第192回
『パンスト』と
今石作品への道(1)
なんと呼ぶべきでしょうか? 俺ら制作してる時はずっと放映5回目——5話のAパート(前半)だから「5A(ごえー)!」と読んでたのですが、アニメ誌などでは放映1回で2話分って勘定してるようなので「9話!」と記されてるみたいです。でもま、ここはアニメスタイルというややマニアックな場なので自分らの呼び慣れた「5A」で統一しますか、やっぱ。
『Panty&Stocking with Garterbelt』
#5A「ハナムプトラ」
今回は脚本・コンテ・演出でやらせていただきました。久々の今石作品です。『アベノ橋』以来、今石アニメにはできるだけ参加させてもらってる自分。なぜなら板垣が
同世代のクリエイターの中でいちばん尊敬しているのが今石洋之様!
だからです。事の発端は自分がまだテレコムで原画を描いた時、ちょうど背中合わせの席にいた後輩・岩岡優子さん(後にビィートレインで『スパイダーライダーズ —オラクルの勇者たち—』のキャラデをやる)から
板垣さん、こーゆーの興味ありませんか?
と渡されたのが、当時ガイナックスの若手らで作ったとある原画集(同人誌)で、それを見た時の衝撃といったら!
巧い! 巧すぎる!!
当時の俺は原画に限界を感じてたので、自分がアニメ業界に入った当初の目的であるコンテ・演出業にも携わってる同世代のアニメーターたち——特に今石さんの仕事にはかなり衝撃を受けました。さらにその頃、自分の師匠・友永(和秀)さんからも
板垣、こないだの『ルパンスペシャル』観たか? 内容はいつもどおりだけど、最後の方で10数カットメチャクチャかっこいいシーンがあったんだぜ! 観とけ!
的な話もあり、その時の『ルパンスペシャル』ってのは『ルパン三世 ワルサーP38』(1997年)の事であり、“メチャクチャかっこいいシーン”てのは今石さんの担当パートだったわけです。それ観たときもそうとうショックでした! テレコムで原画になってから目標を見失ってた俺の目の前にハッキリ「目指すべきモノが見えてきた!」ってくらいに。そこで決めたわけです。
会社に「コンテ・演出やりたい!」と言ってみて、演出になれないなら会社辞める!
と(以下、辞める時の話はだいぶ以前書きましたよね)。これ以外にも会社辞めた時の理由は本当にいろいろあるんですが、この「今石ショック」は結構デカかったです。
で、テレコム辞めてしばらくしたトコで自分より先に会社辞めてガイナックスに入ってた柴田由香さんから電話もらったんです。
『アベノ橋魔法☆商店街』の原画やりませんか? 3話は今石さんですよ〜
ちょくちょく連絡入れてた柴田さんには「今石さんと仕事したい!」旨、伝えてあったからでした。そりゃ、ちゅーちょするなく答えました。
やるーっ!
(10.11.11)