小黒 ピーター・チョンさんとは、どこで出会ったんですか?(注2) 『Aeon Flux』になるんですか。
小池 そうですね、『Aeon Flux』です。そのゲームのプロモーション用のアニメーションを一緒に作ろうという事で、ピーターがマッドハウスに来て、初めてお会いしたんです。
小黒 ピーターさん自身が、金田系の画を描くわけですよね。
小池 ええ。ピーターの画と動かし方を見て、「まだまだ自分は金田テイストが薄かったんだな」と痛感しました(苦笑)。海外でここまでやっちゃってる人がいるんだ、と。背景の描き方なんかも特殊なんですね。カメラの動かし方も「こんなつけPANがあるのか」と驚くくらい特殊でした。スムーズなカメラワークは一切ないんです。どこかでワンクッションを置いたりして、視覚のポイントを作っているんでしょうね。そう言えば、金田さんのアクションにもそういうところがあったなとピーターの動きを見て再確認しました。
小黒 『Aeon Flux』のゲームに参加したのは、いつぐらいの事なんですか。
小池 劇場版『X』が終わった後ぐらいですね。ゲームのプロモーション用のものです。
小黒 何分ぐらいのものなんですか?
小池 1分ぐらいです。短いんですよ。基地内部を走ってるやつかな。実写の「メトロポリス」に出てきたロボットがあるじゃないですか。
小黒 マリアですね。
小池 はい。あのマリアみたいなロボットが、イオンに攻撃するような内容だったと思います。
小黒 その時の小池さんの作画は、ピーター調というか金田調のものだったわけですか。
小池 そうですね。ピーター調にしたつもりだったんですけど、やっぱり僕の方は大人しかったです。まだまだでしたね。ピーターの事は尊敬しています。ああいう画が描けて、自分でコンテも演出もやって、トータルにディレクションができるのは、凄いです。しかもあれだけ数をやっているのにネタが被っていない。
小黒 「PARTY7」で突然自分の作品をお作りになる事になったわけですよね。これは降って湧いたような話だったんでしょうか。
|
(注2)ピーター・チョン[Peter
Kunshik Chung]
アニメーター、イラストレーター、監督。1961年ソウル生まれのアメリカ人。MTVやCMを中心に活躍。代表作に『Aeon Flux』がある。日本での作品に『アレクサンダー戦記』のキャラクターデザイン等。
|
|