編集・著作:スタジオ雄
協力:スタジオジブリ
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ガイナックス若手アニメーター紹介(3)
PROFILE
高村和宏(TAKAMURA KAZUHIRO)
1972年10月10日生まれ。福井県出身。代々木アニメーション学院名古屋校卒。血液型B型。『まほろまてぃっく automatic Maiden』のキャラクターデザイン、総作画監督。他に『彼氏彼女の事情』『フリクリ』等に作画で参加。『アベノ橋魔法☆商店街』の8話「ときめけ! アベノ橋☆学園商店街」ではゲストキャラクターデザインを担当。『彼氏彼女の事情』19話、『フリクリ』3話での顔ノ出演も印象的。
佐藤
お次は高村さん、どうぞ。
高村
俺も話すんですか。
――
高村さんは新人というわけではないですが、せっかくですから。
高村
全然新人じゃないですよ。もう、おっさんですよ。30ですからね。
今石
あ、そうか。俺が31だもんな。
平松
今石君と同世代?
今石
ほぼ同世代。
佐藤
まあどうぞどうぞ。“俺プロフィール”とか。
高村
“俺プロフィール”ですか。ほんともう、なんもないですけどね。俺、宮崎(駿)さんの作品が大好きで、ジブリで宮崎さんの作品をやりたいとずっと思ってたんですよ。アニメの専門学校に入ってからも他のプロダクションは眼中になくて。
今石
宮崎作品はどこら辺が好きだったの。
高村
『(天空の城)ラピュタ』を見て凄いなと思って。『魔女の宅急便』も凄いな、面白いなと思って。それを作ったのが同じ人だったと気がついたのは後だったんです。
平松
そういうのにわりと気がつくのは遅かったんだ。でも、ジブリアニメが好きだと言っておいて、描いている画を見せてもらったら、美少女だった。
高村
ジブリ用の試験を受けるために、普段と違う画を描いて持っていったんですよ。それと同じ作品をガイナに持ってったら、ガイナは受かったんすよね。
佐藤
あら、だまされたよー(笑)。
――
学生時代はいわゆる美少女を描いていたんですね。
高村
描いてましたね。高校の時に『らんま1/2』の天道あかねに、めちゃくちゃ惚れ込んで。
佐藤
きた!
一同
キタ〜!
平松
あかねは、髪が長い方がいいの? 短い方がいいの?
高村
勿論、長い方がいいっスよ。「本当に良牙、腹立つーっ」と思いながら『らんま』を見ていて。
佐藤
平松さんは、短い方がいいんじゃないの。
平松
俺は、断然短い方がいいな。
佐藤
『らんま』で言うと、中嶋(敦子)さんとか、名前が出て活躍しているスタッフがいるわけじゃん。
高村
はい。でも、(自分には)そういう事に関するデータは全然なかったっすね。
佐藤
あら、そうなんだ。
高村
だいたいウチの田舎は、放映されるアニメが極端に少なかったんすね。見る機会がなかった。
――
順番どおりに訊きますね。アニメーターになろうと思って上京したんですか。
高村
そうですね。上京する頃はもうアニメーターに絞ってましたね。田舎にいた頃は、実は漫画家を目指していたんですよ。漫画も何本か描いて、投稿なんかもしてたんですけど、箸にも棒にもかからなくて。それで、アニメーターになったんですね。
――
それで上京した?
高村
代々木アニメーション学院の名古屋校だったんです。専門学校にするか、田舎で就職するかで迷っていた時期があって、当時、代々木で育英生っていうシステムがあったんですよ。それは学校が全部授業料なんかを負担してくれるというもので、その第1期の募集があって、受かったんですよね。で、ただで行けるんだったら行こう。それが分岐点だったかもしれないですね。
――
専門学校入ってからいきなりアニメに関する情報量がぐわっと増えたりした?
高村
増えなかったですね。だって、その時点でもうジブリしかなかったですから。他は遮蔽してたんですよ。
佐藤
でも、『らんま』は見てたんだ。
高村
『らんま』は見てましたね。EDベータで録画してましたね。
――
『らんま』だけ? しかも、EDベータ?
高村
そう。ライブラリーになっているのは『らんま』だけですね。
佐藤
その頃でも、いのまたむつみさんとか、他にかわいい画を描く人、いっぱいいたよね。アニメ誌とか買ってなかったの?
高村
ああ、その時は買ってなかったですね。
平松
あの頃だったら菊池通隆さんとか。そういうのは?
高村
菊池通隆という名前は分からなかった。でも、「アニメージュ」か何かの『ボーグマン』の表紙がいいなと思った事はあります。それは友達にもらったんですけどね。自分じゃ買わなかったですよ。恥ずかしくて。
平松
ほお。
――
硬派だ。
高村
その時は、アニメファンはおたくだと思っていたから、自分はおたくになりたくないと思って。
佐藤
それで、あかねちゃんかよ。
高村
あかねちゃんですよ。
佐藤
なんか微妙におかしいなあ(笑)。
高村
おかしいですよね。美少女好きなのにジブリファンだっていうのも。
今石
でも、僕らの世代だとちょっとね。いちばんおたくがやばかった時期だから。
――
宮崎勤の事件があった頃ですね
今石
そう。おたくと言われるのはカンベンっていう。
高村
社会が排除しようとしているところがあったからね。
――
それで、ジブリの試験には惜しくも落ちて、ガイナックスにきたという事ですか。
高村
その前に吉祥寺にあったスタジオ・ザインというところに行っているんです。その時にガイナにも電話かけたんですけど、たまたま、つながらなかったんですよ。で、ザインに10ヶ月ぐらいいて、辞めたんですよ。それで建築会社で1年ぐらい働いて。
平松
あ、ブランクがあるんだ。
高村
その時点で、もう一度ジブリを受けようと思ったんです。で、4度目のジブリを受けて落ちて、次にガイナですよ。
平松
ほう。なんでガイナに。
高村
ガイナは好きだったんですよね。『王立』は劇場に2回観に行ってますもんね。唯一自分で金払って2回見に行ったアニメですね。庵野さんの原画の、飛行機のミサイルがもの凄いリアルに見えたんですよ。それから、リイクニが襲われるシーンで、もう一度観ようと思って。
平松
そこに反応したのか。
今石
ああ、そうか。それでもう1回観たんだ。
一同
(笑)。
佐藤
庵野さんに引っ張られて、貞本さんにトドメをさされたわけね。
平松
なるほど、それがガイナへの道の一歩だったわけですね。
高村
今では、ガイナに入れてよかったと思いますね。
――
ガイナックスは、どこがよかったの。
高村
『エヴァンゲリオン』に関われたっていうのがまず、よかったですよね。当事者だったんで回りの反響がよく分からなかったんですけど。田舎に帰って「あの作品やってたよ」って言うと「おお、凄い」って言われましたしね。親にも「あの作品やった」って言うと、ちゃんと仕事してるんだと思ってもらえたし。そういう作品に関われたのはよかったです。
――
名前を最初に意識したのは『ミクロマン』26話での、女の子のお風呂シーンなんですけど。
高村
自分の仕事的にはよくなかったと思うんですけど。『ミクロマン』は自分は立ち入る隙がない。今石さんとか佐伯とかが作っている作品なんで、ほんと自分はお手伝いしたって感じで。
今石
あれは高村君のために作ったシーンだから。脚本では確か風呂入ってなかったと思う。だって、朝っぱらなのに風呂入ってる(笑)。
平松
朝の4時か5時くらいのはずなのに風呂に入ってる(笑)。
今石
そのぐらい、高村君の描いたお風呂シーンが見たかった。
高村
担当するんならあそこぐらいしかなかったもんね。メカはね、苦手なんですよ。立体を捉えるのに凄く苦労する。
今石
うん。メカは好きじゃないとね。
平松
(高村君は)自分の仕事に厳しいですよね。
高村
うーん。厳しいっつーかー。
佐藤
資料マニアなんだよね。
平松
凄い資料コレクションがあるというか、研究熱心。
錦織
メイド服の資料を凄く集めてるし。色んなこれは何に使うんだろう。
平松
趣味で集めてる。
錦織
趣味かなーっていう。
――
それは『まほろ』の時?
錦織
『まほろ』の時。メイド服じゃないコスプレも集めてるし。
高村
うーん。でも、そうしないと不安なんですよね。俺、なんかひとつの画にこだわっちゃうタイプなんですよ。だからとにかく手が遅いっすね。1枚描くのに凄い時間かかっちゃうんですよ。特に自然現象、爆発とか風とか波とかだと、もう分かんないじゃないですか。次の瞬間どうなるか。人間だと手を挙げる動作で自分でやってみりゃあ、こうなるのかって分かりますけど。うーん。もう火なんか描くの分かんないっす。だから、そういうの描ける人は羨ましいです。感覚で描いてるんでしょうけど。今石さんのラフとかを、パソコンに取り込んで色々研究はしてるんですけど。
――
原画を?
高村
ええ。原画をパソコンでムービーにして。本当に資料マニアのところがあって。わりと早い段階で『カレカノ』の版権を頼まれた時に、あの設定の服が本物だとどうなっているだろうって感じで、当時はまだパソコン持ってなかったんで、一所懸命あっちこっちの雑誌から切り抜いて切り抜いて、一所懸命一所懸命スカートの具合とかを調べて、本末が転倒し始めるくらいに資料集めてみてたりね。それは女の子の服だけじゃなくて男のシャツなんかも一所懸命一所懸命に見てですね。そうしないと描けないって言うのはまずいですね。別にシャツなんかちょっとくらい形変わってても気にはならないはずなんですけど、実際にあるものだから探してみないと、不安なんですよね。もし違ってたらと思うと。
――
高村さんの活躍のエピソードを。
平松
『カレカノ』の時に版権を描いてたじゃない。その時に自分の画を持ってる人だなと思った。だから早くキャラデやったらいいんじゃないかな、と思ったんです。
今石
俺の回とかだと高村君のよさを引き出せないんですよ。
高村
俺、今石さんと組むのは怖い。ほんと。
今石
お互い気が引けちゃうのね。一緒にやっても高村君が楽しくないなーっていうのが分かっちゃうから(笑)。
高村
俺が怖いと思うのは、多分迷惑かけちゃうと思うからね。あまりにも違いすぎるから。
今石
いや、でも『カレカノ』の頃から結構助かってるよ。ただ、多分高村君は楽しくないだろうなと思いつつ。
高村
楽しくないんじゃなくてね。ほんとね。心苦しいっていうか、迷惑描けてるんじゃないかなーってね。そういうのがあってね。
今石
助かってますよ。
――
……じゃあ、『まほろ』の話を。
今石
はい、そうですね。「これぞガイナだ」みたいなね。もの凄い美少女ぶりを。
平松
これは非常にいいキャスティングだった。
佐藤
『まほろまてぃっく』は、企画がきた時に山賀さんがふたつ返事でオッケーしたんですよ。その時の勝利条件のひとつが、社内にメイドさんものをかわいく描ける人がおるかどうかっという事だった。で、その事を山賀さんに訊かれた時に「おりますよ。死ぬ気でやる奴が1人おりますからそいつに任せます」と言って。その晩に高村のとこに行って「やる気ある?」と訊いたら「やる」と言ったんで、そのまますぐに企画がスタートしたんです。
――
ほう。
佐藤
レイアウト主義みたいな感じでガッチリ作るやり方も、『フリクリ』のようないわゆるアニメーターイズムを爆発させるやり方もあるんだけど、いわゆるオーソドックスなTVアニメの作り方の中で、キャラクターに重点を置いてドラマを作るという方向に、一回会社的にシフトしてみよう。その頃、一方で『アベノ』が動いていたから、AサイドBサイドみたいな感じで両立できるかな、というところでスタートしたんです。
――
『アベノ』の方がアニメーター主義だったわけですね。
佐藤
各話ごとに作監が好きにやってよい、という点ではそうですね。それは山賀さんと平松さんが出したコンセプトを僕らが重視したというのもあったんです。世界が毎回変わるけど、キャラクターがループして固まっている以上、そのキャラの芝居をどれだけ一所懸命描いてあげられるかだろう、というのもあった。で、『まほろ』の高村については、その段階では大抜擢ではあったわけだけど。キャラデザインが初めてとはいえ、やっぱり色んな作品を見てきたであろうという事で。
――
凄い濃いものを感じますけどね。
佐藤
そやね。業の深さみたいなものはあるね。それはさっきの資料マニア的なとこ以上のものであると思うけどね。
――
ちょっとエッチな事を聞いていいでしょうか。
佐藤
どうぞ。
――
胸が小さな女の子をあんなに素晴らしく描いた例は今までアニメでそんなにないと思うんですけど(笑)。
高村
実はアニメで胸を小さく描くつーのは、難しいんですよね。
――
ですね。今までセリフで「あたし、胸小さいから」と言いつつも、みんなホドホドだったじゃないですか。それこそ、あかねちゃんとかね。
高村
そうですね。『スレイヤーズ』のリナとかも。あれは結構、劇中でネタにしてるじゃないですか。
――
胸が小さいってね。
高村
でも画面で見ると。
――
立派ですよね。
高村
ええ。多分、あそこをボリューム出さないと、シルエットが綺麗にならないんでしょうね。だからアニメーターもそう描いちゃうんだと思うんですが。
――
その点、『まほろまてぃっく』は美意識高いなーと思って見ておりましたですよ。
高村
でも佐伯から、もうちょっと小さくしてくれという要望が。
平松
実は……大きいの好き?
高村
(わざとらしく)えっ? 今、大きいの好きかって聞きました。今?
一同
(笑)。
高村
(これまたわざとらしく)それは、聞く、聞くまでもないですっ!!
平松
いや、まあ知ってて振ってるんだけどね(苦笑)。彼はアイドル好きでもあるし。
今石
ああ、凄いですよね。
平松
貞本さんとアイドルトークできるのは、高村君と鶴巻さんくらい。
高村
俺なんか全然ダメですよ。貞本さんには、鶴巻さんと佐藤さんしか太刀打ちできないですよ。
――
平松さん、高村さんについてもう少しいかがですか。
平松
うーん。わりと自分とフィールドの違う人なんです。それが『カレカノ』やってる間に分かって。さっきも言ったように、キャラクターデザインでブレイクできる人だと、その時から感じてて。で、『まほろ』がきて、「これでよし」って感じはあった。
高村
でも、凄い危機感を感じてますよ。巧い新人がいっぱいいて、自分のポジションはこれからどうなっていくのか。不安をひしひしと感じてますよ。また、『まほろ』みたいな作品があればいいでしょうけど。まあそんなに都合よくもいかないですよ。
佐藤
まあ、会社的には振り幅をもってやっていきたいと思うんですよ。たとえば、レイアウト主義とか動き主義みたいな感じのものばかりになって、ハイエンドな方向なんかに行ってしまうと、ついていけない人のプレッシャーみたいなものがあるわけです。それとは別に、いわゆるキャラクター主義のアニメって、別のニーズとしてあるわけで。その両者があった方がいい。その両方を微妙にブレンドさせて作っていきたいと思うわけです。
高村
うーん。そうですね。幸いキャラクターに需要があるので、自分的にはそこに集中した方がいいかなと、思っています。
佐藤
当然だけど、キャラクターには、ドラマや動きが必要なんだよね。だからキャラクター主義のものでも、アニメとして成り立ってる。そうでなきゃ、イラストだけで済んでしまうわけやから。そこらへんはあんまり卑下しなくてもいいと思うけどな(笑)。
――
最後にもう一言。
高村
一言ですか。ガイナは巧い人が多いんで、ほんと感化されます。感化して自分を高められるんで、本当に環境はいいと思います。いいところです。新人も巧くなってきて、それを見て、ああ、自分も巧くならなくちゃいけないなって感じます。ガイナはいいところです(笑)。
PROFILE
芳垣祐介(YOSHIGAKI YUSUKE)
1973年11月17日生まれ。神奈川出身。代々木アニメーション学院卒。血液型A型。『彼氏彼女の事情』『フリクリ』『アベノ橋魔法☆商店街』『まほろまてぃっく automatic Maiden』等に原画で参加。他社作品では、『Hellsing』『ロスト*ユニバース』『小さな巨人 ミクロマン』等に参加。
――
次がアニメーターの芳垣さんですね。
平松
彼は今石君以上に分からない事をするんです。これ(版権[
ガイナックスHP トップページイラスト
])も、自分では絶対に思いつかない画だから。ここまではっちゃけて描けるのは凄いなと思って、俺は非常に気に入っている人です。
今石
彼は同期なんです。動画も一緒にやったし、初原画をやったのも一緒だった。そういう意味でいちばん、同級生感が強いんです。本当の同期で残っているのは芳垣だけだから。佐伯君とか高村君は微妙にずれているから。それだけ付き合いが長いと、趣味もよく分かっている。僕のやって欲しい事を全部分かってくれる。
平松
ああ、なるほど。
今石
非常に助かってますね。コンテ描いている時から、「ああ、ここ芳垣に」って、初めっから決めるし。
――
具体的にはどんなとこなんですか?
今石
そうですね……。『アベノ橋』3話ではいちばん最初の、ムキーっとか言って怒っているところ。『フリクリ』では、5話の冒頭からサブタイトルまで。最初のつかみのところをいつも頼むんですよ。
平松
『アベノ』の1話の時はラストですよね。いちばん分からなくしたかったので、彼に振ったんですよ。
今石
ああ、じゃあ大正解ですよね(笑)。
平松
そう。どういう風になるのか、絵コンテをやっててもあまり見えてなかった。とにかく、2話につながるような、1話の流れからすると違和感のある、ドタバタのアクションにしたかった。
――
アクションって、商店街が崩れていくところ?
佐藤
ぐわーっと走るところもそうだよね。オープニングで2回利用されてる。
平松
ギャーッて走り始めるところから、いちばん最後まで。
――
激しいところが得意なんですね。
今石
そう。しかもわりとプラスアルファをしてくれるんですよね。自分の動きの世界観があるから。と言うか、画が巧いんですよ。当たり前の事なんだけど、入社試験の時に持ってくる画とかがメチャメチャ巧いんですよ。いちばん巧かったんですよ、画が。
平松
へえ。それは見てないなあ。
今石
それがあるから、非常に安心なんですよ。
佐藤
さっきから本人は全然喋ってないじゃない。
今石
芳垣は他人が誉めると、凄い嫌がるんです。
佐藤
黙ってるねえ。
平松
1話の時も、誉めてるのにどんどん畏縮していっちゃう。「よかったよ」って言ってるのに、「なんか俺、1人だけ別で恥ずかしい」とか言って。俺が狙いを定めて振ったのが、悪いような気になってきて。
佐藤
芳垣ちゃんは、アニメの専門学校から直できたん?
芳垣
そうです。代々木です。
――
アニメーターを志したきっかけはなんだったんですか。
芳垣
いや、お金になるって聞いたんですよ。
一同
(爆笑)。
佐藤
それは騙されてる(笑)。
芳垣
高校を卒業してから予備校に通って、大学に行こうとしたんですよ。で、予備校でついていけない友達同士で話ししてて、何がいちばん儲かるんだろうという話をした時に「アニメーターって、ポスター1枚描くだけで1ヶ月生活できるんだよ」みたいな事を言われて、そういう商売なのかなと思って。代々木に入ったら、すぐに違っていたって分かりましたね(笑)。
――
画は好きだったの?
芳垣
そうですね。ただ、ちゃんと描いたのは代々木に入ってから。
平松
中学とか高校の時に、落書きしたり、パラパラマンガしたりとか、そういうのは。
芳垣
できる環境じゃあなかった。工業高校なんで。怖いにいちゃんが一杯いる学校なんで。画描くとか思いつかなかった。
平松
アニメは好きだったの?
芳垣
そうですね。なんか、ぼちぼち見てましたけど。普通な感じで見てました。毎週見なきゃあとか、そういうのではなかった。つけたらやってるみたいな。
平松
さっきから言っている「コマ送り系」ではなかった。
芳垣
ガイナに入ってから、そういう風になりましたね。
平松
(今石さんを指して)この人のせいだ。
芳垣
ええ。
今石
だって、入った時にいちばん画が巧かった奴なのに。『トップをねらえ!』も『ナディア』も観た事ないって言うんですよ。こっちは10年、そういうのばっかり見て、やっと入ってきたのに。「くそっ」とか思って、色々とビデオを貸して(笑)。
佐藤
「ダメにしてやる!」みたいな(笑)。
平松
なるほど。
佐藤
じゃあ、芳垣ちゃんの一種独特のあの感じっていうのは、そういう育ちの違いみたいなところから出ているのかもしれないね。
――
アニメずれ、してないんですね。
平松
うん。すれてない。
――
じゃあ、ガイナに入ってから影響を受けたとか、刺激を受けたとかっていうのは?
芳垣
うーん。と言うか、周りの人がみんな巧いんで、なんか誰を目指そうとかっていうよりも、「巧くならないと」と思って、ずっとキリキリやってました。
平松
本当に? とてもそうは思えない。なんか、自由奔放にやっているなあ、という感じがしてたけど。
芳垣
いや、そんな事は。
平松
そんな事はないの?
芳垣
頑張ってますよ、ちゃんと。
平松
いやまあ、頑張ってるんだろうけど(苦笑)。
佐藤
すぐそばに、吉成(曜)とか座ってるよね。彼のようなマニア的と言うか、ああいうアニメの国からやってきたアニメの人を見てると、やっぱりプレッシャーみたいなの感じるわけ?
芳垣
うーん、なんかとりあえず、もっと巧くなんないと話しかけてはいけないような(笑)気がして。
今石
それはあるよね(笑)。ちゃんと仕事をしてからでないと、先輩は口をきいてくれない。そういう思い込み。
佐藤
アニメの業界の流行の画ってあるじゃないですか。ああいうのを見て、これはええわいとか思ったのは、会社に入ってからなの? 大友さんの漫画とか見てなかったの?
芳垣
そうですね。大友克洋の漫画は、顔が怖いから見なかった。今石さんが『AKIRA』の話をしていて、じゃあ買ってみようかって、古本屋で買って集めて。
佐藤
それまでいわゆる画の勉強をしていた時は、漫画の画は全然見ていなかった?
芳垣
そうですね。スケッチは結構やってましたけど。
今石
スケッチは好きだよね。なんでもないものをスケッチする。
平松
落書きもね、別にかわいい女の子を描くわけでもなくて、わりと謎な画を描いている。
芳垣
かわいい女の子が描けないんです。
一同
(笑)。
芳垣
描けりゃあ、描きますよ。ちゃんと。
今石
拗ねてる(笑)。
平松
そんな怒んなくてもいいのに(汗)。
佐藤
今石コレクションから「これを見たまえー」みたいな感じでビデオが回ってくるって話だけど。その中で、これおもろいわーと思ったのに動きとか影響されてるの?
平松
どこから出てきてるのか分からない動きを描くからね。
芳垣
そうなの?(笑)
今石
僕は、同年輩の人なら、大抵画を見ると誰と誰と誰が好きって分かるんだけど、でも芳垣の動きは、それがあんまり分かんない。
佐藤
マッキー(鶴巻和哉)が、前に凄くホメていたよね。彼がいちばん個性があるって。
今石
そういうのがうらやましいんですよ。僕は全部サンプリングでしかないんだけど、芳垣はそういうのがなくても、何か出てくるものがあるような気がして。
芳垣
なんで今日はホメられてるんだろう……。
一同
(笑)。
平松
マッキーさんが『フリクリ』で着替えるのを凄く誉めてたよね。俺も好きだけど。2話のレントゲンのやつね。
今石
ああ、ハル子の着替えね。
芳垣
見えなかったですよ。
今石
ああ、着替えのシーンは白くトバしちゃったから。画面処理で見えなくなっちゃった。
平松
そうか、描いた本人としちゃ、そういう不満があるんだ。
今石
見えるか見えないのかぐらいになっちゃってるから。
平松
もともと原画の密度が高いから、それは伝わってくる。
今石
表情がいいんですよね、芳垣の原画は、表情が面白い。
平松
可愛い女の子には興味がない?
芳垣
ありますよ。
平松
あるの?(笑)
芳垣
描けりゃそれに越した事はないですけれど。
平松
情熱がそれが向かないの?
芳垣
いや。表情が上手い具合に可愛くならないんですよ。
佐藤
頭で思ってるものに近づかないって事?
芳垣
そうですね。明確なイメージは別にないんですけど、ただ、できあがったものを見ると、「気持ち悪っ」とか思って(笑)。
今石
それはやっぱり、既存の作品のキャラ表どおりの可愛さで描けって言われたら描けないっていう事だけだと思うよ。
平松
趣味の問題。
今石
芳垣の画で描けば可愛い娘が描けるよ。
芳垣
でもキャラ表に合わせて可愛く描く事が必要な商売じゃないの。
今石
いや、そうだけどさ。だから可愛い娘が描けないわけじゃないじゃん。『ミクロマン』の39話では、自分でキャラ表作って描いていたじゃない(冒頭に麻美と一緒に登場する、2人の同級生の女の子の事)。そういうわりと自由な環境で描けば、素で普通にかわいい子が描けるんだよ。過剰に可愛い子を描けって言われたら困ると思うんだけど。
佐藤
過剰って、ゲームキャラみたいなやつ?
今石
そうそう。ゲームキャラみたいなやつ。
平松
自分なりの可愛さ。「これ」っていうのがある、っていうね。
今石
そういうのを素で「フッ」て出すと結構いいっすよ。
平松
今後の課題はそこか……違うか(笑)。
芳垣
そこだと思いますよ。
平松
(先ほどの版権イラストを見つつ)でも、こういうのも好きなんだけどな。
今石
そう。こういうのが巧い。
――
とぼけたかんじ?
平松
まあなんて言うのかな、キャラクターよりも状況の面白さと言うか。いわゆる版権的な一枚画にはあまり興味がないのかもしれないけれども。
芳垣
そういう事はないですけれどね(笑)。
平松
だったら、そういうのも、やってみるべよ(笑)。
佐藤
(版権的なものを)頼むと、彼がシチュエーションとか動きとかポーズとかを、いかに面白く見えるように描くかという事を、いつも考えてるというのが分かる。言ったとおりはやらなくて、必ず「こうした方が俺はおもろいと思うから」というのを加えてくるというか。
今石
必ずプラスアルファがある。
佐藤
そうね。アイデアが入っているというか。ああ、なるほどなあ、というのが必ずある。横長のレイアウトでやってくれと言うと、横長のレイアウトで面白いキャラのバランスになったりとかしている。特に『フリクリ』では、そういうのが面白かったなあと。
平松
彼の場合は、程度を操作するのではなくて、着想を与える、というのを常にやってるんだよね。
佐藤
やっぱり、新しい事にチャレンジしたりするより、自分でいろいろアイデアを描き足していけるようなのが、楽しいというか。そういうのがあるのかな?
芳垣
と言うか、そういう風に言われて、期待を持たされると凄い困るんですよ(笑)。
今石
ほどほどの制約の中で、ほどほどに自由にか。
芳垣
普通に仕事が回ってくれば、なんか。
今石
普通に回ってきて、普通にキャラ表どおり描きなさいと言われたら、怒るじゃん。
一同
(笑)。
PROFILE
佐伯昭志(SAEKI SHOUJI)
1971年12月17日生まれ。神奈川県出身。帝京大卒。血液型AB型。学生時代に自主制作アニメ『運び屋マキちゃん』を手がける。アニメーターとして活動し、後に演出家に。本格的な演出デビューが『彼氏彼女の事情』。以降、『まほろまてぃっく automatic Maiden』『フリクリ』『ぷちぷり*ユーシィ』に絵コンテ、演出として参加。ガイナックス以外の参加作品に『小さな巨人 ミクロマン』『ぱにょ ぱにょ デ・ジ・キャラット』等がある。
――
今回は若手アニメーター特集ですが、最後はアニメーターじゃなくて。
佐藤
え、アニメーター……やめちゃったん?
佐伯
どさくさまぎれにやってます。
佐藤
あ、どさくさでやってんの。
佐伯
人のはやらないで、自分の演出の時にやるようにしてます。
佐藤
彼には『まほろまてぃっく』の第2シリーズ(「〜もっと美しいもの〜」)から副監督という形で参加してもらっています。まあ、古代君みたいなもんですかね。
今石
艦長代理ですか。
佐藤
そうそう。代理と言いながら勝手に波動砲撃ったりとか、勝手にワープしたりとか、勢いがある(笑)。
――
今石さんの方から紹介をお願いします。
今石
僕が紹介ですか。佐伯君と言えば、やっぱり『運び屋マキちゃん』に尽きるというか。
――
ああ、自主制作の名作ですね。
今石
自主制作の名作です。これを作った人間っていうのは凄いなと思いましたね。自分も自主制作はやっていたけど、彼のは全然違っていて。自分で声優の卵をちゃんと連れてきて、資金繰りまでして、しかもあれ、黒字なんだよ。コミケで売って、ムック本まで自分で作って(笑)。そこまでやるか。
佐藤
1人ガイナ状態だね。
今石
そう。1人ガイナ状態ですね。原画も1人で描いてたらしいし。それをやった男というのは凄いな。自分でマーケット開拓までやってる。それは恐ろしい。
平松
それは凄いね。
佐伯
ただマニアがやっているという事じゃない(笑)。今も同じですよね、やってるのは。
平松
『マキちゃん』はね。スタジオで何回、ビデオが回ったか分かんないよね。
今石
ああ、テープがガイナにきた時ですね。
平松
そうそう。スタジオで再生していると途中から観た人が「今の何?」と訊いて、また戻しては頭から観て「あはあは」と言いながら観る。それを別の人が途中から観て、また頭から観て、というのを順番にやってて。
佐伯
そんなに大したもんじゃないじゃないですか(苦笑)。
――
在学中から演出家になりたかったんですか。
佐伯
うーん。まあ、話に興味はありましたよね。『マキちゃん』に関しては、普通のTVアニメっぽいのができちゃって、できあがった後で「あれっ」と思ったんです。もうちょっと素人っぽいというか、自由にやってもいいんじゃないのと思ったんです。今石さんが作ってたのを見て、逆にこういうのがあるんだというのがショックでした。
今石
俺は『運び屋マキちゃん』みたいな、TVアニメみたいなのを作りたかったんだ。それができないから、ペーパーだとか、写真とかに逃げただけだから。
佐伯
いや、でも。
今石
逆なんだよ。
佐伯
さっきの話に戻すと。業界入った先輩とかから情報収集すると、いきなり演出で入るっていうのもなくはないんだけど、最初は制作進行とか、あとはアニメーターから演出になる場合が多いと聞いてて。画も興味あったし、画が描けた方が多分強いんだろうなと思って、じゃあ、アニメーターからやってみよう。そう思って、ガイナックスの前に、一度ジーベックを受けたんですよ。その時、机がないという理由でアニメーターじゃないけど演助でどうだ、と言われて。でも、やっぱり画から入りたかったので。
平松
画を描く方にも色気があった?
佐伯
ああ、ありましたね。中途半端になりがちなんですけれども、あれもやりたいこれもやりたいというのが結構ありましたね。画がだめならシナリオでもいいし、背景でもいいなと思っていました。
――
初演出は何になるんですか。
佐伯
演出自体は『カレカノ』の8話。8話も安藤(健)さんに技術的なアドバイスをしてもらいながらでしたけど。
平松
1話でAパートのコンテを描いてるよね。
佐藤
あれは庵野さんからの指名だったの? それとも「俺にやらせろー!」みたいに自分から志願したん?
佐伯
一応入る時、面接の段階で「演出でやりたい」って言ってたんですよ。
佐藤
ああ、そうなん。
佐伯
『カレカノ』の1話は、今石さんと一緒に振られたんだよね。
今石
だって、最初に「やりたいやつは立候補しろ」みたいなノリだったじゃん。
佐伯
うん。なんかやりたいやつは、やっていいみたいな。それで、じゃあ、やらせて下さいと。鶴巻さんに、日頃から「やりたいやりたい」と言ってれば、そういう道も開きやすいからって言われていて。
――
話を聞くと、鶴巻さん偉いね。随分若い人の面倒を見てる。
今石
みんな、鶴巻さんにはお世話になってますよ。
平松
コンテはそれがデビュー?
佐伯
コンテは前の『アキハバラ 電脳組』で、鶴巻さんと一緒にやっています。
――
俺は演出としてやっていけてるぜ、と思うようになったのは、いつぐらいからなんですか。
佐伯
『カレカノ』はまだよく分かんなかったですね。『ミクロマン』もなんかごたごた作っていたから。あれは、みんなでわーっと作ったものだから、どこら辺が自分の力なのかよく分からないし。『まほろ』で、もうちょっとやってみても大丈夫かなと、ちょっとは思いましたけどね。まだ確信みたいなのはないですね、。
今石
やっぱり『まほろ』なのかね。純正佐伯節は。
佐伯
分かんないけど(笑)。
――
『まほろ』ではご自身ではどこらへんに力を入れてる?
佐伯
自分は、ちょっとシナリオに内容を足したりして、やらしてもらってます。できるだけ普通にしたいとは思っているんです。あまりマニア対象にはしてない。普通にTVをつけた人が、その作品に興味がなかったとしても、その時間はTVの前にいてくれたらいいなあとは思うんです。まあ、そう言いつつも、お金をもらって土俵を用意してもらってやる以上は、外したものは作っちゃいけない。外さない範囲内で、ちょっと観る人の幅を広げたいというか、そういう思いで作っています。
佐藤
学生時代に演出家になりたいと思った時に、どんな演出家になりたかったの。出崎(統)さんみたいな作品を作りたい、とか。
佐伯
大学の時に、業界を見渡して「いいな」と思ったのは佐藤順一さん。『(美少女戦士)セーラームーン』とかの、あれだけつかみをするのは凄いなと思いました。幼稚園児から大人まで、つかむじゃないですか。
――
ああ、見ている人のハートを。
佐伯
あれがアニメの理想のひとつでは、と思うんです。
――
じゃあ、わりとメジャー指向なんだ。
佐伯
なんだろ。自分が目立ちたいというよりは、みんなが見て、面白いと思ってくれるといいなと思うんです。正直言って、個人的にはビデオとか買ってもらわなくてもいいんですけど……いや(笑)。
今石
結果としてほんとに面白いものになっていれば、買ってくれるわけですから。
佐伯
先に売りとかを持ってきちゃうよりは、なんかそういう。
平松
全くそのとおりです。
一同
(笑)。
――
あ、てんちょさんが、何か言いたそうだ。
佐藤
いや、別に(笑)。
平松
演出スタイルとしては、やっぱりキャラの心情をきちんと追っかけて描きたい、そういうタイプ?
佐伯
うーん。でも、あんまり計算ずくでやるのは得意じゃないんですけども。
平松
計算というのとは違うと思うけどね。でも、そこをいちばん注意するでしょ。
佐伯
思いついた事をポンポンとハメていって、ある程度いったところで(演出的な)ラインみたいなものがつながる時があるんです。それができた時は「やった」と思いますね。
平松
例えば?
佐伯
いや、具体的には思い出せない(笑)。まだ自分の仕事について、確信になるものはないんです。ダメだったらやめてさっさと違う職種にでもつこうと思うんですけど。でも、やってれば、もうちょっとなんとかなるんじゃないかな、というのがあるのでやめられない。
今石
『ミクロマン』の39話で芳垣がやったシーン(前述の麻美と同級生の登校シーン)。あれってシナリオにないのを足してるじゃない。あのへんに佐伯君っぽさがあるかな。子供達の日常とかそういう普通の描写をちゃんと入れて、なおかつ戦闘シーンもがっちり描くっていう。そういうバランスがちゃんととれてるから。
佐伯
多分欲張りだからだと思うんですけど。
平松
まあ、欲張っていられるから、やれるっていうのもあるよ。
――
今後、どんな仕事をしていきたいとか。
佐伯
『運び屋マキちゃん』やってた時もそうなんですけど、正直言って確固としたものがないんですよ。そこらへんは自覚してるんです。だからアニメ業界に入ったっていうのがあるかもしれないです。
――
というと?
佐伯
自分で「これっ」というのがあるんだったら、漫画とかを描いたんじゃないかなと思います。まあ、そうではない人もいるとは思うんですが。
平松
実写には行かないの?
佐伯
あ、行かなかったですね。
平松
そういう意味では、やっぱり画が好き。
佐伯
うーん。やっぱり根がおたくだというところから来ているんでしょうね。この業界入って『マシンロボ(クロノスの大逆襲)』の話が通じたのは、今石さんが初めてでしたよ。
平松
世代的に、という事?
――
いや、『マシンロボ』は同世代でも語る人は少数派でしょ。
今石
うん。同じ世代でも語れる人と語れない人がいるから。
佐伯
それで、話が通じると思った。
今石
ケイブンシャの大百科を持っててね。
佐伯
そうそう。
今石
自分以外で、『マシンロボ』の大百科を持ってるやつを初めて見た。
佐伯
今石さんはちょっとね。なんか底知れないところがあるというか。
今石
いやいや。
――
今日分かった事があった。ガイナックスにも、ちゃんと普通の人もいるんだ。
今石
なんですか、それ。
佐藤
普通の人? 芳垣君とか、柴田君とか?
今石
錦織みたいにちゃんと考えてる人もいます。頭の悪い人ばかりじゃあないんですから(笑)。
――
いや、誰もそんな事は言ってない(笑)。
佐藤
本能でやってるばかりじゃあなかったんだと。本能でやってるばかりじゃあなくて、ロジックがちゃんとある奴もおるんだなあ、と。
――
そうそう。
佐伯
へえ。錦織はちゃんとしていました?
今石
錦織はインテリぶりを発揮していたよ。
佐伯
へえ。インテリなんだ、あいつ。
平松
そう、ちゃんとしたインタビューになってたよ。
今石
もう喋る内容を用意していたからね。「アニメとは」みたいな(笑)。
佐藤
じゃあ、まあ、今日はそんなところで。
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