ども Chidren who Chase Lost Voices from Deep Below』公開(7日)
新海誠監督にとって、『秒速5センチメートル』以来4年ぶりの劇場長編。
▼【訃報】岡田茂(9日)
東映会長。前身の東横映画に入社、プロデューサーとして活躍し、東映の2代目社長となった。東映を辞めていた今田智憲を東映動画(現・東映アニメーション)の社長に就け、同社の躍進を生んだ。現社長の岡田裕介は長男。
▼【訃報】中村光毅(16日)
口腔癌のため。67歳。タツノコプロで背景美術の他『マッハGoGoGo』のマッハ号、『科学忍者隊ガッチャマン』のゴッドフェニックス、『タイムボカン』のタイムメカブトン等のデザインにも携わる。その後、メカマンを設立し『機動戦士ガンダム』『風の谷のナウシカ』等で美術監督として活躍した。
▼【出来事】文化庁と国会図書館が協定、マンガやアニメ、ゲームのアーカイブ構築へ(18日)
文化庁と国立国会図書館は「我が国の貴重な資料の次世代への確実な継承に関する協定」を締結したと発表。マンガ、アニメ、ゲームのアーカイブにつき、いっそうの協力を図ることを宣言。
▼【出来事】「残酷な天使のテーゼ」がJASRAC賞金賞(24日)
同賞は、その前年度におけるJASRACの著作物使用料の分配額が多かった国内の上位3作品等を顕彰するもの。
●6月
▼【出来事】平野綾への危害告知で男性逮捕(1日)
平野綾に危害を加えるとネットの掲示板に書き込んだ容疑で北海道在住の24歳の男性が逮捕された。
▼【ビジネス】ブロッコリー、全店舗をアニメイトに譲渡(1日)
▼【訃報】川上とも子(9日)
声優。41歳。卵巣がんのため。2008年より病気療養中だった。アニメの代表作に『少女革命ウテナ』のウテナ、『ヒカルの碁』の進藤ヒカル、「遙かなる時空の中で」シリーズの元宮あかね、『ケロロ軍曹』の日向冬樹等。
▼【出来事】アニメディア創刊30周年(10日)
▼【訃報】竹内博(22日)
胃がんにて。55歳。1971年より1987年まで円谷プロに所属するかたわら、酒井敏夫の筆名で商業誌等で健筆を振るい、特撮関連書の基礎を築く。香山滋の研究者としても知られる。
▼【訃報】小林修(28日)
声優。膵臓がんで死去。76歳。洋画の吹き替えを中心に活躍。アニメの代表作に『宇宙戦艦ヤマト』のドメル、『さらば宇宙戦艦ヤマト —愛の戦士たち—』のズォーダー、『アルプス物語 わたしのアンネット』のピエール等。氏が社長を務めていた同人舎プロダクションは9月末日をもって解散となった。
●7月
▼【訃報】和田慎二(5日)
マンガ家。虚血性心疾患で死去。『ピグマリオン』『スケバン刑事』等がアニメ化されている。『太陽の王子ホルスの大冒険』のヒロイン・ヒルダのファンで、自作の中でたびたび取り上げていた。
▼【TV】『輪るピングドラム』放映開始(8日)
幾原邦彦が12年ぶりに監督を務めるオリジナルTVアニメ。隠喩に満ちた意欲的な展開が話題に。
▼【劇場】『コクリコ坂から』公開(16日)
『ゲド戦記』に続く宮崎吾朗監督の第2作。43億円近い興行収入を上げ、本年の邦画興収1位となる。
▼【出来事】東映アニメーションの解雇争議が和解(19日)
長く美術を担当していた千田国広と東映アニメーションの間で、雇用関係の解釈を巡って裁判になっていた。
▼【訃報】芦田豊雄(23日)
アニメーター・演出家。67歳。『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『銀河漂流バイファム』『魔神英雄伝ワタル』のキャラクターデザイン、『北斗の拳』の監督等で知られる。スタジオライブ社長として後進を数多く育て、近年は、日本アニメーター・演出協会の設立に力を尽くした。
●8月
▼【出来事】坂本真綾と鈴村健一が結婚(8日)
人気声優の2人が入籍。13日に互いのブログで公表された。
▼【出来事】里子暴行死の容疑で女性声優逮捕(20日)
昨年8月に里子を暴行死させたとして警視庁は里親の女性を逮捕。女性は遊魚静の名前で声優として活動していた。
▼【劇場】『ネギま!』公開前に異例の告知(25日)
27日の公開を控え、「誠に遺憾ながら制作の都合上、告知等で当初予定されていた本編シーンの一部が変更となりました」との異例の告知が公式サイトで行われた。事前に告知されていた「あらすじ」と本編の内容に大きな相違が生じたためとみられる。
▼【訃報】滝口順平(29日)
声優。80歳。胃がんのため。「タイムボカン」シリーズのレギュラー等、アニメから洋画の吹き替えまで様々な役柄で活躍。近年は、日本テレビ系の「ぶらり途中下車の旅」のナレーターとして知られる。
●9月
▼【訃報】横田和善(7日)
アニメーション監督。『ミームいろいろ夢の旅』『宇宙船サジタリウス』など日本アニメーションの作品を中心に活躍。
▼【出来事】角川書店社長と喜屋武ちあきの交際報道(8日)
角川書店の井上伸一郎社長とタレントの喜屋武ちあきとの交際が報じられる。井上社長はNewtype創刊メンバーで編集長も務めた。
▼アニメージュ400号(10日)
▼『銀魂’』と『SKET DANCE』がコラボ(26日)
26日放映の『銀魂’』と29日放映の『SKET DANCE』に互いのキャラクターが登場。制作会社の枠を超えたコラボレーションとして話題に。「週刊少年ジャンプ」誌上でのアニメ化記念企画をそのままアニメ化したもの。その後、『SKET DANCE』と『バクマン。』との間でもクロスオーバー企画が行われた。
●10月
▼【TV】『HUNTER×HUNTER』放映開始(2日)
『週刊少年ジャンプ』の人気マンガが10年ぶりに再TVアニメ化。制作会社がマッドハウスに移り、キャストも一新。物語も1話からの語り直しとなった。
▼【TV】『機動戦士ガンダムAGE』放映開始(9日)
「レイトン教授」シリーズや『イナズマイレブン』で知られるレベルファイブの日野晃博が企画・ストーリー等に参加し話題に。
▼【イベント】東京アニメアワード表彰式(10日)
アニメーション・オブ・ザ・イヤーは『借りぐらしのアリエッティ』。功労賞には有賀健や雪室俊一ほかが選ばれた。東日本大震災がらみで3月の東京国際アニメフェアが中止となり、半年遅れで表彰式のみ開催。
▼【訃報】鳥居宥之(10日)
日本テレビジョン(のちのTCJ、エイケン)に入社。桃屋の「のり平」アニメのCMに携わる。長年『サザエさん』の演出を担当。
▼【イベント】ホリプロが新人声優を発掘、グランプリ決定(10日)
スカウトキャラバン・グランプリは田所あずさ。大手芸能事務所・ホリプロは「次世代声優アーティストオーディション」と銘打ち、同社として初めて声優を目指す新人を募集していた。
▼【出来事】大隅正秋、恐喝被害に(21日)
アニメ演出家の大隅正秋が路上で3人組の男に因縁をつけられ、金銭被害にあう。
▼【訃報】山口健(24日)
声優。55歳。代表作は『魁!!男塾』の富樫源次、『機甲警察メタルジャック』の豪田剛等。『アンパンマン』のアリンコキッドが遺作となったという。
▼【ビジネス】ウルトラスーパーピクチャーズ発足(27日)
グッドスマイルカンパニー、マックスファクトリー、ブシロード、ニトロプラス、ピクシブが出資、サンジゲン、トリガー、オースと新興のアニメ制作会社が手を組み、ウルトラスーパーピクチャーズを設立。同社が持株会社となり、制作会社3社はその傘下に入る。
●11月
▼【出来事】アニメの無断アップロードに有罪判決(8日)
『機動戦士ガンダムUC』等のアニメをネットに無断アップロードしていた長野県在住の男性が著作権法違反で懲役1年、執行猶予3年の有罪判決を受けた。
▼【訃報】黒沢良(9日)
81歳。ゲーリー・クーパーの吹き替え、ナレーション等で活躍。アニメの代表作に『宝島』のビリー・ボーンズがある。声優の養成にも力を注ぎ、麻上洋子や若本規夫を送り出した。
▼【劇場】『まどか★マギカ』の劇場化プロジェクト発表(10日)
前後編の総集編と完全新作の計3本の公開を予定。
▼【TV】『宇宙戦艦ヤマト2199』発表(9日)
最初のTVシリーズをベースにした新作。イベント上映なども行う予定。
▼【TV】『銀魂’』第232話、AT—Xで放映休止(11日)
AT—Xは、テレビ東京からの要請によりと説明。報道によると、地上波での放映後に関係者から問い合わせがあり、テレビ東京が「特定の人物をパロディー化することに問題はないが、人格的に非難しており中止を決めた」という。同話数にはタレント・国会議員の蓮舫を想起させる内容が含まれていた。
▼【ビジネス】メディアファクトリー、角川傘下に(15日)
角川グループホールディングスは、リクルートの子会社メディアファクトリーを80億で買収し、傘下に収めた。
▼【訃報】右手和子(17日)
84歳。脳梗塞により。声優として『悟空の大冒険』の悟空を演じる。日本初のアフレコ方式による海外アニメ『テレビ坊やの冒険』の主役・テレビ坊やも演じている。紙芝居の実演指導でも活躍していた。
●12月
▼【ビジネス】『NARUTO』他を中国で同日配信(1日)
テレビ東京が『NARUTO』『BLEACH』『SKET DANCE』の3番組の中国での即日配信を開始。大手動画配信サイト「土豆」と提携し、日本での放映より1時間遅れで配信する。中国国内に限られ、中国語字幕とCMをつけて無料で視聴できるという。違法映像の締め出しが狙い。
▼【訃報】荒木伸吾(1日)
72歳。アニメーター。『魔女っ子メグちゃん』『ベルサイユのばら』『聖闘士星矢』などでキャラクターデザイン、作画監督として活躍。美形キャラクターで一世を風靡した。
▼【TV】『ルパン三世』キャスト変更(2日)
ルパンファミリーの一部キャストが変更となり話題に。石川五ェ門が浪川大輔に、峰不二子が沢城みゆきに、銭形警部が山寺宏一にバトンタッチ。この日放映のTVスペシャル『ルパン三世 血の刻印 永遠のmermaid』において初披露された。ちなみに、次元大介の小林清志のみ、パイロット版より変更がない。
▼【劇場】『映画 けいおん!』公開(3日)
公開3日間で興行収入3億を記録、現在10億を超えるヒットとなった。
▼【WEB】『京騒戯画』配信開始(10日)
期待の俊英・松本理恵監督の新作。東映アニメーションとバンプレストによるオリジナル企画ということでも話題に。
▼【劇場】細田守の新作、来夏公開(13日)
細田守の劇場新作『おおかみこどもの雨と雪』の来夏公開が発表。合わせてアニメーション制作を担うスタジオ地図という新拠点の設立も明らかになった。
▼【イベント】第15回文化庁メディア芸術祭大賞発表(15日)
アニメーション部門の大賞は『まどか★マギカ』。
▼【訃報】望月信夫(18日)
62歳。アニメーション研究家。伴野孝司と共に「世界アニメーション映画史」を記した。
(10.12.28)