【EVENT】「ファンが語る金田伊功の仕事」開催
イベント報告&感想メールです!
アニメスタイルイベント「ファンが語る金田伊功の仕事」を2009年9月27日開催した。7月に亡くなられた名アニメーター金田伊功の仕事について、ゲストがファンの立場から語るというコンセプトのトークイベントだ。イベント自体は2部構成で、第1部は司会の小黒編集長、小林治、羽原信義、今石洋之、小池健が、第2部には小黒編集長、今石洋之、森本晃司、氷川竜介が登壇。思い思いに、金田伊功の仕事について語り合った。
第2部のトークが始まる前に、小黒編集長と今石洋之が2人だけで話をするミニコーナーがあり、「みんな、もう好きなスタッフが死んでから騒ぐのはやめよう。好きなクリエイターは、なるべくご存命中にリスペクトしよう」と提案した。これは2人が事前に話そうと決めていた事だったそうだ。
イベント終了後は、お客さんも交えての打ち上げをする予定だったが、小林治が突然、壇上で金田伊功関連アニメ主題歌を歌いだした事から、アカペラ合唱会に突入。そのまま壇上でトークが始まり、打ち上げを予定していた時間も、ざっくばらんに金田ファンによるトークが続いたのだった。
■EVENT DATA
第53回アニメスタイルイベント「ファンが語る金田伊功の仕事」 |
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会場 |
新宿 ロフトプラスワン |
日時 |
2009年9月27日(日) 開場/18時 開演/18時半 |
出演者 |
今石洋之、小林治、羽原信義、小池健、森本晃司、氷川竜介、小黒祐一郎(本誌編集長) |
以下に、来場されたお客さんからいただいた感想メールを掲載する。なお、掲載にあたり、原稿の一部を整理させていただいた。
■感想メール
ターンAプロさん
昨日はとても楽しいイベントでオールド金田ファンとしてはとても至福の時間を過ごしました。若いファンの方が付いてこれたのかが少し心配ですが(^^) 小黒さんやゲストの皆さんの「実は金田さんご本人は……とか、お仕事は……」などアニメ業界に身を置いていない者として色々と貴重なお話が聞けたのと、質問などが直接できて大変おもしろかったです。「送る会」には行くことができなかったので、今回のこの様な会を催していただき感謝致します。
私はさらヤマの質問をさせていただきましたが、ガンダムでの残り1カットがどうしてもわからないから聞きたいとか(マニアですみません)、金田さんは荒木伸吾さんからレイアウトの影響を見受けられますが、インタビューなどでは山口泰弘さんの名前も必ず出ており実はこちらもかなり影響をうけているのではないかと思う事(赤胴の最終回やイサムの回では金田さんのアニメートのもう一つの原流ではないかと思えるほどです)、また、生頼さんは演出として金田さんとどの様に接していたのかご存知ですか? などと聞きたいことが実は沢山あったのですが、電車の都合上11:00頃で上がる事になり、最後まで残っていられず泣く泣く帰宅しました。
ロフトプラスワンは飲んでいられる事がとてもいいですね。実は酔った勢いで皆さんの席に行って語りたくなっておりました(笑)。
今回だけに限らずこれから年に1回でもよいので、今後もアニメ界のためにも、ファンのためにも金田さんを語るこの様な会を継続して開催していただきたいと思います。
追伸
セーラームーンスーパーズでの金田さんのパートは#31、黒沢守さん初作監回での後半セーラーマーズが敵キャラに突っ込んで行き、その後スローで手前に手を伸ばす斜めショットと横顔のショットあたり2、3カットではないかと思うのですがどうでしょうか? 髪の毛の処理(Xの時に似ている)やスカートなど全体的に定規で書いた線が残っている感じにとれるのですが……。
ななしんぼさん
ミーハーに近い自分には、いろいろ考えさせられるイベントでした。みなさんの熱いトークもおもしろかったです。
打ち上げでの新井淳さんのトーク、おもしろかったです。新井淳さんのインタビュー、今石洋之×新井淳対談なんてものを読んでみたくなりました。
来場してよかったと思えるイベントでした。アニメが好きな人間のひとりとして、これからもアニメスタイルの活躍に期待しています。
J・KOYAMAさん
お酒が入っての楽しい鼎談(小林治氏は酔い方が楽しいですね)が続き、名古屋から見に行ってよかったと思いました。ファンの方提供の原画をプロジェクター公開したサプライズは嬉しかったですが、映像はダメでもこれが可能なら、登壇した方々も所有しておられるであろう金田さんの原画もああいう場で公開していただきたかったと思います(われわれファンの持ち込み分ももちろんの事。次があったら是非ご検討を)。
いろいろ読むと、金田さんはバリ島(最近じゃなく、1970年代にバリとは凄い)始め各地に旅もされておられるようです。アニメの優れた業績をまとめる作業は今後実現するでしょうが、人間・金田をもっと知りたいと思います。その頃は、チンポ系の話もOKになっているでしょう?
皆さんが仰っていたように、金田さんの名を語り継ぐよう1ファンとして今後を過ごしていきたいと思っております。
K2&Gさん
送る会には参加できなかったので、こちらのイベントに参加する事ができて、本当に嬉しかったです(泣)。
僕は当時、小林治さんが主宰していたFCの会員でしたので、会長がこういうイベントに参加されていたのも、僕らの代表として語ってくれた気がして、ちょっと誇らしかったりもしましたね。
普段は聞けない裏話や、作画についての話も面白く、頭の中の映像と照らし合わせながら、ほぼ理解できましたよ。
今後は、アニメスタイル主宰での金田作品の上映会や、金田さんの画をまとめた画集などを出してほしいですね。またこういった金田さんのトークイベントもやってほしいです。金田さんの業績を後世に伝えるためにも、是非宜しくお願いします。
かきたまさん
一線で活躍される方々が自然体で語り合う様子を、
飲み屋で横の席に居るように間近に拝聴できて、
金田氏はここにもあそこにも生きているんだなあと希望をいただけた気がします。
「何故か…燃える赤が好きだ」のパフォーマンスや、
いきなりの主題歌熱唱で会場の温度を上げた小林氏、
持ち込まれた貴重な資料に的確な解説を加える今石氏、
それぞれの世代からの“金田観”を語る羽原氏や小池氏、
長いキャリアに裏打ちされた洞察で技術とスピリットを語る森本氏。
様々な角度から金田アニメに光が当てられていたと思います。
かつて同じ場所で行われた木村圭市郎氏のイベントに
観客として参加した金田氏は“あのへんに座っておられました”と
アニメ様が指差した先が、ちょうど自分が座っていた場所の近くだったので
このあたりに今夜も居られるのかも知れないなあと
酔いが少し回った頭で考えておりました。
ゲンさん
金田さんのイベント、楽しみに参加させて頂きました。
先日の杉並公会堂での追悼会にも、ファンとしてどうしても参加したかったのですが、タッチの差で参加できず、その悔しい思いを今回のイベントで晴らすことができました(金田さんの作品に関して語らい、想いを共有するという意味で)。
ちょうど私は30歳ですが、金田さんにつきましては、若輩者の私でも名前は存じ上げており、1970年代から80年代の松本零士関連作品や、映画『幻魔大戦』での火炎龍、サイボーグ009やブライガーのOP、ジブリ作品など、数多くの重要な仕事をされており、ファンとして「とにかく凄い人だ!」と思っておりました。
無論、「金田伊功スペシャル」や「金田伊功GREAT」、BIRTHのサイン本(古本で入手・笑)も所持しております。
近年では、金田さんのアニメーションでご活躍されている様子をあまり目にできなくなっていて残念に感じており、松本作品の新作アニメ映画化などの際には、ファンとして、また作品制作にかかわっていただけないかと期待をしていたりしておりましたが、突然の訃報を知り、その瞬間には息が止まりました。
今回のイベントでは、金田さんが3D業界に行かざるを得なくなってしまった日本のアニメーション業界としての構造上の理由など、考えもしなかった、より深い話を聞けてよかったです。
トークと打ち上げの間ではカラオケ大会になり、打ち上げでは非常に深い話になっていったのにも関わらず、終電のため、やむなく途中退場させていただきました。打ち上げでのディープな話は是非とも最後まで聞いてみたかったです!
自分を含めた皆さん1人ひとりに深く焼きついている金田さんの作画シーン、またはその精神を業界の方々には受け継いでもらいたいと思っています。
アニメスタイルさんのイベントには初めて参加させていただきましたが、とても素晴らしい、アットホームなイベントをありがとうございました。
また機会があれば参加させていただきたいと思っています。
追伸:もう少し羽原さんや森本さんに話を振っていただきたかったです(笑)。
何となくマイクを持っていた森本さんはお話をしたかったように見受けられました。
(09.10.14)