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コラム
アニメの“音”を求めて 早川優

 第0回「アニメは“音”だ」

 アニメーションは、実写作品以上に音響の活躍する機会が多いメディアだ。そもそも、実写映画と異なって、登場人物の台詞や衣擦れ等の現実音ですら、音効の担当者が意図して付け加えない限り、フィルムが作られる最初の段階ではゼロ……まったくの無音状態なのだから。いきおい、アニメでは声優さんから音楽担当の作曲家、そして効果さんまで、音の料理人たちが縦横無尽に腕を振るう事になる。逆に言えば、音響の仕上げに手を抜いたアニメは気の抜けた炭酸飲料のようなものになってしまう。
 だからこそ、アニメの“音”は面白い。音楽の演出効果という一側面に目を向けても、かつてのディズニーの作品やワーナーのカートゥーンのように、音楽の微妙なタッチまで画面で発生している事柄に逐一沿ってつける作品があるかと思えば、『新世紀エヴァンゲリオン』第四話「雨、逃げ出した後」のように、劇中で鳴る音楽はすべて現実音だけというものまで、その有様の振幅はとても大きい。後者の例などは、演出の背景に庵野秀明監督の実写指向があるとはいえ、先に書いたように、本来は既に鳴っている音がゼロのアニメだからこそ、音楽がない亊による緊張感を意図的に出す事ができたと言えるのだ。
 音があるにせよ、ないにせよ、「アニメは“音”」だ、と筆者が実感するゆえんである。
 今回、関係各位のご理解を得て、アニメの“音”だけにこだわったWEB連載を始めさせていただく事になった。ついつい映像作品を観る際、音に注意を払いすぎてしまう筆者ではあるが、アニメならではの音の面白さを、筆者なりの最新の研究(観察?)結果の発表や、場合によってはアニメの“ 音”に様々な局面で携わる方の生の声の紹介等を通して、皆さんと一緒に改めて味わっていければと思う。
 どうぞ、おつき合いのほどを

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