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『クレオパトラ』

[あらすじ]
パサトリネ星の住人達が地球に対して「クレオパトラ計画」を企んでいる事が判明。その計画について調べるため、3人の未来人の精神がクレオパトラがいた紀元前50年に転送された。当時のエジプトはローマ軍の侵略を受けており、醜いクレオパトラは、シーザーを陥落させるために整形手術を受けて、絶世の美女となった。シーザーの死後、アントニウスがエジプトを襲い、クレオパトラは彼も虜にする。だが、1人の女としての幸せを望むようになった彼女は……。

[解説]
『千夜一夜物語』のヒットを受けて作られた「アニメラマ」第2弾。手塚治虫の旺盛な実験精神や遊び心、過剰なまでのサービス精神が盛り込まれ、いささか混乱気味ながらも、バラエティ豊かな娯楽作品となった。古今東西の名画のパロディ化したローマ凱旋等、画風を変えたスペシャルシーンがいくつかあるのも本作の特徴。当時の人気漫画のキャラの友情出演もよく話題となるお遊びだ。

[公開データ]
劇場作品 1970年9月11日公開 112分

[備考]プロローグとエピローグの未来社会パートでは、実写で人物を撮影し、首から上の部分だけアニメを合成するという手法がとられ、強烈なインパクトの映像が生まれた。この部分の実写演出を担当したのは「吸血鬼ゴケミドロ」の佐藤肇監督。このシークエンスは再公開やTV放映時にはカットされる事が多く、単にエジプトに始まりエジプトに終わる史劇として編集されたバージョンもある。
 解説テロップで唐突に終わってしまうラストは、要約すると「異星人の地球侵略計画とは、地球人の女に化けて男達を骨抜きにする計画であり、現在も作戦は着々と進行中」というもの。アフレコ台本では、報告によって計画の内容が明らかにされたところで局長の奥様が登場し、夜のお勤めを強要された局長が「みなさん、女房ってもんは宇宙人です。気をつけるのヨ」と観客に警句を述べて幕、という艶笑的なラストだった。おそらくはそれを手塚自身が冗長と考え、短く切りつめたものと思われる。また、さらに遡って製作初期の脚本では、宇宙人やクレオパトラ計画といった設定そのものがない。その段階では、すでに愛という感情を失った未来人の男女が、クレオパトラの生き様を目の当たりにして、未来に戻ってからも愛を育もうとする、という作品のテーマに沿ったエンディングが考えられていたようだ。

[スタッフデータ]
●スタッフデータ詳細

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[DVD情報]
「クレオパトラ」(廉価版)
カラー/112分(+映像特典12分)/MPEG-2/片面2層/16:9 LB
映像特典:再公開版オープニング、予告編2種類
音声特典:スタッフ座談会
価格:2520円(税込)
発売日:3月1日
発売・販売元:コロムビアミュージックエンタテインメント
[Amazon]

「虫プロ・アニメラマ DVD-BOX(千夜一夜物語/クレオパトラ/哀しみのベラドンナ)」(廉価版)
カラー/332分(+映像特典38分)/3枚組/MPEG-2/片面2層/16:9 LB(「千夜一夜物語」「クレオパトラ」)、4:3(「哀しみのベラドンナ」)
※映像特典・音声特典の詳細は、単品の商品情報を参照
価格:6300円(税込)
発売日:3月1日
発売・販売元:コロムビアミュージックエンタテインメント
[Amazon]

(06.02.08)

 
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