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アニメの作画を語ろう
シナリオえーだば創作術――だれでもできる脚本家[首藤剛志]

第153回 今回、お休みのお詫び……

 読者の方には申し訳ありませんが、今回は、お休みさせていただきたいと思います。
 今回は、下記のように始まるつもりでした。

 『ポケモン』のTVアニメ版も、20話を超えるあたりから全体像が見えてきて、ゲームの進行に沿ったポイントになる話数に何を書くかも分かってきた。
 問題はその話数以外で、誰がどんなポケモンのエピソードを書くかだった。
 なにしろその当時ですら全部で151頭いるポケモンである。
 まだ紹介すらしていないポケモンだけでも、100頭以上いる。
 とはいえ、どんなポケモンでも登場させていいわけではない。
 主人公サトシが、連れているポケモンの能力はまだ低い。
 ゲームに登場する強いポケモンは、当然、サトシの連れているポケモンがそれ相応の実力をつけて、バトルの相手として対抗できるまで出番が後になってくる。
 その代わり、弱いポケモンは、早めに出しておかないと、強くなったサトシのポケモンのバトル相手としては、物足りなくなる。
 そこで、あまり強くないポケモンの中でエピソードの書きやすいポケモンを、脚本家の方たちの好みで選んでもらって、書くことになった。
 つまり「このポケモンについては、わたしが書きたい」と言った脚本家の方に、そのポケモンのエピソードを書いていただくのである。
 妙な言い方だが、それぞれの脚本家の方たちがつばをつけたポケモンを、早い者勝ちの順番で書くことになったのである。
 もっとも、どんなポケモンのエピソードを指名されようと、エピソードのひとつやふたつは考えつくだけの実力のある脚本家のメンバーである。
 だが、エピソードの書きやすそうなポケモンと書きにくそうなポケモンは確かにある。
 しかし、みんな「どんなポケモンのエピソードだって大丈夫です」という感じで、書きやすそうなポケモンを最初は遠慮して譲り合っていたが、それでは脚本会議が進展しない。
 結局「あなたがそのポケモンのエピソードをやるのなら、こっちのポケモンはわたしがやりましょう」といった具合に、次々とそれぞれの脚本家の方の担当するポケモンが決まった。
 で、エピソードの考えにくい、つまり、あまり特徴のないポケモンが残った。
 そのひとつが「ディグダ」というポケモンだ。
 ゲームでは高さ20センチぐらいで、土からによっこり頭を出した、丸い岩の塊のようなポケモンで、「もぐらポケモン」という類別のされ方をしていた。
 おそらくゲームをする人も、あまりゲットしたがらないだろう、魅力の薄いポケモンだった。
 「ディグダのエピソードは、誰が書く?」
 誰も書かないなら、シリーズ構成が書くしかない。
 「じゃあ、そのポケモンは、僕がやりましょう」
 貧乏くじを引いたような顔をして、僕は手を挙げた。
 「その代わり、どんなエピソードになるか、今は考えもつかないから、変なエピソードになっても勘弁してくださいね」
 などと言いながらも、実は、僕としては、内心、ほくほくだった。
 何の取り柄もないように見えるポケモンのエピソードを、僕はやりたかったのである。
 その理由は、ちょうどその頃、僕に話がきていたポケモンの小説版の話が影響していた。

 ……で、それからのお話が続くのですが、大変、読者の方には大変申し訳ないのですが、僕の体調不良のため、今回はここでお休みさせていただきたいのです。
 次回からは続きを必ず書きますので、よろしくお許しのことをお願い申し上げます。
 重ね重ね、申し訳ありません。

   つづく
 


■第154回へ続く

(08.06.18)

 
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