第1回 『魔女っ子メグちゃん』
初めてアニメの作り手を意識したのが『魔女っ子メグちゃん』の再放送だった。中学1年の時だったと思う。年で言うと1977年頃。「アニメージュ」が創刊される前の事だ。
『メグちゃん』の再放送は、夕方の帯枠だった。たまたま観ていて「あれ? 昨日と絵が違うな」と思った。気にして観ていると毎日絵柄が違う。すぐに作画監督として荒木伸吾の名前がクレジットされる回が一番絵が華麗であり、キャラクターが可愛らしい事に気がついた。他の作画監督も、それぞれ個性がある。荒木作監以外では、端名貴勇作監、木暮輝夫作監の回が好きだった。
毎回画風が違う。そして、それはどうやら作画監督という役職のためであるらしい。当時の僕にとって大発見だった。それまでも、大勢のスタッフがアニメを作っているのを頭では分かっていたが、実感はしていないかった。それに気づいてからは、作監を意識して『メグちゃん』を観た。間もなくエンディングを観なくても、その回の作監があてられるようになった。とはいえ、その時に意識したのは作画監督だけ。そのあたりがビギナーの悲しいところだ。
作画監督によって各話の絵が違う事は分かったけれど、実際に作画監督がどんな作業をしているのかは分からなかった。中2か中3になると、制作スタジオや、プロダクションに見学に行くようになった。見学に行って、最初に聞いたのが「作画監督は具体的にどんな作業をするのか」だった。それについて教えてもらって、想像していたとおりの仕事だったのでホッとした。『メグちゃん』の後、他の作品も各スタッフをチェックしながら観るようになった。
第2回へつづく
(08.11.04)