WEBアニメスタイル
更新情報とミニニュース
アニメの作画を語ろう
トピックス
ブックレビュー
もっとアニメを観よう
コラム
編集部&読者コーナー
データベース
イベント
 

 編集・著作:スタジオ雄
 協力:スタジオジブリ
    スタイル

WEBアニメスタイルについて メールはこちら サイトマップ トップへ戻る
コラム

『マインド・ゲーム』応援団
  第9回 観に来てくれてアリガトサン!

“でぞれ”の夏休み日記
8がつ7か(どようび)はれ

 きょうは渋谷のシネクイントへ『マインド・ゲーム』のこうかい初日しゅざいに行ってきました。電車でいこうと思ったら、きっぷうりばで前に並んでいたおじいちゃんと朝からひともんちゃくあって、しかたないので駅からタクシーにとびのって、20分おくれでパルコに横づけです。まるでスターのきぶん。
 だい1回めの上映前に、かんとくとキャストの舞台あいさつが始まりました。司会をつとめるのはヤンちゃん役のたくませいこさん。実際のたくまさんは、映画のなかのおとなしいキャラクターとは違って、げんきいっぱい・めいろうかいかつなお姉さんです。かあいらしなー、ほれぼれするでぇ、と見とれているあいだにも、たくまさんはてきぱきと場をしんこうしていきます。そして舞台そでから湯浅かんとく、今田耕司さん、坂田利夫さんが拍手とともにとうじょう!

湯浅「どうも、『マインド・ゲーム』の監督をしました、湯浅です。この映画は本当に幸運な作品だと思ってます。すっごい面白い原作があって、それを映画にしようと言う人がいて、良いスタッフと素晴らしいキャストと、監督にも恵まれて(笑)、すごく良い作品になったと思います。楽しんでいってください」
今田「僕がやったのは西君という、皆さんにも当てはまるような感じの、どこにでもいる普通の若者の役で……なにぶん1年前に演ったもので、だいぶ記憶を辿りながら喋ってるんですけれど(笑)。もう一度皆さんと一緒に観直したいような感じで、まあなんか『失敗してやり直す』みたいな、すごくまとめるとそういう役です(笑)。たぶん、観ていただくのが一番早いかと。ねえ、師匠?」
坂田「そういうこっちゃね。イエス・アイ・ドゥです(笑)。ホンマに今田君が言うたように1年以上経ちますんで、僕はもう完全に忘れております(笑)。たしか僕の役は、みょんちゃんという可愛い女性の父親役でございまして、これがまた女性によくモテて、もぉ〜私生活とえらい反対やねん! 嫌みやなあ、いうくらい。まあとにかく頑張っております。観てください!」
今田「声優はぴったりですからね、師匠は」
坂田「アリガトサン! と、こういう声でね(笑)」

イベント

 さすがは吉本のげいにんさん、おおぜいのお客さんのまえに立ったとたん、すかさずぜつみょうのかけあいをくりだしてきます。カントクもおもわず床のバミリからはなれて、ふたりのトークをみまもるお客さんモードに。あかんがな!

今田「いろんなところで言わしてもらってるんですけど、声優陣が吉本で固めてるんで、劇場でかかる作品やと思ってなかったんですね(笑)。また吉本がコストを安く上げて、DVDで小銭を儲けようとしている作品やと思ってたんで、非常にリラックスした感じで(笑)やらしていただきました。僕ら線撮りの状態で声を入れたんで、わざとお金が掛かってないように見せるすごい技術で『えらいショッパイ作品やな〜』と思いながらやってて(笑)。『全編大阪弁のアニメなんて誰も見いひんでぇ』思いながら(笑)」
坂田「脂っこ〜いやつやからなぁ(笑)」
今田「だから出来上がりを見た時に、ホンマびっくりしたんですよ。こんなにすごい作品やったんか、と」
坂田「ねえ! 事の大きさにびっくりしましたね、ホンマに」
たくま「そうですねー、私もそうですもん。声を入れてる時は線ばっかりやし、自分の台詞のところしか見てないし(笑)。出来上がって『ドヒャー!』っていう仕上がりで」
今田「やってる時は、監督もすごい方だとか全然、知らなくて。『クレヨンしんちゃん』とか作品が面白いっていう話だけは前から聞いてて、『観たいな観たいな』と思てるその監督と、いつの間にかいっしょにお仕事さしていただいてたんですよね。完成した作品を全部通して観てからは、僕はいろんな人に勧めてますから。実際、内容で面白いですしね」
たくま「ありがとうございます!」
坂田「画像と、音響効果と、音楽がスゴイですよね。僕はホンマに、芸能界のええ思い出になりましたわ(笑)」
今田「62歳ですから」
坂田「歳は還暦、頭は枯れ木でんねん(笑)」
今田「そうですよ、頭どえらいことになってますからねえ!(爆笑)。久しぶりにお会いしてびっくりしましたよ!」
坂田「でもこれ、今日のために茶髪にしてまんねんで(笑)。分かりますか? 昨日、美容院行ってきたんですよ。『染めてもらえませんか?』言うたら、『やってもええけど、その代わり頭蓋骨まで染まりまっせ』言われてね(笑)」

 そうして話題は「いつまでも結婚でけへん」だの「62歳で朽ち果てていくのか」だのと、映画とまるでかんけいない方向で大もりあがりをみせ、たのしいじかんが流れていきました。でも、今田さんがさりげにきどうしゅうせいして映画のほうに話をふると、湯浅かんとくもスマートなかえしをスパッときめたりして、ずいしょにスキルのたかさをかんじさせるトークでした。《吉本独身友の会》のリーダーこと坂田ししょうのキュートなわかわかしさにもびっくりです。

たくま「初の長編監督デビュー作品ですが、いかがでしょう? お気持ちは」
湯浅「原作も面白かったんで『必ず面白いものになるな』っていう確信があって、ほとんど気負いもなく。今回は、決めた事がどんどん良い方に良い方に転がっていったんです。声優も最初は悩んでたんですけど、吉本さんにお話を持っていったらバッチシの方たちがバシバシッと決まって。アフレコも『どうかなー?』と思ってたら、もう全っ然イイ感じにどんどん上がっていって。良い方に良い方に転がっていくのをただ見てるだけ、という感じで、幸運な映画制作でしたね」
今田「アフレコでも、すごいええテンポですぐオッケー貰えて。『これたぶん、向こうの部屋で俺の悪口言うてんねやろな』思いながら(笑)」
たくま「どうなんですか? 監督」
湯浅「失礼なんですけど、皆さん予想以上にすっごく巧くて。アフレコ慣れてない方もいるって聞いてたんで、『長くなるのかなあ』って多少は覚悟してたんですよ。したらもう、最初から1回やっただけでパシパシパシッと合っていくんで」
坂田「でしょっ?(笑)」
湯浅「ええ、びっくりするくらい。だからもう、かなりお任せで」
今田「僕、アニメ好きなんですよ。あのー、ちょっとイタイぐらい好きで(笑)。大友さんの『AKIRA』とかも、DVDとかビデオで何回も観てて、音声消して金田役とか鉄雄役とか、勝手に口合わしてやってたんですよね(笑)。今回やっと本物で、ホンマのアニメ作品で合わせれる!っていうので、ものっすごい楽しんでやらしていただきました」
坂田「楽しかったですね。気ィ使わんと、リラックスできて。これはもう、ぜひみんなに観に来てもらわんといかんね」
今田「ホントに、今日観た人はいろんなところで言うてください。口コミで広げていって、後半尻上がりで」
坂田「言うてよ、言うてよ!」
今田「ガンガンみんなに宣伝してください。あ、でも映画ってあんまりハードル上げすぎたら『あれ、意外と言うてるほど……』って思うんで(笑)。一応観る前は1回冷静に、ハードルがーっと下げて(笑)。映画ってそういうの意外に大事なんですよね。あんまり前評判が良くても、期待しすぎて『そんなでもないやん』みたいな」
坂田「あー、それはあるわなあ」
今田「あんなん言うてるけど、口だけやなぐらいで、皆さん観始めてください」
坂田「そうそう。『ああ、アホが言うてるな』と思って(笑)」
今田「そうですねえ、実際アホですしねえ(笑)」

 そして、坂田ししょうの「アリガトサン!」のかけごえで、ぶたいあいさつはぶじ終了。夕方からは大阪でのよていがあるため、湯浅さんはおおいそぎで劇場をあとにされました。(追記:応援団関西支部の皆さまからの報告によれば、大阪・心斎橋の舞台挨拶では湯浅監督はじめ、島木譲二さん、中條健一さん、原作者のロビン西さんが駆けつけ、そちらも島木さんのパチパチパンチやポコポコヘッド、「ラッキー・クッキー・八代亜紀!」などの至芸が炸裂しまくるステキな宴だった模様)。
 今田さんと坂田さんはひきつづき、会場をロゴスギャラリーにうつしてのマスコミしゅざい。等身大ヤンちゃんや神さまの立体モデルにかこまれながら、ギャグまんさいのたのしい会見になりました。

イベント
坂田「あんな素晴らしいカントクがやってるとは思わなんだねえ。また今田君も、ホンマに素直にスッと喋ってるからねえ。何の抵抗もなしに、素晴らしいよなあ」
今田「海外配給とかもあるっていうんで、海外の人にも観てもらえるのが、すごい楽しみですね」
坂田「どうする? 賞とか獲ったら。獲って欲しいなあ」
今田「もし貰えるなら、どこでもいいですけどね。師匠の行きたいところとかないですか?」
坂田「やっぱりあれやな、アカデミーやな」
今田「他に知らんだけでしょ!(笑)。いっぱいありまんねん、ヴェネチアとか」
坂田「あとカンヌな」
今田「知ってるじゃないですか。あと、韓国の映画祭も、ものすごい大きいらしいでっせ」
坂田「ホンマかいな。韓国ええなー。今、日本は韓国ブームやろ。だから日本のアニメも韓国に持って行こや!」
今田「って、焼き肉食べたいだけやろ!(おでこをパチーン!)」

 そして、「カンヌのレッドカーペットを歩くとしたらどんな風に歩きますか?」という記者さんのしつもんにたいして。

今田「師匠、ええフリ来ましたよ!(笑)。どんな感じで歩くかですね? ちょっと見したってください!」
坂田「ほな、いきまっせ。……ヨイトセノコラセ、ヨイトセノコラセ、アッホ!」
今田「こんな感じです(笑)。それで、カンヌの警備員が来てつまみ出されるわけですね(笑)」

 まごうかたなきホンモノです。がんぷくがんぷく。「本当にこの仕事しててよかった、と思いました」(カメラ担当の飴屋の娘・談)。そして最後に映画のアピールのひとこと。

今田「実験的ないろんな手法もあって、ホントに新しい作品なんで、ぜひ観に行っていただきたいと思います」
坂田「皆さんに夢と勇気を与えるような映画です。感動します!」

 いやはや、すばらしかったです。みなさまおつかれさまでした。
 しゅざいの後、ロゴスギャラリーの“MOTION-IMAGE-PSYCHEDELIA 『マインド・ゲーム』回帰展”をじっくりと見てまわりました。アニスタのイベントではいつもおせわになっている、パルコキノシタさん渾身のぞうけいぶつの数々が、会場せましと置かれていてじつに壮観です。と、そこへ偶然にも映画を観にいらっしゃった美術監督のひしやまとおるさんにバッタリそうぐう。おつかれさまです。
 すごいのは、いろんなカットの原画をじかに手でさわれるように壁にうちつけてあるんですが、これがすべてホンモノだということ。コピーちゃうんかい! まあ、すぎたことをどうこう言ってもはじまりませんね。ぼく的にうれしかったのは、カーチェイスシーンをすべて手がけられた久保まさひこさんの原画で、車がボーンと空中を飛んで後部座席で姉妹のからだがバウン!と揺れてる、超かっこいいショットが好きなだけめくりほうだいだったこと。東京につづき、大阪・南堀江digmeout CAFEでも、8月19日(木)〜8月29日(日)まで巡回展がかいさいされるよていです。くれぐれも原画をさわるときは、ていねいにあつかってね。
イベント
イベント
イベント
 ……というわけで、今回は時間がなくて僕の日記帖からそのままコピペしました。ズボラですいません。載せきれなかった写真はこちらにもあります。公開後も『マインド・ゲーム』関連のイベントは目白押しです。毎週金曜日の渋谷シネクイント・最終回上映前(20時30分)からは、湯浅監督とゲストによるトークショーが予定されています。今週8月20日(金) のゲストは『クレヨンしんちゃん』でおなじみ原恵一監督。原監督は3月の初号試写にもいらっしゃってました。司会はうちの応援団員Yこと小黒編集長です。それ以降の詳しい予定については、公式HPをチェックのこと。観た人は応援団掲示板にもどんどん書き込んでね! ではまた!
(04.08.16)


●関連記事
『マインド・ゲーム』関連記事

●関連サイト
『マインド・ゲーム』
http://www.mindgame.jp/

STUDIO4゜C
http://www.studio4c.co.jp/

STUDIO4゜C ビヨンドシティ「マインド亀」
http://www.beyond-c.co.jp/mindgame/

●期間限定『マインド・ゲーム』応援団掲示板はこちらから。
一覧へ戻る


Copyright(C) 2000 STUDIO YOU. All rights reserved.