第188回
白髪とアニメ髪

 「板垣くんも髪染めたら〜?」ととある金髪の人に言われた事があるんですが、面倒くさいし、どーせ根元からまた黒くなってゆく途中経過が美しくないので放っておく事にしてます。
 そう言えばアニメ作ってる時いっつも気になるのがキャラクターの髪の色。つまり、アニメの場合の多くは、画的に華やかにするため、似た顔つきの美少年・美少女たちを区別するためなどで、非常にカラフルな髪の色にします。そこまでならまったく気にならないのですが、学生服を着てたりすると急に違和感でいっぱいになります。「校則」「モラル」「不良」などの単語が頭から離れなくなるからで……。ま、それは1980〜90年代に学生生活をおくった自分らの世代の問題で、けしてその作品のせいではありません。俺が古いだけで、はい。今は現実でも茶髪や金髪の学生って目にするけど、校則ってもうなくなったんでしょうかね? もしまだあるのなら先生方は一体何をしているの?
 こう言うと「板垣って融通のきかないヤツ〜」「カタブツ!」とかの意見が飛んできそうですが、そう思われてもいいです。そーせオッサンですから。ただ一応誤解を解いとくと、俺、

年齢に関係なく髪の色なんて赤でも金でもなんでもいいと思うし、化粧でもピアスでもタトゥーでも好きにすればいい

と思ってます。所詮ファッションなんてアイデンティティですから。ただ俺がイヤなのは、中学とか高校で茶髪だ金髪だボンタンだ長〜いスカートだ(80年代の不良は面白いほど長かった)ってやってるヤツらが、頭髪服装検査の時間をボイコットしたり、イレギュラーで先生に注意されたりすると「うっせーなあ……!」とか「こんくらいでガタガタ言うな」的な捨て台詞吐くわ、って姿を目にする事だったんです。あれは醜くって! だってどうしても金髪にしたいなら生徒会と組んで校則を変える運動すればいいし、高校とかなら最初っから入学しなくたっていい。そもそも先生とかに突っ込まれて「こんくらいの事で〜」云々言うならば、俺に言わせると逆に“こんくらい”程度の事ならとっととやめてしまえ! と。なぜ堂々と「自分にはこの金髪が必要だ!」とか「これが自分なんだ!」と言って戦わないんでしょうか? ファッションなんて時代とともに過激になっていくわけだし、基本「これが自分なんだ!」と己を奮い立たせるためのものでしょう。けして同級生や先生を威嚇するためのモンじゃあないわけです。
 あと、今思い出したけど、こんなのもありました。
 ある日の中央線。金髪で唇に山盛りピアスをしたハデなおネエさんがいて、


 前に座っていた子どもがその痛そーな顔をマジマジと見てたんです。するとその金髪ピアス嬢はその子どもの視線に耐えられず、

オズオズとどっかに行ってしまったんです!(怒) この光景を見た時のイライラったらなかったですよ、マジ。要するにこーゆーのが大嫌いで! 子どもから奇異な目で見られて恐れられる事がイヤなら、はじめっから顔中ピアスの山盛りなんてしないでほしいです。見てるこっちまで同じ大人として惨めな気持ちになるから。
 昔、自分と親しい後輩が自ら金髪・ピアスを指して「僕、こんな髪でピアスだから○○さん(その時の会社の先輩)に嫌われるんでしょーね」と卑下してた事があった時も俺は怒ったんです。

 とにかくどんなファッションでもいいけど、その内容によっては後輩から恐れられたり、先輩から「チャラいヤツだ」と思われたりするわけで、それくらい覚悟してやってほしいってだけです。まだ少年期を坊主頭ですごした昭和の大人たちが上司である以上、ある程度不良だとか思われてもしょうがないんですから。

でも、アニメの髪の色はカラフルな方が本当に助かります!!

(10.10.14)