第245回
『ベン・トー』の話(6)
何しろ遅ればせながら#04用著莪OPのお話です!
最初、「OPやEDを何種類か作る?」的な話題があったんですが、いろいろ話し合った結果「しっかりとしたOPを繰り返し見せる方が喜ばれる」との判断で、OPは基本あーゆーかたちになったわけです。が、ちょっと寂しいので、思わず
じゃ、著莪あやめ登場回のみのスペシャルOPってどーでしょう?
と言ったら、「あ! それいいですね」とトントン決まって#04専用OPって話になったんです。著莪あやめ——つまり加藤英美里さんが歌うキャラソンって事で思い出したのが、『化物語』の真宵ちゃん。ま、もともと前述(第242回)のように著莪役のオーディションに加藤さんを呼んでもらったのも、真宵ちゃんのイメージが浮かんだからなわけで、そりゃ加藤さんが歌うならば
となります、当然。以下、頭から説明していきましょう。
C‐1
「今回はカラオケ」というのはなんとなくです。どちらかというと、カラオケ行っても歌わないで人が歌ってるのを見て楽しんでる側で、普段見てるだけだから「たしか、カラオケで曲入れたり食べ物を注文したりする……あのペンでトトトンってやる、それこそ大っきい弁当みたいなサイズのメカあったでしょ? アレでタタントンとリズム刻むようにさあ……」と適当にコンテ切ってから、まわりの制作さんたちに確認したカット。そこからウソデンパがビカビカッと出るところに著莪をパカパカのせたわけですね。つまり目的はリズムを刻む事でした。
C‐2
実はカラオケを舞台にした理由がこのカラオケヘタ画アニメにあったりします。これも「たしかカラオケ画面ってしょーもないアニメが繰り返し流れてたよなあ〜」的な記憶で
あんな感じなら多少作画が楽できるじゃん
と。だから本当は7〜8割この画でやろうと思ってたのですが、いろいろと(画面的に)もたない事が判明して、この程度。
C‐3
「カラオケボックスでサブタイ出すならコレ!」と一瞬で決まってました。あとお尻と太ももは重要。
C‐4
カラオケが縦軸ならメガネが横軸。メガネを外すだけで別の一面が見えるのはメガネキャラの特権。
C‐5
なにげにこのOPで自分がいちばん気に入ってるカット。メインタイトルの前に著莪を置くイメージは最初からありました。「普段誰にでもフランクな反面、佐藤と一緒にいない時は、実は孤独なんじゃない、著莪って?」という委員会からの意見を採り入れて修正した第2稿だったりします。こーゆーまわりの人たちからの意見を聞いた方がよい結果に結びつくという、大変よい例。だからまわりの意見は聞くべきなのです! ちなみに第1稿では、坂道を焼き芋屋の屋台を押して上る著莪、その御礼にもらった焼き芋を頬張るホックホクの著莪(C‐6)の2カットでした。
C‐6(欠番)
第1稿のコンテにはあったけど、前のカットと1カットにまとまったので第2稿段階で欠番。
C‐7〜10
ウィンドウショッピングから着せ替え。もうベタ。C‐10の胸の揺れはレイアウトチェック時に自分がラフ原足しました。やっぱり胸は重力に引かれて揺れるのがイイんじゃないですかね。あ、ちなみに今さらですがこのOPも橋本(裕之)君の演出チェック後、自分の方でレイアウト・ラフ原チェックしてます。
C‐11
メガネの着脱。『BLACK CAT』本編でもイヴでやりました。もっと尺が欲しかったか?
C‐12
油断していたところで再びカラオケアニメ。もっと暴れてもよかったですね。
C‐13
著莪のもうひとつのトレードマーク。アサウラ先生いわく「著莪はスニーカーです!」らしいので、アニメではそれを徹底しました。
C‐14
カラオケアニメ。走りのポーズを少々修正しましたが、これももっとハデにしてもよかったかなあ?
C‐15
ノリノリの著莪から佐藤をブン殴るのは、コンテ時このカットのオチが見つからず手が滑ったんです。
(以下、次回。スミマセン、今最終回の追い込みなので、このへんで)
(11.12.08)