【情報局】アニメ音楽CD瓦版(25)
『ガンバ』『バカボン』『ハイジ』サントラが発売!

 今年に入ってから、主にインディーズ系レーベルから懐かしの名作アニメのサントラが発売されるケースが増えてきた。廃盤になっていたものや、今まで一度もCD化された事のないものもあり、劇伴ファンにとって非常に有難い傾向である。今回はこのようなタイトルの中から3作品をまとめて紹介しよう。

 以前にも紹介したように『はじめ人間ギャートルズ』『キャッツ・アイ』などのリリース実績がある「アニメ・ミュージック・カプセル」のシリーズから、『ガンバの冒険』のサントラが先月18日に発売された。CDの構成は主題歌、挿入歌、BGMあわせて全51トラックで、勿論リマスタリングも施されている。
 『ガンバ』のサントラは1990年代に東芝EMI(当時)から「懐かしのミュージッククリップ」のシリーズで発売された事があるが、現在では入手困難。よって今回は待望のリリースという事になる。
 『ルパン三世(TV第1シリーズ)』と並んでTVアニメにおける山下毅雄の代表作のひとつであり、サンバ調が楽しい主題歌はファン以外の方にもお馴染みだろう。山下サウンドらしく随所に口笛が効いているほか、要所に用いられるトランペットがマドロスっぽいムードを高めている。
 今回のディスクの特徴として、重要なシーンで使用された挿入歌「早瀬川の唄」が初めて収録されることが挙げられる。この曲は正規に録音された事がなく、今までサントラ等にも収録されてこなかった。今回、本編の音声からの抜き出しというかたちではあるが、初のCD化となったのは喜ばしい。

アニメ・ミュージック・カプセル『ガンバの冒険』

CDSOL-1252/2,520円/SOLID RECORDS
発売中
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 お次は放映終了から31年目(!)にして遂に発売された『元祖天才バカボン』のサントラだ。こちらは25日に発売予定となっている。
 第1シリーズ『天才バカボン』や『平成天才バカボン』『レレレの天才バカボン』は音楽集の発売例があるが、人気の高い『元祖』の名を冠したサントラCDについては、なぜか今までリリースされてこなかった。
 今回のディスクは、主題歌をTVサイズ、フルサイズ、カラオケで収録したほか、全55トラックにBGMをたっぷりと収録。曲数こそ多いが各曲は短くて気軽に楽しめるものが中心だ。音楽は勿論、かの名匠・渡辺岳夫の手によるもの。
 『バカボン』のBGMの特徴はと言えば、まず大量の楽器が使われている事が挙げられる。曲目に使用楽器名が書いてあるので参照して頂きたい。「あの音はこの楽器で出していたのか!」という驚きがあるはずだ。
 なお、本作に先んじて第1シリーズ『天才バカボン』のサントラが先月発売されている。興味のある方はそちらもチェックして頂きたい。

TV『元祖天才バカボン』サウンドトラック総集盤

TMS-304/2,650円/東京ムービーレコード・いぬん堂
11月25日発売予定
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TV『元祖天才バカボン』サウンドトラック総集盤

TMS-303/2,650円/東京ムービーレコード・いぬん堂
発売中
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 最後にこちらも待望の作品『アルプスの少女ハイジ』サントラをご紹介しよう。限定盤、通常盤の2種がリリースされ、いずれも12月3日発売予定。
 『ハイジ』関連の音楽集は今までに何度かリリースされているが、主題歌があまりにも有名なためか歌ものが重視され、BGMに関しては「完全盤」と呼べるものがまだ出ていない。『ガンバ』と同様に「懐かしのミュージッククリップ」シリーズでもリリースされていたが、BGMはいくつかを抜粋してメドレー形式で繋いだもの(この盤は現在では入手困難のためプレミア化している)。
 という事で今回のCDの意義は大きい。曲数も多いし、各曲が個別に収録されるようになったので聴きやすい。そして今回初めてCD化された音源がいくつかあり、これがファンにとって最大のプレゼントとなるだろう。
 そしてファンならば是非とも限定盤を確保して頂きたいと思う。限定盤は2枚組、通常盤は1枚ということで収録曲数に違いがあり、限定盤でしか聴けない音源が多いためだ。なお限定盤の仕様は、主題歌、挿入歌、BGMあわせて2枚組に47曲を収録。16ページのブックレットが付属する。デジパックのトールケースというサントラとしては珍しい仕様だ。(W)

TV『アルプスの少女ハイジ』OST

限定盤:RBCS-1087/3,990円/ランブリングレコーズ
12月3日発売予定
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TV『アルプスの少女ハイジ』OST

通常盤:RBCS-1090/2,625円/ランブリングレコーズ
12月3日発売予定
[Amazon]

(価格はすべて税込)

(08.11.25)