素晴らしい! ハーモニー処理(止め絵)、数回PAN・T.B、何でもかんでも流背引き……。まさに80年代のTVアニメ演出の総決算ですね、『スケバン刑事』は! ……いや、少なくとも中・高校生の頃の自分は“これがアニメだ!”と思ってました。そういう、どこか懐かしい香りのする良作ですね。この作品、脚本・監督はひろたたけし氏とありますが、アニメ制作現場的にはアニメーションディレクターの難波日登志様が絵づくりをしていたのではないでしょうかね……? なぜ“様”……かと言うと、難波様は自分が初演出(処理のみ)をやらせてもらった『グラップラー刃牙』(シリーズ前半)の監督様で、右も左も分からない自分(なにせ、当時はテレコムで3年ほど原画をやっていたものの作監経験などはなく、演助に就いた事すらありませんでした……)をカッティング、リテイク出し、V編など……本当にいろいろ世話してくださった方だからです。
板垣的、アニメの偉い人(2)
難波日登志様
(監督してない時“監督”と呼ぶと怒るので)
『YAT 安心! 宇宙旅行』の監督。
実は元テレコムで1期生出身。
自分の初演出を元テレコムの先輩にみてもらうというのは、やっぱ縁ですかね……?
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初演打ちの日、グループ・タックの会議室で待っている板垣の目の前に、
――と元気よくさわやかに現れたのは、長髪を後ろで結んだカッコイイ難波さんでした(やっぱり“様”は画数が多く書きづらいのでここからは“さん”……で)。
――そして、演打ち……。
演打ちの時の難波さんは至って気さく――。
「(ニコ、ニコ、ニコッ)……!」
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どんなにくだらない質問にも満面の笑みで答えて(教えて)いただきました。さらに、演打ち後の雑談(板垣の打ち合わせは、演打ち、作打ち、B.G・色・撮打ちに関わらず、本題の後必ず雑談になります。「雑談の方が長い!」との制作の方々の声多数……らしい)にも難波さんはニコニコ付き合ってくださってありがたかったです。
――が、B.G・色打ちの時は演打ちの時とはうって変わって、
「……始めて」
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――と、今度は至ってクールで“THE監督!”な顔をのぞかせて、
俺があたふたと打ち合わせで頑張ってると、背後から―― |
「……やめて」
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