私はインタビューという形式が好きです。「アニメスタイル」も「WEBアニメスタイル」も取材記事が多いですし、月刊「アニメージュ」で連載している「この人に話を聞きたい」も、取材連載です。
多分、私は「クリエイターと作品」の関係が好きなんでしょうね。さらに、「作品とファンの関係」も好き。「クリエイター」「作品」「ファン」の関係の面白さを、取材記事というかたちで表現できればいいな、と思っています。
西暦2000年を振り返ってみると、この1年だけで、私は60本以上の取材をこなしています。幸せな事に、思い出深い取材、達成感のある仕事が沢山ありました。その中のひとつが、OVA『ロボットカーニバル』の初回特典版DVDの解説書の仕事です。
『ロボットカーニバル』は87年に発表されたOVAで、大友克洋、福島敦子、森本晃司、大森英敏、梅津泰臣、北爪宏之、マオラムド、北久保弘之、なかむらたかしといったクリエイター達の手による短編で構成された、オムニバス作品集です。この解説書は新書判104ページというボリュームで、それぞれのクリエイターへのインタビューを中心にして構成しました。
実は、私はこの作品が発表された頃にも、雑誌の記事で彼等に取材をしているんですよ。ところが当時の私は、まだ駆け出しもいいところでしたし、時間がなくて電話取材で済ましたものもあり、あまり充実した記事にはなりませんでした。それもあり、『ロボットカーニバル』の解説書のお話を戴いた時に、もう一度全員に取材をしてみたいと思ったんです。
その取材は、大変に感慨深いものでした。前回には突っ込めなかった部分について、訊く事もできました。梅津さんには「前にも、君には同じ事を訊かれたなあ」と苦笑されました。クリエイターの方にも、私にも確実に13年の年月は流れ、その歳月を実感することもできました。正に、インタビュアー冥利に尽きる仕事でした。唯一の心残りは、前回も今回も福島敦子さんの取材ができなかった事です。福島さんについても、いずれ別の機会で、と思っています。
ちなみに、「アニメの作画を語ろう」の「animator interview なかむらたかし」は、『ロボットカーニバル』の初回特典版DVDの解説書のなかむらさんのインタビューの、姉妹編的な内容となっています。もし機会がありましたら、併せてご覧になってください。
●以下は関連サイト。
ビームエンタテインメント
[http://www.beam-e.co.jp/]
『ロボットカーニバル』の初回特典版DVD
[http://www.beam-e.co.jp/search/BIBA-1268.html]
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