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速報! 『MINDGAME』
 完成披露試写会&記者会見レポート

 4月22日、都内・銀座ガスホールにて湯浅政明監督作品『MINDGAME』の完成披露試写会が催された。STUDIO 4℃による最新劇場作品であり、『クレヨンしんちゃん』等の作品でアニメーターやデザイナーとして活躍してきた湯浅政明が初めて長編作品の監督を手掛けた話題作である。原作はロビン西による知る人ぞ知るカルトコミック「MIND GAME」。初恋の人・みょんちゃんの目の前で無様な死を遂げた青年・西は、神にも刃向かう執念でこの世に舞い戻り、「何よりも力強くのびのびと全力で生きてみせる!」と誓ってハチャメチャな冒険を繰り広げる! 破天荒なストーリーと表情豊かなキャラクター、秀逸なギャグと情感に溢れ、全編に湯浅ビジュアルが炸裂しまくる最高にぶっ飛んだ傑作だ。音楽を山本精一が務め、さらに音楽プロデューサーとして『カウボーイビバップ』の渡辺信一郎が参加。吉本興業の人気タレントを配したキャスティングも話題の一つである。今夏、渋谷・シネクイントほかにてロードショー公開も決定。
 上映に先立って、監督とキャストを招いての舞台挨拶が行われた。登壇したのは湯浅政明監督、今田耕司(主人公・西役)、山口智充(リョウ役)、前田沙耶香(ヒロイン・みょん役)、たくませいこ(みょんの姉・ヤン役)、そして漫才コンビの2丁拳銃(ラジオの声)。湯浅監督は終始にこやかな表情で、飄々とした口調ながら堂々と作品に対する自信を語った。そして今田耕司を始め、出演者たちが軽妙なトークで会場を盛り上げ、作品に相応しいにぎやかで楽しい舞台挨拶となった。

湯浅「いい作品になったと思います。ベストキャスティングで、いい音楽で、いい原作があって。楽しんでほしいなと思います」

今田「声を入れてる時はなにぶん仕上がりが分からなかったんですけど、昨日ビデオを観せてもらいまして、びっくりしました。こんなに凄い作品に出していただいてるという実感がなかったもので、もうちょっと監督さんにちゃんと挨拶しとったらよかったと思うぐらい(笑)。カーチェイスのシーンなんかも凄い迫力で、これから御覧になられる皆さんにも楽しんでいただけるという自信があります」

山口「僕は2日前にイマジカの試写室で、映像も音も完璧な状態で楽しまさせていただきました。感じた事はもの凄いいっぱいあってですね、まあそれは後日発表したいと思うんですけど(笑)。僕も出来上がりを観て、まず感動しました。ホンットに!」

前田「ヒロインの女の子役の、みょんです。あれ? 違う、みょん役をやらせていただいた前田沙耶香です!(笑)。私がこの作品を観て感じた事は、すごくテーマが深いなって。人生の可能性は無限大なんだっていう事が伝わってきたような気がして、私も頑張ろうって思いました」

たくま「お姉ちゃんのヤン役の声をさせていただきました、たくませいこと申します。私もおとついイマジカで見させてもらったんですけど、すっごいスピード感があったり、すっごいカラフルだったり、びっくりさせられるシーンがいっぱいあるんで、皆さん心して観てくれたらなと思います。感動するセリフも多いですし、じんて来るシーンもいっぱいあります。多くの人に観ていただけたらな、と思います」

 2丁拳銃の2人は、映画本編の中ではラジオから流れる声のみの出演だが、森本晃司が監督を務めたメイキング+ミュージッククリップDVD「MINDGAME REMIX」では、メイキング部分のレポーターを担当。そもそも、STUDIO 4℃で最も早い段階から原作「MIND GAME」に熱狂していたのが森本晃司であり、『音響生命体ノイズマン』制作時に原作を湯浅政明に見せたのも彼だった。このDVDは映画の公開に先駆け、6月25日にリリースされる。

今田「そっちや、僕が最初に観たの(笑)。マネージャーの手違いで本編じゃなくてメイキングのビデオ渡されて、『主役、2丁拳銃やんけ!』と思って(笑)」

2丁拳銃・小堀「スタッフの方が冒険というか、いろんなところで遊んではるのがイイ感じで出てるって思ったんで、それが羨ましいというか、良かったですハイ」


 役者陣の好演は、映画『MINDGAME』の大きな見どころの一つ。湯浅監督の演技指導はどうだったのだろうか?

今田「アフレコでは『もっとこうして! ああして!』とか厳しく怒られる事もなく、ブースの中でひとりぼっちやったんで、『これ絶対、外でオレの悪口言うてるやろな』って(笑)」

湯浅「あのねえ、皆さんもの凄く上手くてびっくりしたんですよ。(アニメのアフレコは)あまり経験のない方が多かったんだけど、『あれっ? こんなにできるのかあ』って簡単にオッケー出しちゃったんです。後で『(役者さんは)物足りなかったらしい』的な事を聞いて、『言えばもっとできたのかなあ?』とか思って。最初っから上手かったですよね」

今田「ま、そこは正直、これでいっぱいいっぱいです(笑)。現時点での限界は行きました。上へ行けるように頑張りたいですが(笑)」

 2Dと3Dと実写が融合した斬新な映像表現についても話題は及んだ。特に、アニメのキャラクターの顔がいきなり実写の俳優の顔になるシーンは、観る者に強烈なインパクトと意表を突く笑いをもたらす。

山口「実写で顔を撮る時には、こういう風になりますっていう説明はなくて、とりあえず『こんな顔をください』みたいな(笑)。だから仕上がりは分からなかったですね」

今田「監督だけには見えてるんやろなって思いながら」

湯浅「すいません、説明が足りなくて(笑)。でも全然それで欲しい映像は撮れたので」

山口「リアルに顔が出ると、今までアニメの中に入っていたお客さんが一瞬冷めるんじゃないかな? っていう不安があったんですよ。でも映画を観たら不安もいっぺんに解消されたというか。もっと出さしてもらってもよかったかな、と(笑)」

前田「実際どういう風に仕上がるんだろうとか思ったりして、完成したものを観てみたら、『あっ、こんなに自然に仕上がるもんなんや!』って感動してしまうくらい、凄いアーティスティックな作品やと思います」

今田「今まで観た事のない感じの映像になってますから、予想ですけども多分『イノセンス』よりヒットするんじゃ……?(歓声)」

 最後に監督たちから、作品に対する自負と、これから映画を観る観客に向けてのメッセージが語られた。

山口「堂々と世界に出せる作品だと思います。スケールのでかさと、日本の温かい昭和のイメージも入ってますし、たくさんの方で作った温かさがそのまま作品に表れていますから」

今田「現場も楽しかったし、監督にも褒めていただいたし、またぜひやりたいですねえ。アニメに限らず、今公開してる映画は全部ライバルというか。『一番面白かった』と言われたいです、というか言われる作品だと思います!」

湯浅「原作もいいし音楽もいいし、キャスティングも言ってみたら全部実現してしまって、『これで面白くなかったらどうしよう?』って思ったんですけど、予定通りに面白い映画になったんで、僕も安心してます。『MINDGAME』っていうタイトル通り、この映画は西君の心の旅だと思うんです。彼と一緒に旅するような感じで、西君の気持ちによって風景も変わってくるような、そういう映画にしてみたつもりです。といっても娯楽映画なんで、普通に楽しんでもらえれば。笑えそうなところは笑って観ていただければいいな、って思います」

 映画の上映中は随所で笑いが起き、反応は上々。上映が終了すると会場からは自然と拍手がわきあがり、ロビーに出てきた人々の表情には軒並み興奮の色が浮かんでいた。ファンは安心して夏の公開を待とう! その前に6月27日(日)のアニメスタイルイベント「湯浅政明特集」に集合だ!

●関連サイト
『MINDGAME』公式HP
http://www.mindgame.jp/

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