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■第22回
「『コゼットの肖像』と色んなアニメを観よう大会」
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日時■2005年3月26日(土) 23時45分〜6時20分
会場■テアトル池袋
出演■平田敏夫、中澤一登、小黒祐一郎
司会■井上麻里奈
主な上映作品■『コゼットの肖像[特別版]』、『ボビーに首ったけ』、『ロードス島戦記 英雄騎士伝』OP・ED、『COMEDY』、『THE八犬伝』1話、『THE八犬伝[新章]』4話、『哀しみのベラドンナ』
協賛■アニプレックス
初の劇場開催、初のオールナイト、初の池袋、と初物づくしとなった今回のイベント。つい2週間前にイベントをやったばかり、しかも深夜11時から朝6時までの長丁場とあって、果たしてどのくらいの観客が集まるのかと懸念材料は山積み。入り口に立つコゼットの人形もどこか不安げだ。ところが、扉を開けてみると、続々と観客が劇場内へと流れ込んでくる。全162席の2/3が埋まるという盛況ぶりに関係者一同、ホッと胸をなでおろした。
レイトショーの上映が長引いたこともあって、ちょっと遅れて23時45分からの開始。まずは小黒編集長と『コゼットの肖像』で主演を務める声優の井上麻里奈さんの挨拶から。うーむ、若い女性司会というのは、アニメスタイルイベントらしからぬ華やかさ(笑)。観客の中には、井上さんのファンの姿もちらほらと見える。10代から40代までバラエティに富んだ客層だったようだ。
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今回は作品上映がメインで、トークは、作品の合間合間にはさまるかたちとなる。というわけで、軽いトークのあと、さっそく『ボビーに首ったけ』から上映スタート。写真のコラージュ、スーパーリアリズム、鉛筆画といった意欲的な表現の数々と、乾いた感じの青春ドラマが、見事に絡み合った上品な匂いのする佳品だ。これのみ35ミリフィルムでの上映だったが、フィルムの状態もよく、大画面で細部にわたって表現を堪能する事ができたのではなかろうか。DVD化もされていないだけに、貴重な機会だったと言えるだろう。
幕間のトークには平田敏夫監督が登場。フィルムで観られるからというので来たのに、壇上に上がらされるとは……と照れながらも、「映像詩を作りたかった」「『カムイの剣』が終わったばかりで、手の空いたメンバーがこぞって参加してくれたので、“ドリームチーム”による作品になった」「3〜4ヶ月で作った」といった裏話を次々と披露してくださった。ストンと終わるラストシーンに関しても、他のアイデアもあったのだが、「青春が終わった、という感じを出したかった」ためこうなったと説明。さらに続いての上映となる『コゼットの肖像』に関しても、少しだけ見せてもらったけれども、と前置きしつつ、「『ボビー』でやりたくてもやれなかった事がデジタルでやれるようになった」と述べ、「演出家としての視点の持ち方は似ているけれども、映像的には敵わない」と賛辞を送ってくださった。
続いて『コゼットの肖像[特別編]』。オリジナルよりもずいぶん展開が整理され、わかりやすくなっているのには、主演声優の井上さんも驚いた様子。もっとも、そのためにお気に入りのセリフまでも削られてしまった、とちょっと残念そう。ちなみに、今回の「特別編」用にセリフを録り足しているのだそうだ。
今度は、ふたり目のゲスト、『サムライ チャンプルー』の打ち上げを抜け出して駆けつけてくれたという、中澤一登さんが登壇。『ロードス島戦記 英雄騎士伝』のOP・ED、ショートフィルムの『COMEDY』を流しながらトーク。『ロードス島戦記』のEDは初めてのデジタル作品だったが、重ねが何枚でもできるというので「はしゃいでしまって」髪のなびきだけで400枚も使ってしまった、とか。また、『COMEDY』は洋画の「薔薇の名前」からモチーフを借りたといった逸話も披露。
また続けての上映となる『八犬伝[新章]』4話については、「画でこれだけの演技ができるのか」「同じ日本ではなく、海外、それも東欧で作られたかのよう(笑)」と賞賛を惜しまない。
その『八犬伝』1話、そして中澤さんが「神の作品」と言う新章4話を続けて上映。新章4話の異様な迫力に、初めて観る人は圧倒された様子だった。
ラストは『哀しみのベラドンナ』。オールナイトらしい(?)ちょっとエロティックな内容と、アバンギャルドな表現が炸裂する、虫プロ末期の問題作だ。その刺激的な作風に観客の眠気も吹き飛んだ様子だった。
結局、上映が終わったのは朝の6時過ぎ。テアトル池袋を出ると、すでに空は白々と明るくなっていた。バラエティに富むプログラムが組めたと、小黒編集長は満足していたが、果たして観客の方々の感想はいかがだろうか。
協力してくださった企業のみなさま、そして観客のみなさん、大変お疲れさまでした。
(05.04.14) |
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