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COLUMN
板垣伸のいきあたりバッタリ! 第135回
会社と人類(前編)


 前回イラストがなかったので今回はイラストで近況報告から



――って現在、武蔵境の自宅で原画描いてます。XEBEC様、すみません。今、ラストカット中ですからもう少々お待ちください。だって、昨日は昨日で14時から東小金井のガイナックスで来年新番組のエンディングアニメ(コンテ・演出・また一部原画?)の打ち合わせ後、国分寺へ移動。プロダクションI.Gで、とある作品(監督・コンテ・演出)の作打ち――電話打ちも含め4件。21時頃帰宅して、やっとまた上のイラストのようにはりきって『To LOVEる』の原画(あ、矢吹先生、連載終了お疲れさまでした!)。とにかく、飯・風呂・寝る以外は確実に机に向かってるほど満点に忙しい毎日なんです。でも、忙しいと言えば吐き気がするくらい忙しいけど、数年前よりはずっと幸せな気がします、今の自分。
 それはたぶん、

 友人関係や仕事仲間、先輩後輩などの柵(しがらみ)によるストレスが皆無だからでしょう

 俺、思うんですけど……

 何の努力もする事なく何年も何十年も永遠に続く人間関係

 って実在するんでしょうか? 世に言うストレスの大半は、会社・職場での人間関係が原因ですよね? これはアニメ業界だけの話ではありません。広く「人類」単位の話。
 自分の父親は朝6時から夜7時〜8時までの肉体労働(工場勤め)を何十年ほぼ無遅刻無欠席(不可抗力による骨折で1ヶ月ほど欠勤しましたが、発熱程度で休んだのは見た事ありませんでした)で定年退職をむかえたスーパー真面目人間です。そんな父親を見て育った団塊ジュニアが人の道を外すはずもなく、試験1週間前になると普通に勉強して普通に国公立の進学校に行きました。その後、大学進学はやめてアニメの道に入るものの、「親を安心させるのも長男の義務」と言わんばかりに、当時完全給料制だったテレコム(・アニメーションフィルム)に入社。契約社員から正社員になって3年目くらいまでは一生社員でいいと思ってました。でも結局6年と10ヶ月勤めて辞めちゃって(その件はずっと前に書いたので略)、フリーの演出に。

 フリー!

 自分の親からは考えられない不安定な生活に見えるはずです。もしかしたら「うちの子、こんなはずじゃなかった!」と思ってるかもしれません。でも俺、会社辞める際、ある疑問が生まれ、その後その疑問は確信に変わりました。それは、

 朝起きて会社に行き、夕方会社仲間と飲みに行き、夜奥さんと寝るという会社に保障された何十年……が、人間――いや人類にとって理想的なマスターライフじゃないだろ!

 って事。それに伴い、

 これだけあらゆる体調不良が医師によって「原因はストレスですね〜」と診断されるご時世になって、そのストレスの素たる、会社や人間関係に、何十年も本気で属するつもりか、人類!?

 ――と。いや、会社とかが全部悪いと言うんじゃありません。凄く幸せにやってる会社員な人たちも大勢います。ただ、安定した収入と老後の保障だけに固執するあまり、イヤな先輩、上司らとつき合ったり、やりがいの見出せない仕事を何十年もやってる人も大勢います! そーゆー人たちに……


 ――と思ったら、本日新宿で打ち合わせでした! ……また来週。



(09.09.10)

 
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