細田守
ほそだ・まもる。1967年9月19日生まれ。富山県出身。金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科油絵専攻卒業後、東映動画(現・東映アニメーション)に入社、アニメーターとして活躍する。
1997年『ゲゲゲの鬼太郎[第4期]』で演出デビュー。1999年、劇場短編『デジモンアドベンチャー』で初監督を務める。翌2000年の監督第2作の劇場中編『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』で、各方面から注目を集めた。同作を観た現代アーティストの村上隆からLOUIS VUITTONのプロモーション映像の制作を依頼され、『SUPERFLAT MONOGRAM』(2003)を監督することになった話は有名である。『ウォーゲーム!』は東映アニメーション初のフルデジタル制作の劇場アニメーションであるが、その後も『ゲゲゲの鬼太郎 〜鬼太郎の幽霊列車〜』『銀河鉄道999 ガラスのクレア』『デジモンアドベンチャー デジモングランプリ』等、アトラクション用の3DCG作品をいくつか手がけている。この間、スタジオジブリの『ハウルの動く城』に監督として招かれるが、のちに降板。
2002年、久しぶりにTVシリーズに演出として参加した『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』第40話「どれみと魔女をやめた魔女」が、またもアニメファンの間で大きな評判となる。同作を観たマッドハウスの丸山正雄からのアプローチが、後の『時をかける少女』の制作へとつながった。2005年初の劇場長編『ONE PIECE ―オマツリ男爵と秘密の島―』で監督を務めたのを最後に、東映アニメーションを離れ、フリーとなる。
2006年、フリー第1作の劇場長編『時をかける少女』はささやかな公開形態ながら、それまでのファンを越えた評判を呼び、文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞、毎日映画コンクール・アニメーション映画賞、日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞、東京アニメアワード「アニメーション オブ ザ イヤー」など、国内の主なアニメーション関連賞を総なめにする快挙をなしとげた。現在は、マッドハウスにて次回作を準備中。
『少女革命ウテナ』『天使になるもんっ!』等で活躍する絵コンテマン・橋本カツヨは親しい友人で、インタビューではしばしば言及される。