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■BOOK
REVIEW
「芝山 努と映画ドラえもん
『のび太とロボット王国』の世界」 |
芝山努は、若い読者には『ドラえもん』『ちびまる子ちゃん』『忍たま乱太郎』等の監督としてお馴染みだろう。かつてはアニメーターとして活躍しており、『ど根性ガエル』等の作品で見せた動きのキレのよさ、レイアウトの巧さは「名人」という言葉に相応しいものだった。ちょっと話はわき道にそれるが、以前、『元祖天才バカボン』で彼が描いたキャラクターの各話設定を見る機会があった。実に素晴らしかったのだよ、これが。シンプルだがアジがあり、そして、遊び心がたっぷり。要するに、巧い。ひと目見ただけで、あんなに「巧い」と思える設定も珍しい。
今回紹介するのは、その芝山努の手による、劇場『ドラえもん のび太とロボット王国(キングダム)』の絵コンテを中心としたアニメムックだ。といっても、通常の絵コンテブックとはかなり作りが違っており、絵コンテの画の部分のみを抜粋し、ビジュアルブックとして構成されている。そのため制作資料としての情報量は低いのだが、この本の目的はそこにあるわけではない。目的は「芝山努の画をたっぷりと見せる」事にあるのだ。彼の緻密に描き込まれたコンテの画の中から、よいものをチョイスし、大き目のサイズで掲載している。実に「わかっている」作りである。本の前半には絵コンテの画が掲載され、イメージボードやインタビューをはさみ、後半はもしも劇場『ドラえもん』が実写だったら、という設定で彼が描き下ろした「映画ドラえもん・製作ノート」。
監督業が主になってしまったため、最近では滅多に見る機会のない彼の画をまとめて見る事ができる一冊だ。アニメーター時代の画の巧さが健在である事を再確認する事もできる。本書の構成は、これも傑作だったムック『映画ドラえもん 感動名作選』等も手がけた、熊澤淳である(黒)
●商品データ
「芝山 努と映画ドラえもん『のび太とロボット王国』の世界」/小学館/定価2300円(税別)
●関連サイト
小学館
http://www.shogakukan.co.jp/
芝山 努と映画ドラえもん『のび太とロボット王国』の世界(小学館内)
http://www.shogakukan.co.jp/sibayama/
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