前回ご紹介した『マクロスFrontier』OST1「娘フロ。」が、オリコンのアルバム週間ランキング(6月16日付)で3位を記録するスマッシュヒットとなった。これは劇場『新世紀エヴァンゲリオン』のサントラ「THE END OF EVANGELION」(1997年9月発売)以来、10年8ヶ月ぶりの快挙だそうだ。このようにアニメのサントラが多くの人に支持されるのは本当に嬉しいもの。きちんと音楽に力を入れ、それをヒットに結びつけた関係各位には拍手を送りたい。
その『マクロスF』より、ヒロインのランカ・リー名義のシングル「星間飛行」がリリースされる。ランカを演じる中島愛にとってもこれがデビューシングルだ。アイドルポップ風のタイトル曲のほか、昨年末の特番でEDを飾った「愛・おぼえていますか(デカルチャーエディションsize)」、第4話で使用された「私の彼はパイロット MISS MACROSS 2059」が収録されている。初代『超時空要塞マクロス』からのファンにとっても楽しみな内容となりそうだ。
さて、今月25日は年間を通じても屈指のリリースラッシュの日である。というのも4月開始番組のサントラが、このタイミングで数多くリリースされるからだ。この日を待ち望んでいたファンも多いと思うので、少しでも多くの作品を紹介したい。
『紅』はブレインズ・ベースの制作で、プレスコ方式の採用が話題となった作品だ。音楽面においてもかなり個性的なアプローチをしているので、サントラが気になっていた方も多いのではないだろうか。
作曲・演奏は奄美大島在住のピアニスト・村松健。この『紅』OSTは彼にとって『スケッチブック 〜full color's〜』に続く2作目のアニメ音楽となる。サントラは2枚組でdisc1が「emotional side」、disc2が「swingin' side」と題して20曲ずつを収録している。音楽の傾向別に分類されているわけだ。
各楽曲は劇伴というよりピアノ独奏曲のようで、その雄弁な作風と演奏は他のサントラと一線を画している。ピアノ曲が好きな方には特にお薦めしたい内容だ。なお、ブックレットには作曲者と松尾監督のメッセージが掲載される予定。
続いて、ノイタミナ枠で放映中のProduction I.G作品から『図書館戦争』OSTをご紹介。連続ドラマ風のラブコメと、ミリタリー描写のコントラストが特徴的な作品だけあって、音楽においても打ち込みを重視した日常シーン、オーケストラを導入した戦闘シーンとメリハリが効いている。サントラは、メインテーマで始まりエンドタイトルで終わるという劇場作品風の構成をとっている。つまりOP・EDを収録していないわけだが、音楽自体をじっくり楽しむにはこれで良いのではないかと思う。
毎回毎回、執拗に繰り出されるヒロイン・なえかの巨乳ネタが楽しい『仮面のメイドガイ』は、全国8102万のチチ好きにとって見逃せない作品だ。福山芳樹の歌うED曲「ワクガイ!!」の出だしの台詞が、劇中の内容にあわせて毎回変わるのも面白い。この『仮面のメイドガイ』OSTにはそのうち4バージョンが収録される予定。音楽は『ネギま!?』の主題歌などで知られる大久保薫が担当している。
最後に今期の話題作から『絶対可憐チルドレン』OST01をご紹介。同枠の前番組『ハヤテのごとく!』から監督を始め主要スタッフの一部がスライドしているが、音楽も中川幸太郎が『ハヤテ』から引き続いての登板となっている。サントラ第1弾には40曲が収録予定で、楽曲名はすべてカタカナ・ひらがなというお茶目なチルドレン仕様だ。
中川幸太郎といえば『スクライド』『ガン×ソード』などでも披露したように、ラッパ(ブラス)使いの名手。『絶チル』でも要所要所で派手なブラスが登場しており、作品にハリウッド映画的なメジャー感を与えているように思う。また、第10話ではいわゆる「ワンダバ」コーラスを使ったウルトラシリーズ風の音楽が登場しており、今後のパロディにも注目していきたい。(W)
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『マクロスFrontier』「星間飛行」ランカ・リー
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『紅』OST
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『仮面のメイドガイ』OST
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『図書館戦争』OST
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『絶対可憐チルドレン』OST01
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(価格はすべて税込)
(08.06.23)