……じゃ、前回の続きって事で〜。
パティ役・福圓美里さん
まあ、福圓=パティは皆さんの予想通り『BLACK CAT』のイヴ役からの続投(?)って事ですか。予想通りハマッていたと思います。
あれは丸山様より『Devil May Cry』の監督の話をいただいてから4ヶ月程経った頃――たぶん『グレン〜』の6話のコンテは終わって、“そろそろ『Devil〜』の1話も何とかしなきゃな〜”と思ってた時です。前述のように、パティの目線で描くって決めてからずっと“パティってどんな女の子か?”と、まとめながらコンテきってました。“俺がパティをどんな娘に描きたいか?”よりは、“ダンテならどんな娘を傍に置きたいか?”って考えてたと思います。――どんな娘を?
「まあ、ダンテって男は自分から話しかける事ってあまりしないと思うよな〜。だからといって暗いヤツじゃない。むしろ根は“明るくお人好し”なハズ……。
じゃ、話しかけられたら無視するか? いや、しない。ウザったそうな対応はするだろうけど本当はそんな事はなく、むしろ腹の中では嬉しい。
じゃあ、パティはとにかく“おしゃべり”がイイ。しかも、どんなにつれない対応にも挫けない元気な女の子。そして重要なのは“私は結構可愛い”と自覚している事!!」
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ここまで考えがまとまったところで、コンテをきっている自分の頭の中でのパティは“福圓美里”になっていました。とりあえず、自分が一番しゃべった女優が福圓さんだったというのもありました(『BLACK CAT』vol.6のDVDで一緒にオーディオ・コメンタリーした50分間は本当に楽しかったです)。
もっとも、本当の本音は『BLACK CAT』という物語を“イヴの成長劇”としてとらえた時、その先をもう少し描いてみたかったって事なんですよね。
つまり、俺の中ではアニメ『BLACK CAT』の最終回(第24話)のラストで見せる笑顔(「シリーズ中見せた事がないような何の屈託もない笑顔で!!」と作監さんに言ったと思います)の後のイヴは、もっと感情を表に出す娘になっているんです(矢吹さん、ゴメン!)。それはもちろん、パティほど元気になっているとは思えませんが、何となく自分は“イヴ=パティ”って感じでコンテきって、演出していたのは確かです。それが証拠にイヴもパティも
と言って両作品のキャラデ(秋山様、阿部様)にご苦労かけました。だって、
でしょう! ……って、何か本題からズレてきたので(汗)、とにかく福圓です。
というわけで、去年の11月某日。『BLACK CAT FANDISK〜クロノス編〜』の収録の日(板垣も声の出演しています)、福圓さんに『Devil〜』の話をしました。
――また、お願いしますね、福圓さん!
レディ役・折笠富美子さん
折笠さんも森川さん同様、丸山オーナーの一押しでした。自分としても折笠さんがいいと思ってたので何の異論もなかったです。
個人的には以前、TVシリーズ版『Hellsing』の演出処理をやった時(今思えば自分にとって初ゴンゾ作品で、平仮名「いたがきしん」名義だったか……)の折笠さんは憧れでした。どのくらい憧れだったかと言うと、酔っぱらった板垣と稲っち(稲垣隆行。『Hellsing』は原画で参加)が打ち上げの帰りに自分の電話番号を渡してしまったくらい!
あの時は大変失礼しました、折笠さま……。
トリッシュ役・田中敦子さん
大塚明夫さんもいて、田中敦子さんと言えば『攻殻なんとか』みたいですよね。
それでやっぱり、一つ一つの芝居が丁寧で巧い! もっと芝居を見たかったのですが、意外と出番が少なく(大塚さんとの共演も第11・12話のみ……か?)残念でした。
でも、抜群に存在感のある女優さんです。また御一緒したいなぁ……。
あと、野沢那智さんは、前述のように念願叶ってのキャスティングでしたし、第1話のゆかなさん、第10話の三木眞一郎さん、第11話の小西克幸さんら、『BLACK CAT』でも出演してくださった役者さん方の芝居もやっぱりカッコよくて嬉しかったです。
その他の役者さんたちも、ほとんどがその話数限りの出演でしたが、皆さんすばらしい芝居で本当にお疲れ様でした! また一緒に仕事してください。
――というわけで次回は『D.M.C』情報最終回!(誰か知りたがってるのか、この情報?)