日時■2003年11月16日(日)19時〜
会場■LOFT/PLUS ONE
出演■羽原信義、今石洋之、今 敏、池信孝、丸山正雄、杉井ギサブロー、原口正宏、小黒祐一郎
司会■パルコキノシタ
上映作品
『ダロス』名場面集
『超獣機神ダンクーガ』オープニング+SE付きオープニング
『特装機兵ドルバック』ビデオオリジナル短編「激闘!パワードアーマー」
『魔法の天使 クリィミーマミ VS 魔法のプリンセス ミンキーモモ 劇場の大決戦』
『DEAD LEAVES』ダイジェスト+予告編
『東京ゴッドファーザーズ』予告編+ダイジェスト
『妄想代理人』予告編
『哀しみのベラドンナ』名場面集
『悟空の大冒険』9話抜粋+幻のNG版第8話
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わずか2週間足らずの告知期間しかなかったのに、過去最高の動員を記録してしまった今回のイベント。なぜだ! という主催者側の困惑と動揺をよそに第1部がスタート。
今回の大会はそれぞれに全く毛色の違う作品をテーマに取り上げた、バラエティに富んだ3部構成。第1部のテーマは「80年代ハッチャケSFメカアクションと、その正統後継者『DEAD LEAVES』」。ということでゲストは羽原信義さんと今石洋之監督。『ダロス』名場面集から始まり、『超獣機神ダンクーガ』OP映像2タイプ、羽原さん入魂のオリジナル短編『特装機兵ドルバック 激闘!パワードアーマー』と、怒濤のアクション作画を堪能。さらにおまけで『魔法の天使 クリィミーマミ VS 魔法のプリンセス ミンキーモモ 劇場の大決戦』も追加。羽原さんが当時のハチャメチャな制作状況を振り返り、リアルタイムのファンを大いに沸かせた。
そして、アニメスタイル的には公開前からすでにお馴染みの『DL』。今回お目見えとなった映像は、エンディングテーマに合わせたダイジェストと、劇場予告編。今石「この流れで観ると、お里が知れますね。取材なんかでアメコミの影響とか言ってますけど、やっぱ『ダロス』ですね(笑)」
第2部は、現在公開真っ只中の『東京ゴッドファーザーズ』から、今 敏監督と池信孝美術監督をゲストに迎え、主に同作品の美術について濃厚なお話を伺った。劇中で実際に使われた緻密な背景画を1枚1枚、監督と美術監督自ら解説。徹底したこだわりと、それを実現するために駆使されたデジタル処理について、興味深い製作過程が笑いも交えて語られた。最後には、監督の持参した背景画を『東京ゴッドファーザーズ』前売券購入者にもれなくプレゼント! という大盤振る舞い。言うまでもなく、あっという間にチケットは完売。また、すでに制作中の今監督の最新TVシリーズ『妄想代理人』の30秒CMも上映され、ファンの期待を煽った。今「これまでの僕の3作品を観てきた人なら、ニヤリとできる部分もありますよ」
そして第3部では、前回の平田敏夫イベントに続いて、杉井ギサブロー監督が登場。今回は知られざる傑作『哀しみのベラドンナ』の抜粋映像を通じて、早すぎた(そしていまだに先駆的な)同作品の成り立ち、作画監督を担当された当時のエピソードなどをお聞きした。林静一の手による一発手描きコマ撮りパートや、城や森が黒死病の渦に呑み込まれる杉井担当パートなど、演出的にも作画的にも凄まじく見応えのあるシーンが続出。エンディングを巡る演出上の対立など、貴重な過去の事実も明らかになった。
そしてクライマックスは、杉井総監督・出崎統演出の『悟空の大冒険』、幻の第8話「ニセ札で世界はまわる」の全編フル上映。制作はされたもののなぜかお蔵入りにされてしまった(見ればなんとなーく理由は分かる気がする)曰く付きの作品だが、トバしまくった展開の連続に、会場は爆笑に次ぐ爆笑。杉井「マトモなことは全部やめる、とにかく壊せばよし、っていう精神でやっていましたね。地球が丸いなんて俺たちの言うことじゃない、平らなんだ! と(笑)」
にぎやかに幕を閉じた今回のイベントをもって、2003年のアニメスタイルイベントは一応終了。ではまた来年、ロフトプラスワンでお会いしましょう!
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