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■「編集長のコラム」 小黒祐一郎
第8回 アニメフレーム物語(4) 3種類の『ロボットカーニバル』 |
昨年、『ロボットカーニバル』のDVDのライナーのために、参加したクリエイターに取材したのですが、その取材中に「ビスタサイズの作品なのでやりがいがあった」という発言がありました。プロデューサーに確認したところ、やはり、「『ロボットカーニバル』はビスタです」と断言されました。
これはおかしいと思いました。なぜなら、私が知っている『ロボットカーニバル』はスタンダードの作品なんですよ。まさか? と思い、レンタルショップに行って同作品のビデオを借りて、チェックしたところ、なんと『ロボットカーニバル』はビデオソフトでは、ビスタサイズで収録されていたんです。
LDはスタンダードサイズでの収録です。私はずっとLDで観ていたために、この作品をスタンダードだと信じていたわけです。確かに見比べると、ビスタサイズの方が画面がしまっていてカッコいい。スタンダードの時に構図が甘いと思ったカットも、きっちりと決まった構図に見えます。さらに言えばLDでは、マスクがないためにもの凄く大胆なセルバレが1カットあります。
どのような理由で、ビデオとLDで収録サイズが変わったのかは分かりませんが、この作品の場合は、ビスタサイズでの収録が、スタッフの意図に沿ったものであったのは間違いないようです。
それでDVDでは、基本的にはビスタサイズで収録する事になったのですが……。その中の「CLOUD」のみ、監督であるマオラムドによって「ラストシーンで上下のマスクをとってスタンダードにする」という“演出”が加えられました。
『ロボットカーニバル』に、ビスタサイズ、スタンダードサイズに続き、「基本的にビスタで一部のみスタンダード」という新しいバージョンが生まれたわけです。 |
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