連載コラム内短期連載! 板垣的・『Devil May Cry』情報 #05
先週放送の第4話からの6週間(6本)はいろいろな方のコンテでお楽しみください。
第4話のコンテは阿保(孝雄)様。助監督の川村様に続き、『Devil〜』の前に放送終了した『BLACK LAGOON』班からの参加です。ちなみに第5話のそえた様、第6話の室井様、あと制作デスクの溝口様も『BL』班出身となります。放送時数回しか観られなかったシリーズでしたが、大好きになりました……。ありがとう、『BL』!! (今度は全話観ます!)
で、阿保様とのコンテ打ちの時、自分が出したオーダーは、
「シナリオが長いです。ただ、全編動く内容なので、さほど削らなくてもよいかも……。あと、一読するとコミカルな内容に思えますが、カッコいいフィルムにしてください。例えば“月を背に金髪をなびかせてポーズを決めて佇むトリッシュ”……とか。あとは、板垣のコンテ(第1話)とかはあまり参考にしなくてよいです。好きに描いてOK!」
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こんな感じで、あとは1〜2時間雑談で終了。
絵コンテの打ち合わせ……って、監督によっていろいろだし、作品によっても様々だと思いますが、自分の場合、あまり細かい指示出しはしません。なぜかと言うと、
“自分がコンテを切るぞ!”って時と、“他人にコンテをきってもらおう!”って時では、シナリオに対しての立ち向かい方がまったく違う!
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からです。
それと、他の役職に関しても言える事ですが、
っていうのが、自分の監督としてのモットーでして……(え、意外?)。だから、自分はできるだけコンテをきってくださる方にも“楽しく、そして意欲的に取り組んでもらえますように!”と願いつつ、
他人にコンテを頼むからには、最低6〜7割は使うのも“監督力”の内!
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とか思ってます。まあ確かに、6〜7割使ってもらえないコンテを提出してくるコンテマン(演出家)にも問題はありますが(て言うか、自分も大直しされた経験が2〜3回あったし、逆に『砂ぼ』の時みたいにコンテの大直しをする側だった時もありました)。
あと、自分1人でやる絵作りなんて、限界があります。1シリーズ内で何本もコンテをきると(自分の場合、『キャプ翼』『BLACK CAT』、今回の『Devil〜』もそうですが)、必ず4〜5本目ぐらいから、なんかデジャヴってきて、
と、しばしば思います。これを感じた事がない程度の尺しかコンテをきった事がないアニメーター・コンテマン(て言うよりコンテ“経験者”)に、
的発言は謹んでほしいものだし、これは自分に対しての戒めでもあるのです。
――で、話はずいぶん飛びましたがもとに戻って、『Devil〜』第4話!
阿保さんのコンテは、俺コンテと違って、アクションの段取りを緻密なレイアウトで丁寧に見せる上品な仕上がりでした。そこでアクションはほぼそのまま阿保コンテで、主に自分が手を入れたのは冒頭のアバン〜ダンテとパティの日常シーンです。
……ちなみに、レディの言う“相変わらず、ダンテのジョークは笑えない”っていう件はコンテチェックの際に出た板垣のアドリブで、さらにダンテのセリフ「探していたのは逃げたトカゲだった」は、『BLACK CAT』ネタのもじりでした。
“だからどーした!?”って言わないでください。今日の俺ははしゃいでるんですから!
なぜはしゃぐかと言うと――
――というわけで、あとはラストまで突っ走るのみ!!
『Devil May Cry』#05 In Private
(脚本/菅正太郎 コンテ/そえたかずひろ 演出/牧野吉高 作画監督/金子匡邦)
7月12日(木)23:00〜 WOWOWスクランブル枠にて放送!
今回は“アメリカン・馬鹿コメディ”ってとこですか。