第247回
『ベン・トー』の話(7)
ようやく最終話の納品が終わり、落ち着いて原稿を書けるか……と思うと自宅の引越し。それだけならまだしも歯のツメものが突如取れて慌てて歯医者に行った……でホッと一息ついてると、次のお仕事の電話が鳴って……。まあ、いつものように結局年内はバタバタして、いつもどおりの年の暮れになりそうな板垣です。さっそく、前々回の続きの著莪OPの話。中途半端なC-16から。
C-16
著莪の太ももなめ、白粉・槍水・あせび・佐藤(気絶中)。楽しそうな一同。太ももなめ、脚なめはこの作品のメインヴィジュアルのひとつです。
C-17
前カットの寄り。ノリノリの白粉に対して、どーやってはしゃいでいいのか分からない不器用な槍水。でも別に楽しくないわけではなく。自分の中にある槍水のイメージってこんな感じです。あせびにはさせる事がなく、佐藤の口にカラアゲをぶちこませるかと。
C-18
加藤英美里さんの歌を聴いた時に、普通に思い浮かんだイメージ。作画スケジュールが押してくる中、ここもなんとなくリップシンクを狙ってみました。作監さんがギリギリまで修正を入れてくださって感謝です! でも、カラオケボックスってあまり時計ってないですよね。「あ、そろそろハーフプライスラベリングタイムだ!」と短い尺で認識できるようにわざとごまかして置いたんです。
C-19
で、慌てて部屋を出る一同。ラフ原の全修、板垣の方で入れました。こういう集団芝居を全員別セルで描いてくるアニメーターさん、本当にカンベンしてください。この場合、全員のポーズをバラバラかつ画面全体(レイアウト+全キャラ)を一塊で掴まえるように原画を描いてほしいものです。
C-20
弁当作監さん、ありがとうございます。
C-21
もちろん著莪をメインにズラリと並ぶ狼たち。ポーズはこちらでおさえました。
C-22
著莪アクションから止めポーズの数枚被せ。アクションは演出の橋本裕之君がラフをたくさん描いてくれました。感謝!
C-23
う〜ん、このカット、実はコンテのラフ時はカット頭にアクションあってからの立ち上がる著莪だったのですが、前半のリップシンクや#04本編作業を踏まえた上でのカロリーコントロールでカットしてしましました。そのおかげでC-21と似た内容のレイアウトになってしまっただけのカットに。残念。
C-24
全部著莪だらけ! ベタです。なんの捻りもありません。可愛けりゃそれでいいのかと。レイアウトの収まりは、自分の方で調整してから橋本君へ。
というわけで、これまた駆け足で解説でした。ちなみに途中で話題にしたカロリーコントロールについてのこぼれ話を。原作の「ベン・トー」は各巻のサブタイが「〜弁当 〇〇円」なのに対して、アニメ版は「〜弁当 〇〇〇kcal」とカロリー表記になってます。これはホン読み(シナリオ打ち)の時、なんとなく決まっただけなんですが、その時自分が言ったんです。
で、
となってしまいました。ま、それは当然の事で「各話の変な差別化はよくない!」んでしょう。
というわけで、各話の品質差別はやめて、その弁当のカロリー表記は残ったわけです!
続いて#05と#06の話。これは、#04とあわせて3話分で、原作2巻となります。もう、原作の分量との戦いでした。で、スミマセン。また中途半端なとこで、また次回。
あ、今年はこれが最後なんですね。皆さんよいお年を!
(11.12.22)