アニメ音楽丸かじり(8)
春新番組のOP主題歌特集!
和田 穣
4月も半ばが過ぎ、そろそろ皆さんも新番組の中から好きな作品、今後も見続けたい作品などが決まりつつあるのではないだろうか。注目度の高さでいえば、神山健治監督の新作『東のエデン』が第1話の視聴率で4.8%を記録し、過去のノイタミナ枠作品の中でもトップクラスだという。個人的にも期待していた作品だけに、これは嬉しいニュースだ。
主題歌にOASISが起用されたのも大きなサプライズだった。もちろん彼らにとってもアニメとのタイアップはこれが初めて。楽曲自体は昨年10月に発売されたアルバム「Dig Out Your Soul」に含まれているが、5月27日に改めて日本でシングルカットされる。
初回限定版にはDVDが付属するのだが、これにはアニメスタッフが制作したオリジナルのビデオクリップが収録される予定で、バンドのファンにもアニメファンにとっても楽しみになりそうだ。
さて、今回は4月スタート新番組のOP主題歌にスポットをあてて特集してみたい。今期は注目すべき楽曲がとても多いため全てを紹介することはできないが、まずは第1弾として4点ほどを取り上げる。他の楽曲についても、改めてリリース前後に情報をお届けできればと思う。
まずは22日に先陣を切ってリリースされる『けいおん!』OP「Cagayake!GIRLS」だ。前回の記事で軽音部メンバーの使用楽器について紹介したが、第2話の内容によれば唯のギターは売価25万円だそうで、予想が的中していてちょっと嬉しい(笑)。
初回限定盤はメインキャラ4人の着せ替えジャケットで、秋葉原の一部ショップではすでにサンプルが展示されており、注目を集めていた。Amazonでは【お一人様1個まで】となっている人気ぶりで、確実に入手するためには予約か発売日での購入が必要かもしれない。
こちらも22日に発売。ニトロプラスのアダルト向けゲームを原作に、真下耕一監督が映像化した『Phantom —Requiem for the Phantom—』のOP「KARMA」だ。作詞・作曲・歌を担当するのはKOKIA。アニメファンには『ブレンパワード』EDや、『銀色の髪のアギト』OP・EDでお馴染みだろう。
ニトロプラスの得意とするダークな世界観に真下監督の作風は予想どおりピッタリで、そこにKOKIAの神秘的な歌声が乗るOP映像はゴシック感あふれる美しさ。クラシックの素養と民俗音楽の表現力を併せ持ったKOKIAならではの世界だ。
いまのところフランスなど海外での人気が先行しているが、歌唱力に関しては日本の現役歌手の中でもトップクラス。国内でもっと評価されてほしいアーティストだ。
続いてはOP映像のユーモラスな「足軽ダンス」が一部で話題となっている『戦国BASARA』OP「JAP」。T.M.Revolutionこと西川貴教がヴォーカルを務める4人組バンドabingdon boys schoolの新曲だ。歌詞に和風のモチーフを散りばめつつも、曲調はソリッドで小気味よいヘヴィメタル。メンバーはいずれも実績のあるベテラン揃いで、確かな技術と洋楽寄りのドライな音作りは個人的にも好みだ。
初回限定盤に付属するDVDには、PVのメイキング、「戦国BASARA」版ミュージックビデオ、「戦国BASARAバトルヒーローズ」オープニングムービーなどが付属する予定だという。
ところでこの曲のギターリフ、どこかで似たものを聞いたような気がしたのだがなかなか見つからず、つい2時間ほど探してしまった。結果はマイケル・シェンカー(MSG)の「Save Yourself」。興味のある方は比較してみると面白いと思う。
思わせぶりな曲名と歌詞が妖しげな『夏のあらし!』OP「あたしだけにかけて」。昭和期の歌謡曲やアイドル曲のジャケットを大量にオマージュしたOP映像が、ドーナツ盤世代には懐かしく、若いファンには新鮮だったのではないだろうか。
同じシャフト/新房監督のアニメ『さよなら絶望先生』で大槻ケンヂが主題歌に起用されたのも驚いたが、今回の面影ラッキーホールにはもっとびっくり。何しろ彼らは過激な歌詞が有名でCDが発売中止になった過去もあるだけに……。この楽曲の濃厚にセクシャルでノスタルジックな雰囲気は、物語の根幹にも関わってきそうなので今後に注目である。
なお、サビ以外の歌詞は毎回変わるという事なので、毎回OPを飛ばさずにしっかりと視聴する事をおすすめしたい。
(価格はすべて税込)
(09.04.20)