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第25回
「フリクリのナマコメ」
日時■2005年9月19日(月) 18時半〜
会場■LOFT/PLUS ONE
出演■鶴巻和哉、平松禎史、榎戸洋司、今石洋之、小黒祐一郎
司会■とろ美
『フリクリ』DVD-BOXに続く画コンテ本の発売を記念して催された本イベント。お客さんの目の前で映像を観ながら、監督以下スタッフがその場で解説を加えるという初の試み「ナマコメ」は、はたして成功するのか、それともグダグダに終わるのか?
当日、入場開始時刻。すでに会場のLOFT/PLUS ONEは文字通りの超満員(入口にすらたどり着けないお客さんが約40人!)。とうとう楽屋まで追い出されたゲスト・スタッフ一同が「おかしい、ゆるいイベントのはずだったのに……」と恐々としている間にも、フロアの熱気はどんどん高まるばかり。後で聞いたところによると、総入場者数は242人で、LOFT/PLUS ONEとしても記録的な動員数だったそうだ。
そんなアツイ状況で幕を開けた『フリクリ』イベント・第1部。今回の司会は毎度おなじみ小黒編集長に加え、声優のとろ美さんが参加。開始間もなく、満場の拍手と共にゲストの鶴巻和哉監督、平松禎史、榎戸洋司、今石洋之が壇上へと招かれ、いよいよ「ナマコメ」スタート! 第1話「フリクリ」と第2話「ファイスタ」を観ながら、シーンのディテールや演出意図、敏腕アニメーター達の仕事ぶりなどが語られた。
やはり、これまであまり語られなかったアニメーターの活躍が次々と明らかにされた事は、作画ファンには大きな収穫だった。第1話冒頭の大塚伸治の作画は、作品の方向性を決定づけるほどのインパクトを与えたそうだ。西尾鉄也を始めとする、硬質な作品のイメージが強いProduction I.Gのアニメーター陣が、こぞって積極的に奔放な作画をしてくれた事も、鶴巻監督にとっては驚きだったとか。4話の作監・絵コンテを担当した小倉陳利の不思議な個性についても触れられた。
続く第2部では、第5話「ブラブレ」、最終話「フリクラ」を上映。「ブラブレ」といえば、世のアニメファンに広く“今石インパクト”を与えた代表的フィルムとして知られる快作。美容室での銃撃戦は、今観ると『DEAD LEAVES』そのまんま? 最終話「フリクラ」になると、ゲストの皆さんもついつい画面に見入ってしまいつつ、6話に至るまでのキャラクターやドラマの変遷などについて語った。巨大な掌の上で、銃を構えたアマラオがナオ太を諭すドラマティックなシーンは、鶴巻監督自ら原画を描いているそうだ。
合間には、上映されなかった3話「マルラバ」と、4話「フリキリ」についての話も。
榎戸
「4話で衛星爆弾が落ちてくるのは、冒頭でハル子の打った場外ホームランの球がぶち当たったからなんですけど、分かりましたか?」といった、あまりに難易度の高い仕掛けなども明かされたりした。なお、3話に関しては「そのうち開催予定の平松禎史イベントで、ナマコメやります!」と小黒編集長が断言したので、しっかり覚えておこう。
というわけで「ナマコメ」は盛況のうちに終了。北米版DVDのコメンタリーよりも遥かに(アニメスタイル的には)濃い内容で、ファンもかなりの満足感を得たように思う。
第3部では、まず最初に大地丙太郎監督による最新ショートアニメを上映。約20秒という短尺の一発ネタで、『フリクリ』イベントのお客さんからもしっかり笑いをとっていたのは、さすが。
そして、現在製作中の最新作『トップをねらえ2!』第1話オープニングを見ながらの短いトーク。言うまでもなく、壇上のゲスト全員が『トップ2』に続投している。主人公ノノを演じているのは、『フリクリ』でミヤジジュンコ先生を好演した福井裕佳梨。メインキャストに小劇場系の役者を配した『フリクリ』、逆に主役以外はプロの声優で固めた『トップをねらえ2!』──2作におけるキャスティングの妙は、やはり鶴巻監督のこだわりだそうだ。
そしてアニメスタイル読者からの質問に答えるコーナーでは、監督の意外な蘊蓄王っぷりがスパーク。好きなアイドルや俳優に対するこだわりを熱く語る監督の姿に、会場も大盛り上がり。「2話Bパート冒頭の作画は誰の仕事ですか?」という初心者からの素朴な質問(答えは大平晋也さんです)も、「そんなの、自分で見て分かるようにならなくちゃダメ!」と厳しく一刀両断。作画のディテールやコンテ演出に着目した、ハイレベルなアニメの見方をレクチャーした。
そんな鶴巻監督の幅広いジャンルへの興味とこだわりは、もちろん『フリクリ』という作品自体にも反映されている。
鶴巻
「言ってみれば『フリクリ』は、いろんなジャンルのオタクに喜んでほしいと思って作った作品だった。音楽オタも、演劇オタも、バイクオタも、もちろんアニメスタイル読者みたいな作画オタも含めて。そういうところで、それぞれが別のジャンルに興味を持ってくれれば、なおいいな、と。だけど実際は、自分と相容れない分野を前にすると、オサレとかサブカルとかいって逃げちゃう人が多かった(苦笑)。裾野が広がった分、わりとみんな垣根を作っちゃったのは、残念な事だと思う」
事実、『フリクリ』は今に至るも、アニメファンに限らず、多くの「面白いもの」好きな人達に支持され続けている。その事を再確認させてくれる楽しい一夜だった。
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【DATA BASE】
『フリクリ』
(05.09.22)
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編集・著作:
スタジオ雄
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