変なタイトルのコラムが始まった。タイトルについては気にしないでほしい。書いている自分だって、おかしなタイトルだと思っている。
アニメ様というのは、俺のニックネームだ。いくらなんでも一人称が「俺」なのは、あんまりか。アニメ様は、ワシのあだ名じゃよ。いかん、これじゃあ、『セーラームーン』研究家のクマさんだ。10年くらい前に、そんな名前で仕事をしていたのだ。ちょっと柔らかい感じだけど、今回は「僕」でいこう。
このニックネームについての説明は、ちょっと長くなるので省略する。いつか説明する機会があるかもしれないが、少なくとも自分の事を偉いと思って「様」を付けているわけではない。そんな風に勘違いする人は滅多にいないと思うが、念のために言っておく。
このコラムのタイトルを「アニメ様の〜」にタイトルにしたのは、他の原稿と、ちょっと書き方を変えてみようかと思ったからだ。書いているうちに、いつものノリになってしまうかもしれないが。あまり堅く考えないで、気楽に書いていきたいと思う。
最近、仕事で『エースをねらえ!』を観返す機会があった。『エースをねらえ!』の最初のTVシリーズ、通称『旧エース』だ。それが全6巻のバラ売りDVDとして発売される事になり、僕のスタジオ雄で、その解説書の編集を担当したのだ。
『旧エース』は先にDVD―BOX上下巻でリリースされており、その時もウチが解説書の編集をした。今回のバラ売りDVDの解説書は、DVD―BOXについた冊子形式のものを、6巻分のものとして再構成したものだ。1巻に岡ひろみ役の高坂真琴さん、2巻にはキャラクター設定、3巻にお蝶夫人役の池田昌子さん、4巻に愛川マキ役の菅谷政子さん、5、6巻には出崎統監督のインタビューを掲載している。インタビューのテキストは、DVD―BOXのテキストと同じものなので、BOXを買った人は今回のは買わなくてよろしい。買ってない人で興味がある方は、是非どうぞ。
『旧エース』は爽やかで、瑞々しい魅力をもった作品だ。原作は山本鈴美香のテニス漫画の傑作。監督は出崎統。歴史的に言うと出崎さんが『あしたのジョー』で初監督を務めた少し後の作品で、まだ、『ガンバの冒険』や『家なき子』を手がける前のものだ。つまり、出崎さんのスタイルが完成される過程のものなのだ。様々な表現に果敢に挑んでいて、演出的にも面白いところがたくさんある。主人公の岡ひろみと、親友の愛川マキの当時の女学生らしいセリフ回しや、日常描写も『旧エース』の魅力だ。
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