東京都が主催するという事で話題を呼んだ東京国際アニメフェアも今年で3回目。有明の東京ビッグサイトにて、25日から28日にかけて開催され、盛況のままに無事終了した。
公的機関による国内最大規模のアニメイベントとはいえ、これまでの2回は、入れ物の大きさに比べて、今ひとつ中身が伴わないとの感が否めなかった。今年は内容的にも充実、3年目にしてようやく軌道に乗ったようだ。
特に目を引いたのが、この日を照準とした新作発表やプロモーションだ。東映アニメーションの『Re:キューティーハニー』を始め、各社ともこの日に合わせて情報を公開するといった積極的な情報発信が目立ち、実にビジネス見本市らしい展開を見せた。また、『STEAMBOY』と『レジェンズ 甦る竜王伝説』は作品単独のブースを出展し、特設シアターで最新映像を上映する強力なプロモーションを展開、一般公開日には多くの客足を集めていた。
会場を歩いてみて印象的だったのは、東映ブースで上映されていた『大空魔竜ガイキング NEO』のパイロットフィルム。これは往年のロボットアニメ『大空魔竜ガイキング』のメカデザインを使用した新作であり、キャラクターや世界観は旧作と全く違うものであるようだ。キャラクターデザインと作画監督は中鶴勝祥、メカ作監は大塚健。日本アニメーションは、なかむらたかしの新作『FANTASTIC
CHILDREN』を発表。ゆめ太カンパニーは『アニメーションの制作進行くるみちゃん2』の原画を展示しており、カットのセレクションがよく、なかなかの見応えだった。Production I.Gのブースには、今回も手にとってめくって見られる複製原画、複製動画が置かれていた。内容は『DEAD LEAVES』、『キル・ビル Vol.1』などの4作品。
アニメアワードも、レセプションホールを使用し、プレゼンターにも趣向を懲らすなど、これまでになくショーアップが図られ、華やかさを増していた。受賞者多忙のため代理人が受け取るといったケースが多いのは気になったが、これはこのイベントの価値を高めていく事で改善されるだろう。壇上に登った受賞者の中では、脚本賞受賞者の會川昇のコメントが印象に残った。“日本のアニメの国際化は周知の事となったが、こと脚本についてはまだまだそうはなってない”といくつか例を挙げ、“これを励みに国際化に向けて頑張りたい”と結び、脚本家の矜持を見せた。
また、公募部門では、今年も韓国勢の躍進が目立った。中でも大賞を射止めた『Africa a.F.r.l.c.A』は、会場で少し流れた映像からも、重厚な雰囲気の意欲作であることは十分うかがい知れた。国内の制作者の奮起も期待したい。その他、詳しい受賞者は下記サイトを参照してほしい。
総じて、各社がアニメフェアをうまく利用する方法をつかみ始めている印象を受けた。来年以降、見本市としてさらなる充実を果たす事が望めるだろう。
●関連サイト
東京国際アニメフェア2004
http://www.taf.metro.tokyo.jp/
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