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COLUMN
凸凸団が行く 第1回
5.1ch『ガンダム0083』を観るの巻


アニメ様 さあて、「凸凸団が行く」の第1回を始めるぞ。
水島精二 どうして俺達のチーム名が「デコデコ団」なのよ。
吉松孝博 3人とも太っているからでしょ。
水島 凸凹じゃなくて凸凸なのね。ひでえなあ(笑)。まあ、いいけどさ。
アニメ様 凸凸団は、アニメ界の色んな事をいきあたりばったり的にレポートしたりしなかったり。主にダラダラとやっていこうと思ってる。まあ、そんな感じで。
吉松 ダラダラですか。ダラダラいいですね。
アニメ様 第1回は、バンダイビジュアルさんに協力していただいて、DVD-BOXとしてリリースされた『ガンダム0083』5.1chの試聴会をやる。早速、バンダイビジュアルの担当さんに説明してもらおう。
バンダイビジュアル担当 よろしくお願いします。今回のDVD化は、今西監督の総監修のもとで作業を進めました。基本コンセプトとしましては「オリジナルのテイストを残しつつ、5.1chとしての正当な発展をさせよう」という事ですね。今回、ほぼオリジナルキャストで新たな追加アフレコを行い、効果音等に関しては、サウンドボックスさんにお願いして、新しい音を作っています。
アニメ様 オリジナルの『ガンダム0083』と効果のスタッフが違うんだ。
吉松 今回のDVD-BOXには、元の音声は入ってないの?
バンダイビジュアル担当 入ってません。今のDVDにそれも入れてしまうと、画質や音質への影響も考え、また、オリジナル音声のDVDは先行してリリースされていますので、オリジナルを楽しみたい方はそちらを観ていければと思います。ファンの皆さんの中には、オリジナルのイメージがあると思いますので、それは大事にしつつ作業を進めました。ただ、その一方でステレオの発展系としての5.1chではなく、今作るにふさわしい5.1chにしたいという狙いもあったわけです。
アニメ様 期待が高まるね。選曲はオリジナルと同じなんですか。
バンダイビジュアル担当 音楽は基本的に同じです。ただ、楽曲も全てリミックスされています。
アニメ様 なるほど。じゃあ始めましょう。

――12話、10話を全編鑑賞。続けて、2話の一部を鑑賞――

アニメ様 どうだった?
水島 うーん、5.1chだなあ。
吉松 5.1chですね。
アニメ様 そりゃあ、そうだろ(笑)。
水島 やっぱり、5.1chはいいなあ。
吉松 ミサイルが飛ぶところとか、やっぱりいいよね。
水島 確かに、オリジナルの印象を大事にした5.1ch化だとは思いましたね。SEはつけ直しているんだけど、オリジナル版でついていた場所につけているだけで、元々つけてなかった場所にはつけてないんじゃないかな。今の作品って、かなり細かく音をつけているから、それと比べるとちょっと寂しいかな。聴いてて「なんでここ、ついてないんだろう! もったいない」と思うところがあったよ。
吉松 オリジナルがあるからね。
水島 そうね。ガラッと変えられないというのは分かる。モビルスーツの足音はたまらなかったな。足音にちゃんと個体差がついているよね。倉橋(静男)さんがやっているのなら、当然そうだろうなあとは思ったけど。
アニメ様 足音が違った? 俺は気がつかなかったなあ。
水島 モビルスーツの脚なんてどれも硬いから、似たような方向性の音になるんだけど、機体によって音を変えていたよ。足が地面に着いた時の地面の音と、地面から離れる時の金属の跳ね返りの音が両方ついてたりとか、そういった重ねをしてた。そういう事をやる事で、音の厚みが増していくんですよ。
アニメ様 さすがに自分で5.1chの作品を作っている人は違うなあ。
水島 冷やかさないでよ(苦笑)。DVDを観ている時に「モビルスーツが地上を歩いているシーンが観たい」とリクエストしたのは、その辺が聴きたかったからなんですよ。それについては「しっかり仕事してるなあ、さすがだぜ」と思いました。
吉松 歩いているところがコンクリなのが音で分かったよね。
水島 うん。10話と12話を観たわけだけど、出ているモビルスーツが違っているせいなのか、演出意図で変えているのか、音づけの方向性が違っていて、それも面白かったな。だから、全13本を続けて観てみたいよね。できれば、もっとでかい音で聴きたいな。
アニメ様 サウンドボックスの効果って、どんなところが凄いの?
水島 社長の倉橋静男さんが、効果の世界じゃ神様みたいな人なんですよ。実写もかなりやられてる方で、最近だと「男たちの大和」もクラさんでした。昔ながらの音作りをやれる方で、生音で効果を作ってくれる。それと、音像が厚くて、生々しい。僕は初監督作品で、たまたま倉橋さんと仕事やって、そのままずっとつき合っていただいている感じですね。ボンズの南(雅彦)さんも倉橋さんが大好きなんです。
アニメ様 吉松君はどうだったの?
吉松 やっぱりメカのシーンが面白いよね。機銃の音が(リアスピーカーで)回るから。月並みな言葉になっちゃうけど、アニメなのに現場にいるような感じでしたね。透過光のエフェクトとかが細かく描いてあるのも、音のおかげで引き立っている。
アニメ様 単にキャラが喋ってるだけのシーンでも、妙に音の抜けがよかったりしたじゃない。ああいうのも5.1ch効果なの?
水島 あのね、全くの無音じゃないんですよ。キャラクターが喋ってる時にもベース音っていうのが入っている。つまり、空間を表現する「シャー……」みたいな低いノイズが入ってる。だから、空間的な広がりが耳に入ってくる。
アニメ様 なるほど、今日は勉強になるなあ。
水島 今日観たやつは、声に関しては割とセンターに寄せていたよね。元々の絵コンテが立体音響を意識して作ってないから、仕方ないんだけど。
吉松 でも、映画でも台詞は大抵センター寄りでしょ。
水島 基本はセンター寄り。
吉松 あんまり変な事しちゃうと、聴きづらかったりするしね。
水島 そうそう、観る人の気が音に行ってしまう。あとね、アニメって、カットの構成がせっかちな傾向があるんだよ。これは、音響監督の三間さんに指摘されたんだけど(笑)。メカとかもフレームアウトしてから少し間があると、音を回す時間が作れるから、空間的な演出ができるんだけど、アニメのカッティングって、アウトしてから次のカットですぐイン! みたいな(苦笑)。間がないからできない。
アニメ様 TVだったら、そういうコンテにするのは当然なわけでしょ。
水島 TVだと基本的に2chだから。5.1chを想定して作ってないからね。よく「劇場の時はやり方を変えればいいんだよ」と言われるわけですよ。
アニメ様 カッティングから変えないと、劇場作品らしい音響にならないわけだ。
水島 そういう事を言われて、頑張ってみようと思うんだけど、作っている途中でそれどころじゃなくなるわけです(苦笑)。でも、TV作品も、そのうち5.1化していくかもしれないですからね。アニメ様的にはどうだったんですか?
アニメ様 基本的な感想は、水島さんと同じかなあ。もっと過剰にガシガシと音を入れてるのかと思ったら、そうでもなかった。オリジナルのバージョンアップっていう感じだったよね。
吉松 オリジナルからかけ離れると、ファンとしては嫌ですからね。
水島 『ガンダム』と関係ない話だけど、『ルパン』の劇場1本目ってあるじゃないですか。
アニメ様 『マモー編』?
水島 そう。あの映画はすっごく面白かった印象があって、こないだDVDを買ったんですよ。それを家で観たんだけど、あまりの効果の薄さに驚きました。
アニメ様 なるほど。
水島 遠くでヘリが飛んでるのに、ヘリの音が入ってないんだよ(笑)。カットが切り変わって画面にヘリが映らなくなると、いきなり音がしなくなったりしてて、「トホホ〜」みたいな。昔はこれでも大丈夫だったんだなあ、と思いましたよ。
アニメ様 『0083』は映像もリニューアルされているんだけど、やっぱり綺麗だったよね。これは嬉しかった。
水島 当時も『0083』の映像は評判になりましたからね。
アニメ様 まるで目の前でセル画が動いているような感動が!
水島 アニメ様ならではのコメントだなあ。
吉松 日本でそんな事で感動するのは、あなただけです!
アニメ様 『0083』のDVDはそうあるべきだよ。あの作品で一度メカアニメのセル画表現は高まるところまで高まっているよね。モビルスーツもいいけど、やっぱりセル描きのコクピットだよ。
水島 かもね。俺も久しぶりに観て、凄いと思った。
アニメ様 あれさ、レイアウト的に言うと、コクピットのカットは適度に収めるサイズから、ちょっと引いている印象なんだよね。描き込んだコクピットをたっぷり見せたいから、カメラをちょっと引いているんじゃないかとか。
吉松 そういう理由だったのか(苦笑)。
水島 やっぱり『ガンダム0083』のセルの感じはいいですよ。俺にとっては、知っている人が大勢参加しているし……というか、そもそも、俺はこの『0083』で制作進行をやる予定だったんですよ。それなのに『0083』が始まる時にサンライズを退社してしまったので、南(雅彦)さんにしこたま怒られた。
アニメ様吉松 (笑)。
水島 南さんは、俺ともう1人で『0083』を全部を回すんだと言ってたのに。それから、『鋼の錬金術師』をやっていただいたメンバーも参加していますからね。俺にとっては、元々自分が所属していたスタジオのフィルムで、最近も一緒に仕事をした、頭が上がらない人たちが作った作品なんですよ。だから、観ると色んな事を思うよね。
吉松 ある意味では「テレコムの作品に、ジブリのルーツを見出す」みたいな感じでしょ?(笑)
水島 そうそう、そういう事よ!
吉松 サンライズからボンズへ、という。
水島 『0083』から始まったんだよね。あのチームのハイクオリティというか、「濃い仕事」のシリーズが(笑)。あの時はまだ第3スタジオで、その後で第2スタジオに移って『エスカ』や『ビバップ』やって、それでボンズですからね。
アニメ様 『アイアンリーガー』が抜けてるぞ。
水島 『0083』の後が『アイアンリーガー』ですよね。
アニメ様 『0083』で急にモチベーションが上がった感じなのかな。
水島 あの画ですか? 要するに『0083』って、南さんが自分の信頼しているスタッフや好きなスタッフを集めて作った作品なんですよね。
アニメ様 その最初という事?
水島 それまでにもちょこちょこはあったんですけど、『0083』で全部をガッと集めた。だから「今回はスゲーの作るぜ」という空気は、最初からあったんですよ。そういう意味では、狙ってああいう風に作った節はあると思いますね。当時のサンライズは、クオリティを重視できない空気があったんだけど、「今回はそれをやるんだ」みたいな感じだった。そうしたら、やりたい人がどんどん集まってきた。
アニメ様 あの作品で「サンライズの意地」を見たよね。
水島 やれば、これだけのモノができるんだ、というのを示したよね。
吉松 そして、今のボンズに至ると。
水島 だから、やっぱり『0083』から始まったんじゃないですか、あの人たちの歴史は。川元さんも、逢坂さんもやってるしね。……そう言えばさ、「獅子身中の虫が!」って流行らなかった?
アニメ様 何それ?
水島 終わりの方でガトーが言ってたじゃん。みんな、「獅子身中の虫」って言葉を知らなかったから、あれで覚えて使ったんだよ。
吉松 (笑)。
アニメ様 あなたの周りで?
水島 『ガンダム』のスタッフも言ってたよ。俺も『0083』を観て知った。
アニメ様 でも、日常でそんな事を言う機会は、なかなかないだろ。一生に一度あるかないかだよ。
水島 ないない。ガトーは若いのに随分と堅い言葉を知ってるなあ、みたいな。
アニメ様 あの人はサムライだからね。江戸時代から来たんじゃないかって。
水島・吉松 (笑)。
アニメ様 一昨年にケーブルTVで『0083』をやっていて、その時に「こんな画質だっけ?」と思ったんだ。だけど、今回のDVDはリリース時に観た時の、「凄い!」と思った印象に近づいてるよね。まあ、残念なのは、DVD-BOXの解説書にキャラ表とか原画が載ってない事だ。
水島 そうだなあ、入れてほしかったなあ。でも、残ってるのかね、当時の原画なんて。
アニメ様 オフィシャルな資料としてはないだろうけど、発掘してほしいじゃない。『0083』の作画系の資料を見たいなあ。
水島 久しぶりに観て思ったけど、PANが多いよね。富野さんから始まってるのかもしれないけど、宇宙空間でのPANが多い。PANでカメラを振った先で、遠くの戦闘が映ったりするのは分かるんだけど、単に宇宙空間をPANするだけのカットが入る。前からあれが不思議なんだよね。
アニメ様 それをやると『ガンダム』っぽくなるの?
水島 そうだと思う。
吉松 宇宙っぽくていいんじゃないの。オイラは、艦長に紙を見せに歩いていく男にPANつけていくのが気になったなあ。「なんで!?」って(笑)。作画も撮影も大変なのにねえ。
水島 あの頃の演出って、まだああいう感じだったんだよ。そういう芝居の段取りを省略するのが一般化するのは『エヴァ』以降だと思う。
アニメ様 歩いてくるカットを省略して、シーンの切り替わりで、いきなりその場に立たせたりね。
水島 昔はみんな、アニメの中ではキャラクターの移動が、演出的に必要だと思ってたんじゃないのかな。俺も、そういう理由で動かすのはあまり好きじゃないんだけど、会話に参加させるために歩いてくる段取りが必要な事はありますよね。
アニメ様 セル画時代にしては、計器類やモニター表示される文字とか、相当頑張ってるよね。
水島 いやもう、ホントに凄いですよ。そういうところを作り込む事も前提でやってたんだろうなあ。
吉松 凄いですよね。
水島 吉松君は『ガンダム』はやった事あるの?
吉松 ない。なんにもない。やるどころか、カット袋を見た事もない。
アニメ様 隣で作画している人もやってないわけだ。
水島 俺も仕事では関わってないなあ。
アニメ様 俺も20年以上もアニメの仕事をやっているのに、『ガンダム』に関する仕事って、ほぼやった事ないんだよね。
水島 3人とも『ガンダム』には縁遠いね。
吉松 『ガンダム』をやる人は、大勢いるからねえ。
アニメ様 編集やライターでも『ガンダム』は専門家がいるからね。
水島 俺は観る方でも、ちゃんと観たのは『ファーストガンダム』と『0083』と『ターンA』くらいだな。あっ、『ポケットの中の戦争』も観たよ。
吉松 『逆シャア』は観てないの?
水島 こないだ観ましたよ。当時も観たんだけど、どんな内容だったか記憶に残ってなかったんですよ。それと、最初に観た時にはキャラクターに全く感情移入できなかった。この前観たら、当時よりもずっと面白かった。
吉松 それは分かるな。
水島 面白いと思うようになったのは、自分が年をとったせいかな。
アニメ様 あれは対象年齢高いからね。20歳前後に観ても、当惑するだけじゃない?
水島 全てのキャラが煮え切らなくていいですよね。
アニメ様 「煮え切らない」という表現が正しいかどうか分からないけど。
水島 あの中途半端な感じが、いいんですよ(笑)。
吉松 すっきりしないモヤモヤ感が。
水島 そう、モヤモヤ感がね。
アニメ様 「アムロ、あんたセコイよ!」とかね。いいよね。
吉松 富野ガンダムは名台詞の応酬がありますからね。
水島 やっぱり富野さんは、何か違いますね。自分であんな凄いフィルムを作ってるんだから、俺らの作ったフィルム観て、苦言を呈さなくてもいいじゃんとか思うけど(苦笑)。
アニメ様 水島さんは『ガンダム』をやりたいとは思わないの。
水島 「戦争」をきちんと描く事ができる数少ない素材だと思いますよね。もし、自分が『ガンダム』をやるんだったら、そういうところをちゃんとやってみたいと思ったりはしますよ。
吉松 あ、思い出した! 昔、なんかの『ガンダム』でキャラデザインのオーディションを受けた事がある。
水島 ホントに!? ほおー。
吉松 うん。「なんかの『ガンダム』」で(笑)。
水島 どれだか分かってねえのかよ!
アニメ様 多分『Vガンダム』でしょ。
吉松 いやいや、ビデオだったよ。
アニメ様 時期を考えると『MS小隊』かなあ。
吉松 なんだったのかねえ。一応、キャラを描いたけど、覚えてないや。
アニメ様 水島さんが5.1chに詳しいからさ、何かカッコイイ事を言ってもらって、終わりにしよう。
水島 かっこいい事? 何を言えばいいのよ。
吉松 読んだ人が感心するような事を。
水島 言えないよ、そんな事(笑)。アニメも劇場作品では5.1chで作る事が増えてきたじゃないですか。昨年の夏に水島努兄貴も、5.1chだから『xxxHOLiC』では音の遊びを増やしたと言ってたんですよ。最近はアニメの監督が「5.1chだから……」と言ってるのをよく聞きますよ。
吉松 アニメにも5.1ch化の波が!
水島 5.1chはリアの使い方が大事ですね。リアスピーカーをどう鳴らすか。さりげなく、その場にいるような空気で包んであげるためには、やっぱりリアスピーカーが大事ですね。画ともシンクロさせて、効果をつける事でよりいっそう臨場感を増していく。だから、僕ら演出家も、リアが鳴るという事を前提に演出を考えなきゃいけないような未来がくるかもしれないですネ!
吉松 なんだそりゃ(笑)。
水島 なんだそりゃ、って言うなよ! なんだよ。カッコイイ事を言えって言ったくせに。
アニメ様 格好つけすぎだよ。
水島 そっかあ。いや、5.1chはやっぱりいいですよ。
アニメ様 俺さ、音はそんなに興味ないんだよ。素朴な事を聞くけど、5.1chになると嬉しいの?
水島 いや、嬉しいですよ! 劇場『鋼』の音の作業は、すっごい楽しかったですもん。
アニメ様 吉松君は?
吉松 ああ、いいですよね、5.1chは。
アニメ様 今日の『ガンダム』は楽しかった?
吉松 「『ガンダム』って面白いなあ」と思いましたよ。
水島・アニメ様 ホントかよ!(笑)
吉松 設定とか知らないんで、話はよく分かんなかったけどね(苦笑)。いや、でも戦闘シーンは面白いですよね。
水島 5.1chになると、ちょっとした小さい音でも聴かせられるじゃないですか。だからやってるうちに物足りなさが出てきて、「どんどん音を厚くしていかなきゃ」と思うようになるので、それが大変ですよ。でも、そういうところを気にして観ている人って、少ないんじゃないのかなあ。音って、あって当たり前じゃないですか。なくても気づかない事も多いし。
吉松 自分が作り手側に回ると、余計に気になるんじゃないですか。
水島 そうだね。同じ演出家でも、効果を気にする人間と、気にしない人間とがいるから。劇場『鋼』のダビングに中村豊君が来て、自分のシーンを何回も観たんですよ。それで「あんなに音がいっぱいあって、よくあれで『○○の音が抜けてる』とか分かりますねえ」って言われたんです。「だって動きがあるのに、それに音がついてなかったら気にならない?」と訊いたら、「全然気にならないです」と言ってた(笑)。だから、人によるんだなあ。
アニメ様 俺も、なくても平気だな。
水島 俺はないとダメ。自分でフィルム作ってる時に、映像に動きがあったら、それを音でも感じてほしい。それが他の音に消されちゃってる場合もあるんですよ。でもよく聴くと、やっぱりそれが入ってるというのが好きなんです。だから、劇場『鋼』は相当、音がついてると思うよ。ダビングの時にどうしようか迷った部分を、あとで劇場で聴いて「あー、やっぱりあそこでもうひと音、欲しかった!」とか思いましたもの。
吉松 (笑)。
水島 「なんで俺、あそこで音つけなかったんだろう!」と悔やんで、それを人に話しても、誰にも分かってもらえない(笑)。なんか、音フェチみたいだね。
アニメ様 フェチだね。
吉松 音フェチですな。
水島 え〜〜。
アニメ様 じゃあ、今日はそんなところで。凸凸隊の活躍は次回に続く!
吉松 活躍なの、これ?
一同 (笑)。


●凸凸団が行く 第2回に続く

●関連サイト
機動戦士ガンダム0083 web
http://www.gundam0083.net/

●DVD情報
「機動戦士ガンダム0083 5.1ch DVD-BOX」
価格:26250円(税込)※初回生産限定
仕様:BCBA-2415/カラー/約375分 /全13話収録/ドルビーデジタル(5.1ch)/片面2層・4枚組/スタンダード
映像特典:ノンテロップOP&ED/「宇宙の蜉蝣」/第8話「策謀の宙域」予告編(全てHDリマスター・5.1ch仕様)
音声特典:メインキャスト&今西監督ほかゲストによる、オーディオコメンタリー(2話分)
封入特典:16Pオールカラーブックレット「5.1ch版プロダクションガイド」、20P小冊子「イラストレーションギャラリー」
※オリジナル音声、劇場版『機動戦士ガンダム0083‐ジオンの残光‐』は未収録
発売元・販売元:バンダイビジュアル
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(06.03.14
)

 
 
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編集・著作:スタジオ雄  協力: スタイル
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