【EVENT】「細田守の人生相談PART2」
感想メールをいただきました

 第52回アニメスタイルイベント「細田守の人生相談PART2」は、細田監督の最新作『サマーウォーズ』の公開を間近に控えた2009年7月28日に、新宿ロフトプラスワンで開催された。タイトルどおり、細田監督が来場したお客さんの人生相談に答えていくという異色のトークイベント。『時をかける少女』公開直前ににも同じタイトルのイベントを開催しており、今回は2回目の開催だった。  寄せられた相談は、就職について、仕事についてなど、まじめなものが多く、それに対して、真剣に細田監督が真剣に答えていたのも印象的。進行も第1回よりもずっとスムーズだった。細田監督はファンと接点がもつ事ができるこの企画を気に入っており、機会があれば「PART3」をやりたいと語っていた。

 以下に、イベントレポートの代わりに、来場されたお客さんからいただいた感想メールを掲載する。なお、掲載にあたり、改行などに手を入れさせていただいた。

タカシマ

 初めてメールさせていただきます。先日の「細田守の人生相談PART2」にて演出についての相談をさせていただいた、学生のタカシマと申します。
 イベント、本当にお疲れさまでした。一線で活躍しておられる監督に間近で相談ができる機会は非常に稀な事で、貴重な機会をいただけた事に感謝しております。
 次回は第1回のように打ち上げまでやっていただければと思いますので、図々しくも「細田守の人生相談PART3」楽しみにしております。
 最後となりましたが、WEBアニメスタイルの方も楽しく拝見しております。アニメーションにはまだまだ疎いので、アニメ様365日の当時の視点はとても興味深く、毎日の更新を期待しております。
 それでは失礼致します。

みたらし

 WEBアニメスタイル様、初めまして。
 私は、先日の火曜日に新宿ロフトプラスワンにて開催された「細田守の人生相談PART2」に参加させていただいた者です。とても楽しいイベントであったので、簡単ですが、イベントの感想について、送信させていただきたいと思います。
 このイベントは、細田さんが来場したお客さんの相談に答えるというものでした。でも、個人的な感想としては、それだけではなかったような気がします。細田さんが相談内容に答えて、そのお話をお客さんがただ聴くということだけではなくて、同時に、お客さんも細田さんと一緒になって、それぞれの問題について考えているようなイベントであったと思います。私も、細田さんの回答を聴きながら、「自分だったらどう答えるだろう?」と考えていました(笑)。
 また、来場した皆さんの相談内容を聴いていると、驚くほど、自分と同じような不安や問題を抱えている方が多いのだということが分かりました。細田さんも小黒さんもおっしゃっていましたが、「みんなが同じように悩んでおり、悩んでいるのは決して自分だけではない」という視点は、とても大切であるように思えました。自分と同じ不安を持っている人が確かにいるという事実は、それだけでどこか、ほっとしたような気分にさせてくれます。ちなみに私は、就職活動について質問させていただき、しっかりとその質問にも答えていただきました。どうもありがとうございます。
 このイベントでは、細田さんの言葉の節々から、「与えられた状況をポジティブに肯定していこうとする態度」が感じ取れました(恋愛相談のときの、細田さんの「まずは結婚してから相手のいいところを見つけよう」という言葉も、その一部だと思います(笑))。そして、そのような態度は、来場した皆さんがそれぞれ抱えている問題を解決していく上で、とても大切な要素であるように思えました。私も、このような態度を身につけなきゃなあ……と思いました。
 すこし長くなってしまいましたが、この人生相談イベントは、とても興味深いものでした。もしよろしければ、今回相談した方々のその後の展開を確認する意味でも、第3回を開催してもらえればと思います。「細田守の人生相談&その後の報告会」のような感じで、またあのような場を設けていただければ、楽しいのではないかと思います。
 最後になりましたが、毎回興味深いイベントを開催していただいて、アニメスタイル様にはとても感謝しております。これからも、もっと楽しくアニメを見るためのイベントを、たくさん企画してもらいたいと思います。

(追伸)
私は先日の新文芸坐でのオールナイト「新文芸坐×アニメスタイルセレクション Vol.1 《アニメで映画を作る》」にもお邪魔させていただきました。映画を上映する前のゲストのトークによって、そのゲストが上映作品のどのような点に気を惹かれ、注目したのかということが分かって、非常に興味深かったです。そのトークによって、上映作品の見方も変わったと思います。こちらも是非、継続して企画していただければと思います。

かみなり

 私は「初対面の方に仕事を依頼するときは?」という質問をさせていただいた者です。時間ギリギリにペンを走らせ、乱筆乱文となってしまい大変恥ずかしかったのですが、「しっかりした質問で」という言葉もいただき、恐縮するばかりです。「人に頭を下げるのが、苦じゃないんだよね」という細田監督の言葉が忘れられません。自分の場合、お詫びをすること以外に頭を下げる機会がまずなく、頭下げることに大変なネガティブなイメージがあったものですから。それと小黒さんの「事前に盛り上げようとか無理はしない」というご回答も、あ、ナルホドと、ひざをぽんとたたくような思いで納得してしました。無理をすると相手に伝わりますものね、納得です(笑)。ご回答、本当にありがとうございます。
 イベント全体の感想はといいますと「監督の誠実なお人柄がうかがえるな素晴らしい時間」と言わせてください。もうその言葉に尽きます。どんなことにも茶化さず真摯に回答する、なよりも監督の姿勢に胸をうたれたといいますか、監督作品を見終えたときのような、心洗われるひとときでした。新宿ロフトプラスワンには、他にお笑い系のイベント空間として何度も通っているのですが、あの空間でこういう温かい気持ちになるとは思いもよらず、大げさなようですが、感激いたしました。細田監督は、回答ひとつひとつに相応しい言葉を選ぼうと悩んでおられるご様子でしたが「悩みには、解決ではなく、聞いてもらうことが大切」という側面も大きいと思いますので、あのとき採用された質問者は読んで貰えるだけでもずいぶん心が軽くなったのではないかと思います。
 個別の感想を申し上げますと、質問を分野別に分けて、順繰りに回答するというのは、聞く側も退屈せず、素晴らしい段取りでした。また数をこなそうと「捌く」雰囲気がまったくなく、ゆったりとしたペースが心地よさにつながっていたように思います。
 率直な意見も述べさせてください。イベント前半に自分の質問が採用されたこともあって、自分個人は他の方の質問も身近に感じながら、最後まで非常に気持ちよくすごすことができたのですが、質問しなかった人には、ちょっと窮屈な気持ちもあったのかもしれません。「何時に終わるの?」と話しながら、落ち着かないグループも近くにいましたので、もし次回行われる際には、休憩タイミングと、終了予定時刻をあらかじめ宣言されると、より一体感が増すのかもしれませんね……。そんなことを感じてしまいました。僭越な物言いで申し訳ありません。
 『サマーウォーズ』さっそく観ました。おかげさまで、より気持ちよく観ることができ、とてもよい思い出ができたなと思っています。今後も機会がありましたら、他イベントも参加したいと楽しみにしています。
 長文失礼いたしました。最後にもう一度、ステキなイベントを、ありがとうございました!

永谷裕章

 いつもWEBアニメスタイルを拝見させていただいています。
 先日開催された「細田守の人生相談PART2」トークイベントの感想を書かせていただきます。作り手側のひとの話は多角的で、アニメの話に限らず人生相談というかたちで、色々なものの考え方を知るということは、煮詰まりぎみの自分の思考に風通しがよくなる気持ちよさがありました。「32歳の田舎で暮らす男」として相談させていただきましたが、その際、細田監督には、ご自身の過去の体験談をしていただき、とても恐縮するとともに、感慨深いことしきりでした。改めて、細田監督、小黒編集長、このようなイベントを開催してくださったアニメスタイル様に感謝いたします。ありがとうございました。
 『サマーウォーズ』さっそく観に行きました。
 とても濃密で濃厚な1時間54分でした。上田市の風景、親戚のみなさん、OZの仮想世界、もろもろが怒涛のように押し寄せてきつつも咀嚼されて、スッと入っていく感覚。細田監督がインタビューで語っているようにまさに、スカッとするアクション映画でした。特に陣内家にスパコンやらイカ漁漁船やらが運び込まれていくシーンは、久々にアクション映画のカタルシスが味わえました。

●『サマーウォーズ』公式サイト
http://s-wars.jp/

(09.08.07)