前回のような状態でなかなか川尻監督に話しかけられなかった俺。ところがある日突然川尻さんとお話しできる機会が訪れました。……そう、あれはたしか去年の4月頃、しかも念願叶って“一緒の仕事”で! いや、正確に言うと板垣のような未熟者が恐れ多くも川尻さんに原画をお願いする事になったんです。
『Devil May Cry』のオープニング原画4カット
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――を! これが実現したのはすべてマッドハウス制作プロデューサー・淡野様と阿部(恒)様のおかげでした。川尻さんにとっては阿部さんに対する『HIGHLANDER』のアニメ業界人同士の間でよく行われる“恩返し”とか“お礼参り”ってヤツだったのでしょう。
事前に阿部さんの方から川尻さんに『Devil〜』第1話本編だけでなく、シナリオとコンテまで見せておいてくださったらしく、オープニング原画の作打ちの際、
「(『Devil〜』第1話を見て)よかった。宿屋で女の子とのシーン……シナリオの台詞削ってほとんど喋らせなかった事でダンテのダンディズム? ……うん。よく出てたよ」
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と言われて嬉しくなった板垣! 思わず、
「川尻さんの『妖獣都市』とか『獣兵衛忍風帖』が大好きです!」
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ってファントーク出ちゃいました……(汗)。
すると優しい川尻さん――
途方もないおだて方です。本当に超恐縮……。こんな社交辞令のヨイショで調子に乗る俺じゃないけど、自分のやったフィルムを見て感想言ってくれただけでメチャクチャ嬉しくて、まわりの人たちに自慢したのは事実でした。
そして、川尻さんの原画――圧巻でした! 重厚でシャープでただただカッコイイ! 監督作品同様まったくムダがなく体脂肪率0。
感激で目が回って鼻血が出そうでした。
それはそーと、なぜ今頃になって川尻さんが『Devil〜』のオープニング原画を描いてくださった事をバラしたかと言うと、最近発売された川尻善昭特集本のフィルモグラフィーにヌケヌケとバラされていたからです。その本とはコレ――
「PLUS MADHOUSE 2 川尻善昭」構成編集・スタジオ雄
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いやー、これは大変よい本です。とにかく凄いのは“川尻善昭ロングインタビュー”! 俺の記憶する限り、川尻さんのインタビューでここまで長いのは初めてじゃないでしょうか? 板垣的にもっともっと取り上げてほしい監督だとずっと思ってただけに感動しましたよ。内容的にはさすがアニメ様! 板垣が川尻さんに聞きたかった事――ほとんど聞き出してくれてます。虫プロからマッドハウスへの移籍や出崎(統)さん・杉野(昭夫)さんはもちろん、丸山(正雄)さんの事……そしてAプロ・大塚(康生)さんの関わりなどの新人〜中堅アニメーター時代から『妖獣都市』〜『HIGHLANDER』までの監督作品の話まで、正に川尻さんの今までの職人人生をほぼ網羅したようなインタビュー。俺と同じ川尻ファンが読み出したら次の日確実に寝不足になる事うけあい!
きっとアニメ様(小黒さん)はこーゆー本を作るため、この世に生を受けたのに違いない!
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って本です。皆、是非買って読みましょう!!
板垣的・アニメの偉い人(5)
川尻善昭監督
どれだけ偉い人かは
「PLUS MADHOUSE 2 川尻善昭」を読んでください。