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『少年猿飛佐助』
 東映長編第2作であり、日本初のワイドスクリーンで作られたアニメーションである。少年佐助は、姉と2人だけで信濃の国の山中で暮らしていた。ある日、彼の友達の鹿が、巨大な山椒魚のえじきになってしまった。佐助は山椒魚を倒そうとするが、その正体は妖術使いの夜叉姫だった。佐助は夜叉姫と戦うために、戸沢白雲斉に弟子入りし、忍術を学ぶ。
 当時全盛だった東映時代劇のアニメ版とも言える作品。檀一雄の原作は、前1958年に「少年猿飛佐助」「同 牢獄の姫君」「同 天空の白馬」の3本が東映(京都撮影所)で実写映画化されており、その実写版で猿飛佐助を演じた中村嘉葎雄が、本作では真田幸村役で出演。他のキャストも実写時代劇のメンバーで固められている。
 原画には『白蛇伝』の大工原章、森康二に加えて、ベテランの古沢日出夫、熊川正雄、新人の大塚康生も参加。トータルでの映像的な見応えは、前作よりも向上している。

[参考資料]
細萱敦編集『日本アニメの飛翔期を探る』(パンフレット)読売新聞社・美術館連絡協議会
東映動画編『東映動画長編アニメ大全集』(上巻)徳間書店



●公開データ
1959年12月25日公開
劇場作品 83分


●スタッフ&キャスト

製作/大川博
企画/高橋秀行、山本早苗
原作/檀一雄(読売新聞連載)
脚本/村松道平
原画/大工原章、古沢日出夫、大塚康生、森康二、熊川正雄
動画/楠部大吉郎、寺千賀雄、中村和子、紺野修司、喜多真佐武、杉山卓、奥山玲子、太宰真知子、永沢詢、吉田迪彦、堀川豊平
仕上/進藤みつ子
美術/進藤誠吾、小山礼司
背景/横井三郎、浦田又治、伊藤主計
色彩/前場孝一
造型/佐藤文則
撮影/大塚晴郷、石川光明、山本明生
録音/加瀬寿士※、森武 (※瀬の頁は負)
擬音/山本諭
音楽/船村徹
作詩/星野哲郎、岩瀬ひろし※ (※瀬の頁は負)
佐助の唄/上高田少年合唱団
おゆうの唄/久城啓子
山賊の唄/フォア・コインズ
 コロムビアレコード
和楽/玉藻会連中
編集/宮本信太郎、井草寛二郎
振付/花柳啓之
殺陣/足立伶二郎
時代考証/佐多芳郎
進行/茂呂清一
声の出演/中村賀津雄、桜町弘子、宮崎照男、松島トモ子、杉山徳子、堺駿二、薄田研二、岸井明、伊東亮英、岸田一夫、麻生みつ子、香椎くに子、吉田義夫、木下華声
演出/薮下泰司、大工原章

(04.07.02)
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