劇場版『デジモン アドベンチャー』は、同名TVシリーズに先行して制作されたもので、細田監督が、初めて手がけた劇場作品です。デジモンの存在、舞台の光が丘団地をリアリズムとダイナミズムをもって描写しており、わずか20分の短編ではありますが、非常に見応えのあるフィルムに仕上がっています。
1番上に掲載した画像のように、本作の絵コンテには、ロケハン写真が貼り込まれています。どうして、このようなスタイルをとったのかについては、本書巻末のインタビューで話題になっていますよ。
ところで、本書を制作するにあたって、現存する本作の絵コンテを数点集めました。その中で、細田監督自身が保存していたコンテが最も状態がよかったため、劇場版第1作に関しては、細田監督が制作中に使用したコンテを底本として編集を作業を行っています。
▲夜の街をゆく、アグモンとヒカリ。凄まじい程の臨場感だ。22-3までに、アグモンがゆっくりと首を振ると次のカットに切り替わるという構成が3回続く。実に心地よいカッティング!
▲同じく、街をゆくアグモンとヒカリ。ロケハン写真を使っていないところでも、充分以上に写実的な画になっている
▲クライマックスの戦闘シーン。「リアルにお願いします!!」とト書きにあるが、コンテの画も相当にリアルだ